第2のふるさとが生まれる「ふるさと兼業」の取り組み

第2のふるさとが生まれる「ふるさと兼業」の取り組み

2021.07.19

地域NPOと大企業若手のコラボレーションが地域の新しい価値創出を推進


昨今、都市部の「地方に興味関心がある人材」に対し、求人やサービス提供をする企業が増えています。政府も2020年度、東京圏に住みながら地方で兼業や副業をする人に交通費支援制度を始めようとしています。このように地方へ一歩踏み出せるような支援が広がりをみせています。


しかし、実際には「地方に興味があるけれど、どう関わればいいだろう」「都市部の人材がほしいけれど、どうしたらいいだろう」と思っている都市部の方や地域企業は多いのではないでしょうか。
大企業若手の実行団体ONE Xと20地域を越える地域団体が連携して運営する第2のふるさとが生まれる兼業プラットフォーム「ふるさと兼業」の取り組みを紹介させていただきます。


普段は都市部を中心に大手企業で活躍する若手社員。新たな挑戦として始めたのは、地域企業の伴走支援。地域NPOと連携し、地場産業の事業創出を支える取り組みが半年を迎え、さらに動き出そうとしています。


地域の挑戦を多様な形で推進する「ふるさと兼業」とONE Xが描く未来


2019年2月、大企業の若手有志社員の実践コミュニティ「ONE JAPAN」で出会ったメンバーが立ち上げた団体が「ONE X」です。


ONE X発足当時、メンバーはそれぞれが所属する会社への貢献だけではなく「本当に困っている人や社会のためにできることはないか、何か貢献したい…」というモヤモヤを持っており、壁にぶつかっていました。そんなときに「ふるさと兼業」に出会いました。


ONE Xとは


『大手通信企業、自動車メーカー、総合電機メーカー、人材企業などの若手社員によって構成されている共創組織。全てのヒトがコトを興せる社会の実現に向けて、さまざまな団体・企業・個人とコラボレーションをしながら、新規事業への挑戦や、新しい働き方の実践の場、若手の成長の場を提供。
現在の主な活動は、



  • ふるさと兼業
    ONE Xメンバーが各兼業案件に伴走し、地域企業の課題解決や兼業参加者の目的達成に向けた支援を実施。また社会や所属企業への兼業の意義の発信も実施。

  • 就活オンライン座談会
    就活の悩み相談や、様々なバックグラウンドのリアル社会人の話を聞くことで仕事や私生活などのイメージを持ってもらうため、コミュニティづくりやオンラインイベントを開催。


  • シェアオフィス運営支援
    岡山県 磨屋町にあるシェアリングオフィス「TOGITOGI」の運営を伴走支援。


    • TOYスクランブル
      さまざまな領域とのコラボレーションにより、世の中に対する「問い」が生まれるようなイベントを開催。』




ふるさと兼業とは


『ふるさと兼業とは、愛する地域や共感する事業にプロジェクト単位でコミットできる兼業プラットフォーム。プロボノや兼業、パラレルキャリアという言葉が社会の中で当たり前に使われ始めるなか、都会で生活しながら地域に関わる、大手企業で活躍しながらNPOや中小企業、ベンチャー企業に関わる、そんな新たな選択肢を提案するサービスとして2018年9月にスタート。現在、全国20地域の地域団体が連携し運営している。』 


ふるさと兼業の「限られたコミットでも、企業の中核を担う事業推進はできる」という考え方は、ONE Xが今後取り組みたいことと合致していました。また、両者がコラボレーションをすることで、「地域の多様な取り組みや事業推進を加速させることができるのではないか。」「ノウハウやネットワークをかけあわせることでより多くの地域に届けることができるのではないか。」そうした期待に胸を躍らせながら、2019年、協働を開始しました。


協働を通じて感じた地域のポテンシャルと面白さ


連携開始以来、両者のコラボレーションで推進したプロジェクトは、5つです。


 A:染物から日本文化を支える。200年続く旗屋の思いを届けるWEBマーケティングプロジェクト
   ONE X/太谷成秀が製品開発や広報戦略を中心業務として参画
 B:美容室2.0を興せ!美容師×レンタルスペース提案で常連さんの夢を叶える場所を生み出したい
   ONE X/安藤晃規が論点整理やアウトプットの方向付け等ディレクション業務中心として参画
 C:地元工務店が企画するマルシェを通じて地域をよくする実践経験を!
   ONE X/豊永穂奈美がアイデア出しや論点整理を中心業務として参画
 D:熱狂的ファンを!飛騨市ファンクラブの関係人口活性化プロジェクト
   ONE X/小林遼香がリブランディングから広報PRを中心業務として参画。
 E:「岐阜のおいしいクレソン」の伝道師に!!新パッケージの広報戦略プロジェクト
   ONE X/古島洋太がアイデア出しや広報戦略・メディア展開業務を中心業務として参画


いずれも、ふるさと兼業のコーディネーターとONE Xのメンバー、ふるさと兼業へ応募してきたメンバーと取り組みました。参画メンバーのなかには、「所属企業の本来業務のなかで当たり前にやっていることが、地域企業にとっては価値につながるんだ。」という感想をもつ方もいました。


本来業務では、いつもと同じメンバーが同じ会社の文化のもと仕事をしています。自分自身の強みや成長を実感する場面は多くはないと思います。ふるさと兼業に参加したことでアイデアだしや論点をまとめること、インスタグラムやzoom等のITリテラシーなど、本来業務で培われてきた知識と経験がプロジェクトへ貢献しているところを目の当たりにし、自分の強みを発見できます。また、1つの目標に向けてプロジェクトを地域企業の経営者や他企業に勤めている人と進めていくことで仕事への新たなフィードバックをもらえ、個人の成長を実感できるのです。


受け入れた地域企業側も「外部人材がプロジェクトに入ってくれたおかげで、今までできなかった新しいチャレンジを実施でき、かたちになった」や「地域企業の若手の人材育成につながった」、「オンライン会議やSNSに慣れることができた」など、ふるさと兼業を取り入れることで地域企業の経営へプラスになっているそうです。これらこそ、ふるさと兼業の価値、地方で兼業・副業をする意義の1つだと考えます。


個別具体からひとつの仕組みに


新聞や雑誌で兼業・副業の言葉を目にするようになりました。しかし、プロジェクトに取り組んでいくなか、送り出す側や受け入れる側の団体・企業は「兼業・副業の意義」についてまだまだ浸透していないのではないかと思うようになりました。


送り出す側の団体・企業のなかには「本業の質が下がるのではないか」や「転職のリスクになるのではないか」などのマイナスなイメージを持っています。一方、兼業者を受け入れる企業側も「何かを一緒に創り出していこう」ではなく、ただの工数(足りない人手を補うだけ)として考える企業も少なくないそうです。


今後、ふるさと兼業では、本記事で述べているような兼業の意義だけでなく、実際にふるさと兼業に参加したことで成功した地域企業の事例、自身の強みを発見することで本業の質が上がった参加メンバーの事例などの情報も発信していきます。


地域の挑戦を多様な形で推進する「ふるさと兼業」とONE Xが描く未来


『限られたコミットでも、企業の中核を担う事業推進はできる』
これまでのプロジェクトを通じ、確信に変わりました。


人材の採用・確保が困難な時代に突入している現在。 地域での事業推進は、従来型の人材採用/活用でなく幅広い働き方を導入し、多様な人材を活かすことが重要になってきています。企業だけでなく個人も「都市部にいながら地域事業に関わりたい」という想いをもち実行している人材も増えてきています。
ふるさと兼業は、新たな人材活用に挑み、事業を推進する地域企業と、 想いをもって参画したいと考える人材をつなぎ、 地域全体の活性化を実現したいと考えています。


「新たな取り組みをしたいが人材やノウハウが不足してなかなか進まない」地域企業の皆様!「何か地域の役に立ちたい、自己成長・実現をしたい」学生・社会人の皆様!
「ふるさと兼業の取り組みに共感し、パートナーとして地域活性化を推進していきたい」団体・企業の皆様!
是非、日本全国の地域活性化を目指し一緒にできることから取り組んでいきましょう。
ご興味ある方は以下連絡先までお気軽にお問い合わせください。


ONE X事務局 


担当:太谷、田中、小林
メールアドレス:one.xxx.1922@gmail.com


関連URL


ふるさと兼業
https://furusatokengyo.jp/
ONE X
https://onexxxx.com/