日本暗号資産ビジネス協会・日本ブロックチェーン協会 SDGs達成・ESG実行に向けた暗号資産の可能性について、イベント開催をしました

日本暗号資産ビジネス協会・日本ブロックチェーン協会 SDGs達成・ESG実行に向けた暗号資産の可能性について、イベント開催をしました

2022.08.31

SDGs・ESG × ブロックチェーン・暗号資産が切り拓く2020年代!

2月17日に「 SDGs・ESG × ブロックチェーン・暗号資産が切り拓く2020年代!」と題し、一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)と一般社団法人日本ブロックチェーン協会(JBA)によるイベントが開催されました。昨年に続き第二回目となるこのイベント、今年は「2030年を達成目標とするSDGsにブロックチェーン、暗号資産がどのように寄与していくかについて」をテーマに実施されました。

イベント冒頭での両協会からの挨拶では、JCBA会長の廣末氏が、「当たり前と捉えられるべきSDGsやESGが、今改めて着目されている点、自分たちが気づかないうちに理想からずれてしまっているのでは」と話し、JBA代表理事の加納氏は「企業や個人が、社会的に責任を全うすることの重要性を改めて感じ、本イベントでESGの実行、SDGsの達成につながるヒントを得られることを願っている」と話しました。

本記事では、各登壇者の講演をレポートします。

銀行口座をもたない世界17億人へ向けた暗号資産の可能性

基調講演 「暗号資産・ブロックチェーンとESG」
大槻 奈那(おおつき なな)氏

マネックス証券株式会社 専門役員 / マネックス仮想通貨研究所 所長  名古屋商科大学大学院 教授  外資系証券会社等を経て2016年1月よりマネックス証券チーフ・アナリスト。国内外の金融市場や海外の株式市場等を分析する。2018年よりマネックス仮想通貨研究所所長を兼務、暗号資産を主に金融市場の立場から分析する。政府の委員やロンドン証券取引所の日本業務のアドバイザーなども務める。
マネックス証券株式会社:https://www.monexgroup.jp/jp/index.html 

マネックスは2018年に仮想通貨の研究を始めて、金融の市場から見た暗号資産について分析をしています。

昨今、エネルギー消費に焦点が集まり、暗号資産はESGフレンドリーではないという見方がされています。しかし、暗号資産の出自は「ESGの世の中を実現する」という考え方から始まっています。
現代の決済サービスでは、国際的な決済をする場合、大手の金融機関からエンドユーザーにコストが課せられています。そのコストは年間数兆円に上ります。小規模取引はコスト割れしてしまうため、旧来の決済では小口の決済を受け入れていません。

また、金融機関が自らのコストと、リスクを排除するために、顧客から必要以上の情報を要求しています。このことは、ベンチャーなどを起こす人にとって負担となっています。

世界的には、17億人が銀行口座をもっていないという事実があります。不正とコストを抑えた取引が暗号資産で可能になれば、広くあまねく多くの人に金融サービスを提供することが可能になり、効率的で公平な社会が実現するだろう、これが暗号資産の元々の発想でした。

現在、暗号資産は、マーケットとして高く注目されてしまったところから、「投機」の対象になってしまっています。急速な広がりのために、ESGという観点から極めて薄まってしまい、目的が理解されづらくなっています。しかしながら、市場の関係者の見方では、暗号資産は拡大の好機にきていると言われています。先進国だとインフレ、途上国だと自国の通貨の信頼感が低いため、暗号資産を持っている方がよいのではという考えが広がっています。

環境問題において、電力消費は大きな課題ですが、今後の技術的開発に期待したいところです。電力消費に関しては、暗号資産、ブロックチェーンの問題だけに矮小化してはならないと、業界から提示していくべきではないでしょうか。

暗号資産は、無形であり、立証が難しいですが、「ブロックチェーンだからできること」を調査し、しっかり宣伝活動をして世の中へ広まっていくべきだと考えています。

日本の市場はすぐには変わらないかもしれませんが、独自のイノベーションの道を探っていくべきです。ベンチャー企業、大企業に対して、技術をどう使ってもらうのか理解してもらうことが大切です。両者の共通言語として、SDGs、ESGを切り口にあたらしい協業パターンを作っていけることに期待したいと考えています。

世界経済フォーラムから見える唯一無二の産業「暗号資産」

テーマ「CryptoはSustainableなのか~世界経済フォーラムの視点から~」
小田 玄紀(おだ げんき)氏


株式会社ビットポイントジャパン 代表取締役、一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会 理事、一般社団法人日本暗号資産取引業協会 副会長理事。2001年より『頑張る人が報われる』をテーマに起業家/NPO・社会起業家/アスリートなどの夢の実現に伴走する。2011年より事業再生を手掛け、2012年に株式会社リミックスポイントに経営参画。後に同社代表取締役に就任し、2016年に同社子会社として株式会社ビットポイントジャパンを設立、代表取締役に就任する。2018年紺綬褒章受章。2019年に世界経済フォーラムよりYoung Global Leadersに選出される。2021年には日本人で唯一となるYGL Advisory Boardに選出される。
株式会社ビットポイントジャパン:
https://www.bitpoint.co.jp/
GENKI式:https://www.odagenki.net/

私が代表を務めるビットポイントは2016年に創業されました。私は、今から20年前に会社を立ち上げ、様々な活動をしてきました。現在では、世界経済フォーラム、Young Global Leadersに任命され、世界経済フォーラムに参加をしています。私は、SDGsに様々な観点で、クリプト(暗号資産)が貢献できるのではないかと思っています。第4次産業革命においてもブロックチェーンは重要な役割を果たすと言われています。

毎年、スイスのダボスで世界経済フォーラムが開催され、2018年に続き、2019年においてもクリプトについて議論がなされ、注目度が高まっています。

昨年のクリプトに関するサミットで興味深い発言がありました。「多くの産業があるなかで、クリプトは異なる点があります。通常、産業を伸ばそうと思ったら国がいろんな支援をしなければなりません。しかし、クリプトは国が何の投資をしなくても勝手に産業が成長していくのです。」これは、面白い発言だなと思いました。勝手に産業が成長していく数百兆円規模のマーケット。他にこんな産業はありません。

クリプトの産業は、自発的に成長し、社会貢献に展開されていく、つまりサスティナビリティが高いのでは?という議論が海外でされていることをご紹介させていただきました。本日はご清聴ありがとうございました。

「Play to Earn(遊んで稼ぐ)」成功事例からみる暗号資産とSDGs

テーマ「メタバースで新たな雇用が生まれ、メタバースに出勤する世界〜ブロックチェーンゲームと金融包摂の可能性〜」
藤本 真衣(ふじもと まい)氏

株式会社グラコネ代表取締役
MissBitcoinとして知られ、2011年から暗号資産の普及活動に携わっている。 日本初の暗号資産による寄付サイト「KIZUNA」やブロックチェーン領域に特化した就職・転職支援会社「withB」、ブロックチェーン領域に特化したコンサルティング会社「グラコネ」などを手がける。また、GMOインターネット、BITPoint Japanを始め国内外の企業の顧問としても活動している。暗号通貨とBlockchainをSDGsに活用することに最も関心があり、ブロックチェーン技術を使い多様な家族形態を実現する事を掲げたFamiee Projectや日本円にして17億円以上の仮想通貨寄付の実績を誇るBINANCECharity Foundationの大使としても活動中。
株式会社グラコネ
https://gracone.co.jp/

私は、2011年にビットコインに出会ってから、この業界での活動を開始しました。ビットコインが海外送金の手数料が安いという論文を読んだ時に可能性を深く感じ、寄付に向いているのでは?と日本初の暗号資産による寄付サイト「KIZUNA」を立ち上げました。また、総額で17億円以上の仮想通貨寄付の実績を誇るBINANCE Charity Foundationの大使としても活動しています。

これまで、3Dのアバターでコミュニケーションできるサービスが数多くありましたが、趣味のコミュニティにとどまっていました。これからは、ブロックチェーンと組み合わせることで、メタバース上で生活する方が増えてくるのでは、と見られています。

ここで、コミュニティ×エコシステム=メタバースと定義したいと思います。暗号資産やNFTを活用したゲームの世界においては、銀行口座がなくても商品やサービスの支払いができるようになってきました。具体的には、NFT(Non-Fungible Tokenの略で、非代替性トークン)の貸付をギルド(ゲームの協同組合)から受けることができます。

ゲームミッションを達成して、報酬を受け取り、NFTを貸してくれた人やギルドと収益を分配し、汎用性の高い通貨と交換することが可能です。つまり、口座を持たない人が、インターネット市場に招き入れられる環境が整ったと言えるのではないでしょうか。

人気のNFTゲーム、アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)でも同じことが起こっています。元手がない人たちのために、強いキャラクタをレンタルしてゲームミッションに参加できる仕組みができました。エコシステムを支えるものが自発的にできてくること、これがブロックチェーンの面白さではないでしょうか。この動きは、全世界的にどんどん広がってきています。

ゲームで得た報酬を汎用性の高い通貨にすることもできるし、現地でレストランや、タクシーで使えるなど、そのまま生活に使えるところも出てきています。今後も多様な形態が生まれてくるでしょう。ぜひ皆様に、暗号資産とブロックチェーンのポテンシャルを感じていただきたいと思います。

各産業のSDGsに貢献するブロックチェーン技術

テーマ 「テクノロジー/ブロックチェーン×サステナビリティ事例」
藤井 達人(ふじい たつと)氏


日本マイクロソフト株式会社 エンタープライズサービス事業本部 業務執行役員、日本ブロックチェーン協会 理事、一般社団法人Finovators Co-Founder
1998年よりIBMにてメガバンクの基幹系開発、金融機関向けコンサル業務に従事。その後、Microsoftを経てMUFGのイノベーション事業に参画しDXプロジェクトをリード。おもな活動としてFintech Challenge、MUFG Digitalアクセラレータ、オープンAPI、MUFGコイン等。その後、auフィナンシャルホールディングスにて、執行役員チーフデジタルオフィサーとして金融スーパーアプリの開発等をリード。現在はMicrosoftに復帰し金融機関のDX推進に携わる。一般社団法人FINOVATORSを設立しフィンテック企業の支援等も行っている。2021年より日本ブロックチェーン協会理事に就任。同志社大卒、東大EMP第17期修了。
リンクトイン:
https://www.linkedin.com/in/tatsuto-fujii/

「テクノロジー/ブロックチェーン×サステナビリティ事例」について、4つのトピックと実例を紹介します。
一つ目は、炭素排出量の標準化についてです。

かなり前から指摘されていた問題ですが、脱炭素のためのカーボンクレジットに関して、クレジットを買ったのに実際には減っていないという状況が生まれています。マイクロソフトはこの問題の解決に向け取り組みを進めています。

実効性の高いカーボン除去のクレジットは、世界的に足りていないという状況にあり、マイクロソフトは、カーボントークンに関する規格の標準化を進めています。質の高いカーボンクレジットを流通させて、実効性のあるカーボン除去を目指します。ブロックチェーン技術を使うことで、クレジットの二重利用を防止し、取引コストを下げることが可能です。

2つ目にMaaS利用における炭素測定についてです。2017年に、MOBI(Mobility Open Blockchain Initiative)というコンソーシアムが設立されました。モビリティ産業におけるブロックチェーンの標準化を促進する非営利団体で、大手自動車メーカー、部品メーカーなどから構成されています。2021年10月に発表された、トラステッドトリップという規格は移動の証明に役立ちます。どういうルートをどういう手段で移動したかに加え、そのデータから、CO2のレポーティングをすることが可能です。

3つ目は産業サプライチェーンのトレーサビリティについて。例えば、アフリカのルワンダで採掘されるレアメタルの一種は、電子機器のコンデンサに欠かせません。これまでは採掘や流通ルートに奴隷労働、児童労働、環境被害、盗難など様々な問題があることが分かっていました。ブロックチェーンの技術をつかうことで、問題なく採掘・輸送されていることを証明することが可能になります。

4つ目に、数日前に発表された日本取引所グループの取り組みについてです。日本取引所グループが、「環境債」をセキュリティトークンとして発行する検討を開始しました。グリーン投資にかかるデータの透明性やデータ収集にかかる作業の煩雑性に対し、ブロックチェーンなどデジタル技術を活用して、透明性の向上及びデータ収集の効率化を目指すとのことです。

詳しいことは今後明らかになると思いますが、この取り組みもブロックチェーンならではであり、個人的にも注目しています。本日はありがとうございました。

暗号資産・ブロックチェーン技術で、地方を元気にする新たな取組み

テーマ「『地方創生と暗号資産』~コミュニティ経済と地域通貨~」
小澤 仁裕(おざわ いつひろ)氏

㈱ソトコト・プラネット 副社長 COO

パネルディスカッション
「SDGs・ESG × ブロックチェーン・暗号資産が切り拓く2020年代!〜共に考えよう、持続可能な未来へ~」

私たちソトコトは、地方創生とSGDsをテーマに掲げる創刊20年の雑誌を発行しています。社会や環境が良くなって、かつ面白い、そこを大切にしているメディアです。私たちはメデイアとして、日本の良いもの、良い場所、良い人を広めていくことで、日本をもっと良くしていきたいと考えています。

雑誌出版不況ですから、私たち自身も変わらねばと、雑誌事業からウェブ、クラウドファンディング、オンラインサロンの運営などデジタル事業に変化させています。実は弊社のお仕事全体の半分以上が、地方自治体の関係人口の創出のプロモーションや、省庁さまとのお仕事です。地方のためにメディアだからできることを考え、新たに「ソトコトサークル」というマッチングアプリをリリースします。

どのようにすれば日本自体がサスティナブルな状態を維持できるのか、10年ほど、政府・地方自治体と議論を重ねてきました。この30年で地方は働く場所も減り、少子高齢化も進行しています。そんな中、私たちは「関係人口」を増やしていこうと動いています。「関係人口」とは、観光以上、移住定住未満のこと。これまでも島根県、和歌山県などと取り組みを行い、数百人を超える人数と地方で取り組みを開催し、実際に移住者も出ています。

人の流出とお金の流出。この二つが地方の大きな課題です。例えば、地方の商店で買えば地方にお金が残りますが、アマゾンで買えば、お金が移動してしまい地方にお金が残らない。これからリリースするマッチングアプリでは、それぞれの趣味嗜好の持つユーザーが趣味で繋がり、関係人口の創出へ繋げます。そして、地域コインと仮想通貨をこのアプリに組み込むことを考えています。

地域コイン自体は、実は昔から1980年代からありまして、商店街の振興券とか、GoToキャンペーンもその一種にあたります。日本には3000種類以上の地域通貨がありますが運用面の課題が指摘されていました。最近では、スマホの登場により成功事例が増えてきています。例えば、飛騨高山でのさるぼぼコイン。コンビニチャージ、アプリで管理、決済も簡単です。

ソトコトのマッチングアプリでは、地域コインを地域DAO(分散型自律組織)で運営していくという仕組みを検討しています。そこで、NFT購入者が意思決定に参画できるという仕組みをブロックチェーンで組めないかと考えています。ソトコトDAO NFTを機軸通貨の代わりとして、ユーザーはそれぞれの地域DAO NFTを購入することができます。自治体、商工会等と提携し、地域にお金が循環していける世界を作っていけたらと考えています。地域通貨の運営で収益が上がれば地域でNPOを作ったり、そこから地域で産業を起こしていくこともできます。私たちは、この取り組みで地域に元気を与えていきたいと考えています。

事務局 本イベントでは、ブロックチェーンのフィロソフィーや、SDGsの実現したい世界との相性の良さを感じることができました。今後、技術の活用が広まっていく世界になればと思っています。本日は、みなさまご清聴ありがとうございました。