次世代に託したい未来への関わりしろ

特集 | 大阪・関西万博 日本館×ソトコト「万博未来編集部ローカルツアーONLINE」 | 次世代に託したい未来への関わりしろ ─2025年 大阪・関西万博─。

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2022.02.07

輝かしい未来を描いてみせたアジア初の大阪万博から55年。
2025年、『大阪・関西万博』が開催される。なにを目指し、どんな万博となるのか。「日本館」を出展する経済産業省の博覧会推進室室長の滝澤豪さんと、弊誌編集長で日本館の基本構想の作成に関わった指出一正が語り合った。

大阪・関西万博の会場は、四方を海に囲まれた人工島「夢洲(ゆめしま)」。海と空が感じられる場所が未来社会のショーケースとなり、人類共通の課題を解決するための新しいアイデアが創造・発信される。(写真提供:2025年日本博覧会協会)

新しい万博の姿を示す。

指出 私も万博に関わらせていただいていますが、「なぜ今万博なのか?」と感じている人も多いと思います。

滝澤
 過去の万博の多くは、自国の素晴らしさを世界に発信する、いわば国威発揚型でした。その流れを変えたのが『愛・地球博』(2005年)。「自然の叡智」をテーマに、グローバルな課題を採り上げたエポックメイキングな万博でした。『大阪・関西万博』も、新しい万博の姿を提示するものになればいいなと思っています。

指出
 そこで掲げられた全体テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。どのような思いが込められているのでしょうか。

滝澤
 ここでいう“いのち”は、人間のものだけではありません。無生物も含めた地球上に存在する、ありとあらゆるものが輝く世の中をつくるためにはどうすればいいのかを、みんなで考える万博にしたいという思いが込められています。『大阪・関西万博』は、おそらくポスト・コロナで初めて開催される万博。コロナ後の未来社会をきちんと世界に見せたいですね。

指出
  「未来社会の実験場」というコンセプトもすごく響きました。

滝澤
 未来社会を体験していただく場でもありたいので、交通や環境・エネルギーなど多様な分野で少し先の未来を切り取り、体験できる「未来社会ショーケース」事業も実施します。多くの人に来場していただき、テーマに沿ったさまざまな体験を通して、一人ひとりが行動を起こせる仕組みをつくっていくつもりです。

指出
 SDGsや気候変動など、世界が共通して取り組むべき課題は多い。万博はその解決策を日本から発信する格好の機会になります。『ソトコト』的には、みんなで考える、みんなで行動するという、市民参加がすばらしいと感じています。

滝澤
 社会課題がグローバル化し、価値観が多様化するなかで、課題は政府だけでも、企業だけでも解決できません。地域に根ざした課題、地球環境問題、海洋プラスチック問題、LGBTQ、ウェルビーイングなど、いろいろな課題に関わる、あるいは関わろうとする人々が、自らの周囲でアクションを起こすことで世の中はよくなります。万博が、そのきっかけになれば思っています。

指出
 『ソトコト』でも「関係人口」や「関わりしろ」というキーワードで、社会の課題に取り組む人々を紹介しています。そのなかには、幼い頃に『愛・地球博』で地球環境について考え、今ローカルプレイヤーや温暖化に取り組む活動をする方々がけっこういます。万博が人を育てているなと感じます。2025年の万博後に万博チルドレンが増えるといいですね。

経済産業省 商務・サービスグループ 博覧会推進室 室長 滝澤 豪さん

人と人とをテクノロジーでつなぐ。

指出 僕は日本館の基本構想を検討・策定するワークショップに参加させていただきました。そのときにキーワードとして挙がったのが「関係人口」と「関わりしろ」。誰もが関われる部分があることが大事であり、「いのちと、いのちの、あいだに」という日本館のテーマに通底しているマインドだと思っています。

滝澤 委員のみなさんの想いがこもった基本構想になったと思っています。地球規模の課題を解決するためには、人類は多くのいのちのなかで生かされていることをあらためて考えなければならない。そのためには、岩や山など無生物にもリスペクトを欠かさず、自然と人間が共生するという日本の精神文化が役に立つことを伝えたいですね。

指出
 過去から未来へつなげてきた“水平方向”へのいのちのリレーがあり、いっぽうで人間を含む万物の間には、“垂直方向”へのいのちの相互作用がある。未来へ向かうためには、“水平方向”と“垂直方向”、両方でいのちのバトンをつなぐことが大事だと思います。さて、このテーマに沿った日本館、どんなものになるのでしょうか?

滝澤
 2022年3月末まで開催されるドバイ万博の日本館は、日本の歴史や文化、技術を最新テクノロジーで紹介しつつ、地球規模の課題に対する解決のアイデアを来場者が投稿できる参加型になっています。この流れを大阪・関西万博にもつなげていきたいと考えています。

指出
 まったくの偶然なのですが、ドバイ万博のテーマ「Connected Minds, Creating the Future」は、僕たちが関係人口を英語で表現する「Connected Mind」と通ずるところがあります。関係をつくり、参加することでSDGsを自分ごととして考えることができます。

滝澤
 そして、心と心、人と人とがつながることをテクノロジーが可能にしています。日本館は誰にでも門戸を開き、みんなでつくる万博を実感できる場になります。

指出
 多様な主体がテクノロジーを介して話ができる時代だからこそ、“みんな”という言葉をリアルに感じることができます。

『ソトコト』編集長 指出一正

みんなでつくる万博に。

指出 参加型になる万博。その動きはすでに始まっています。ソトコトも日本館とのコラボとして、25年以降の未来を担う若い世代がオンラインで集まり、地域の未来を語り合う「万博未来編集部ローカルツアー」を実施しています。ほかにも万博開始前から、多くの人が関わることができる仕掛けがあると聞いています。

滝澤
 先ほども言いましたが、今の社会課題の解決には多くの人に関わっていただくしかありません。そのためには開催前からさまざまな活動を通して、多くの人に当事者になってほしいと考えています。「TEAM EXPO 2025」プログラムやソトコトの活動など、さまざまな関わりしろを見えやすくしています。ぜひ万博をツールとして、「自分の周囲の課題を解決するためになにができるのだろう」と考え、“万博の関係人口”になっていただきたい。社会の課題を“自分ごと”として考え、行動する人々が開催前から関わり、一緒に世の中をよくする方向に動いていければ、すばらしい万博になると思います。そういう意味では、万博本番が「オフ会」になるくらいに事前の活動を充実させたい。万博をきっかけに、いい循環が生まれ、世の中もよくなるムーブメントを起こしていきたいと考えています。

指出
 今号の特集は「まちをワクワクさせるローカルプロジェクト」。万博は、まさにそんなプロジェクトになります。万博がみんなのローカルプロジェクトになれば成功ではないでしょうか。

滝澤
 ローカルでもありながら、真の意味で万博が世の中の役に立つ。これこそが新しい万博のあり方だということを世界に発信していきます。

指出
 万博で、自分ごととして未来に関わることが楽しいとみんなが思ってくれることを願っています。

大阪・関西万博の関わりしろ①「TEAM EXPO 2025プログラム」

万博は見るだけのイベントではない。自分が主人公として万博に参加できるのが「TEAM EXPO 2025」プログラムだ。いろいろな人たちでチームを組み、未来に向けた活動を行う参加型のプログラム、「共創チャレンジ」がすでに始まっている。メンバーたちと一緒に一つでも多くの身の回りの課題を解決して、「あ! ちょっと社会がよくなった!」というワクワクする体験を増やしていこう! その積み重ねが、万博とその先の未来につながっていく。

「共創チャレンジ キックオフミーティング =未来への宣言=」

「共創チャレンジ」をテーマにした初のトークイベント。トークセッションと4つの「共創チャレンジ」の紹介が行われた。

Hello! TEAM EXPO 2025 Meeting

共創パートナーの『大日本印刷』が、「共創チャレンジ」をサポートする共創パートナー同士の交流を図るイベントとして、2021年4月から定期的に開催。

EXPO PLL Talks「シギノ産官学万博企画会議」

共創パートナーの『西尾レントオール』が展開する、万博のテーマに関連する活動を行う実践者たちが語り合うオンライントークイベント。

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