第8回

第8回 ディスカバー農山漁村の宝アワード 受賞者決定【特別賞-前編】

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2022.02.25

「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」は、「強い農林水産業」、「美しく活力ある農山漁村」の実現のため、農山漁村の有するポテンシャルを引き出すことにより地域の活性化や所得向上に取り組んでいる優良な事例を選定し、全国への発信を通じて他地域への横展開を図る取組です。第8回目(令和3年選定)となる今回は、合計651件の応募の中からアワード受賞者を決定しました。

https://www.discovermuranotakara.com/

【特別賞ー食文化にエール賞】北広島商工会「きたひろしま開拓プロジェクト委員会」

北海道米の礎を築いた歴史で地域力アップ!

事業概要
地元商工会や農業者等が連携し、赤毛米の復活栽培、加工品の企画・開発等により、市民の誇りの醸成と地域活性化に貢献しています。赤毛米や赤毛米酒粕を使用した加工品の販売のほか、キャラクター「まいピー」によるPR活動等も実施中です。

◯今回応募したきっかけ

当会の取組は、明治初期に北海道の寒地(道南より北)では不可能と言われた米作りを、中山久蔵翁が赤毛種を用いて成功させたという偉業を当市・北海道の財産として、広く知って頂くための活動です。

そのために赤毛種の復活栽培や赤毛米使用での商品開発、キャラクターの活動によるPRを行っています。そういった意味では、農商工連携・六次化・食文化への取組で、広く知って頂く機会として、第4回から継続して申請をしていました。

◯赤毛米の栽培で一番気を遣っている点は?

赤毛米(赤毛種)は、米に長いノゲ(ノギ)が生えており、麦のような種です。そのノゲが現代の収穫作業に不都合であり、当初は刈取作業以外は手作業での収穫でした。現在は機械収穫が可能となるよう研究を重ね、問題はありますが概ね機械収穫が可能となりました。

また、現代の米とは大きく異なり、肥料の管理等でも気を使い、手間をかけなければなりません。赤毛米栽培農家は現在2軒のみで、当会の取組に関する生産者は1軒となることから、災害等で不作等になると、このプロジェクトが成り立たなくなるため、生産者の気苦労は計り知れません。

◯「まいピー」をつかった広報活動で重視していることは?

北広島市、赤毛米、中山久蔵翁を知って頂くための広告塔として活動しています。それほど頻繁な露出にはなっていないものの、市内でのイベントや出演依頼に対応しています。

小さなお子様から年配の方まで、幅広い年代の方々から“まいピー”だ、と声を掛けて頂くようになりました。この声に応え、ふれあいや写真撮影など、可能な限り対応させて頂いております。

◯赤毛米を使った商品で、今後の新たな展開があれば教えてください

赤毛米関連商品は、当初は米粉使用のパン・菓子類でしたが、日本酒の完成で副産物(酒粕・米ぬか)を使用した商品が数多く出来ました。米の種の問題から日本酒への取組が約3年出来なくなりましたが、この対応策として赤毛米焼酎に取組むことができ、本年5月にリリースします。

また、日本酒が出来なくなった際の原料を無駄にすることなく、日本酒で日本酒を仕込む“貴醸酒”の取組にも成功し、2023年の北海道ボールパーク開業に合わせてリリースの準備をしています。

【特別賞ー日本が誇る美景観賞】株式会社ワカヤマファーム

竹・竹林という資源を使いきる

事業概要
宇都宮北部に24haの圃場を有し、タケノコ、竹、栗を栽培しつつ、その竹林を観光資源として一般開放しています。竹林の美しさから、栃木県・宇都宮市のフィルムコミッションと連携し、撮影ロケ地としても利用されています。

◯今回応募したきっかけ

失礼ながらこの賞を知らなかったのですが、県、農政局の担当者に勧められて応募いたしました。  

◯来場者を増やすために一番力を入れていること

竹林が手入れされ綺麗であることが大前提ですのでそこを徹底することや、ご来場いただいた方全員にご満足いただけるよう見所などをお伝えし、お帰りの際には一声掛け、その感想を聞き印象付けることです。

(ファンを作りリピートをと言う意味もありますが、口コミ、SNS の時代ですので一人一人全員が大切な発信者です)

◯竹林の美しさなどSNSなど発信をするうえで意識していることは?

我々にとっては日常となり、見慣れてしまうのですが、視線を新たにし毎日の風景、出来事を上げるようにしています。もう一つは、我々が発信するのではなく、ご来場者様に上げていただけるように工夫しています。      

◯6次産業化するなど、さまざまな取組のなかで今後の展望について

商品開発としては、若い世代の方にも手に取っていただけるようなデザイン、ストーリーと素朴なものつくりを心がけています。販売としては、足を運んでいただき直売で売ることに注力しています。(卸売りは基本しません)

サービス(観光)としては、竹の利用を知っていただくためのミュージアムの設置と、自家製農産物を使った食事の提供に取り組むつもりです。(事業再構築補助金に採択され今年取り組み始めます)

忘れ去られ、利用がなくなり、放置された竹、竹林を竹材、筍、ロケーション始めすべからく利用し、時代に沿った形で訴求していくことにより、幅の広い年代に「竹にふれ、竹を好きになってもらいたい」そんな気持ちで行っています。

【特別賞ー空中に輝く新林賞】空中の村

山奥で過ごす、大人の遊び場

事業概要
森林を活用したアウトドア施設「空中の村」の管理、運営を行い、村の新たなツーリズムの拠点施設として、誘客を促進しています。フランス国籍の地域おこし協力隊員が、地域の森林を活かし、アート×アスレチック×憩いの場を融合させたアウトドア施設を整備しました。

◯今回応募したきっかけ

2020年、「空中の村」をオープンした年に、十津川村役場からこのアワードの情報がありました。実は第7回目のディスカバーの宝に応募してみましたが、その年は選定されませんでした。

2021年に「空中の村」をオープンしてから実績も積んできて、今回もう一度申請してみました。「空中の村」は日本初の新たなアウトドア施設であり、コンセプトが解りにくく、アピール力が低いです。農林水産省に認められたら、必ず信用度が上がり、宣伝力に繋がると思って応募しました。

◯空中の村を通して日本さらに世界に伝えたいこと

この場所を作ったきっかけは二つありました。
一つ目、山は活用されていない事に気づきました。山で仕事していた時に林業は全国的に破綻していると知りました。もったいない資産だと思いました。やはり、木材生産以外にも、山の新しい利用方法を広めたかったのです。

二つ目、日本の大人は山で遊ぶ感覚を持っていない事に気づきました。特に十津川村では目の前に山があるのに山には入りません。もしかして、山と自然の遊び方は知らないかもしれません。その新たな遊び方を「空中の村」を通じて知ってもらいたかったのです。「空中の村」のような場所が全国に広がったら良いと思います!

◯空中の村を作ったことで村に起こった良い化学反応は?

村の木材を使ったり、地元の人を雇ったり、遠足や家族向けのイベントもしたりすることができました。そして、「空中の村」園内にある無人販売所では、地元で作っている弁当やお菓子などを置き、村外の来園者に販売しています。

◯これからさらに力を入れていきたいことを教えてください

山や公園を活性化したい方々を応援したいと思います。「空中の村」を作ってから様々な勉強ができ、その知識を他の地方にも活かしたいです。他の地方とコラボして、山の遊び場かつ憩いの場を頑張って作ってみたいです。

【特別賞ー農と地域づくり賞】株式会社敷信村農吉

かけがえの。ない。もの。こと。

事業概要
里山の自然を活かした保育所の運営を軸に、農産物やチーズの製造・販売等の地域密着型の事業を展開しています。保育所では、園庭での野菜栽培、自社農園の農産物を使った給食の提供など、「身土不二」を教育しています。

◯今回応募したきっかけ

直接的には、中国四国農政局の方が、応募しませんか?とお声をかけてくださったことです。また応募を通じて、小さい会社の活動であっても、同じような思いを持っている方への励みになったり、地域の自信になればと考えました。

◯保育所が地域密着事業をするうえで大変だったこと

最初から、自由な保育方針がすんなりと受け入れられたわけではなかったことです。
地域にとっては前例のない、「新しい保育」だったため、当初は抵抗感を持つ方もおられました。

例えば、どろんこ遊びを重視する保育には「服が汚れる」と反発がありました。
また、保育士のことを「先生」ではなく、「〇〇さん」と呼ぶ方針に対しては、「先生と呼ばせないとは何事か」と、一部の保護者グループが申し入れに来られたこともありました。

卒園児が小学校に進学して、自主的に行動したり、リーダーシップをとるなどして、個性を発揮できるように育っているということが認められ、「新しい保育」が肯定的な評価をされるようになるまでの数年間は、大変でした。

◯地域と連携しながらずっと売上を伸ばしてきた秘訣は?

コツコツと販路を広げてきたことです。その時に、商品の質が評価されてきました。
農吉としては、できるだけ「直接」、農家さん・消費者さん・店舗のバイヤーさんたちに、丁寧に関わるようにしています。

地域の農家さんには、野菜の栽培方法などもお聞きしながら、できるだけ高く(正当な価格で)買い取り、信頼関係を築き、年間を通じて安定的に出荷していただける仕組みを確保しています。

一方、お客様(消費者さん・店舗のバイヤーさん等)に対しても、農家さんの野菜・自社チーズ工房のチーズ等の良さを「直接」伝えられるように努力しています。具体的には、出荷された野菜を当日発送する、自社トラックで自社スタッフが配送する、などです。そうすることで、お客様のニーズを把握して対応できるし、お客様の声を農家さんに直接伝えられます。

◯おいしいチーズをつくる秘訣は?

何より、地元の新鮮な牛乳を使っていることです。
近距離から運ぶことで、牛乳にストレスがかかる要因が少なくなります。

そして、チーズ製造はすべての工程が「手づくり」です。
「丁寧に。丁寧に。手間をかけます。」をモットーに、必要な手間・時間を惜しまずかけています。そこに、チーズ職人の技量が加わりチーズは出来上がります。

【特別賞ーサステナブル賞】黒川真太郎

田舎の宝を活かした小さな6次産業

事業概要
農業・食品加工・販売の3本柱の小さな6次産業を実践するとともに、子育て環境の充実として学童保育を立ち上げ運営しています。環境保全型農業での農産物づくりを実践。お米の消費拡大のため、パンや菓子等の食品加工、全国の消費者へのネット販売も実施中です。

◯今回応募したきっかけ

横浜から徳島県に移住をしたきっかけが2011年の東日本大震災でした。
ちょうど2021年が震災から10年になる一つの区切りでしたので、移住をしてこれまで色々な活動を行ってきた事をまとめてみる良い機会として応募させて頂きました。

また、私達の活動を多くの方に見て頂き、田舎の可能性や素晴らしさを発信したいと思いました。
この「ディスカバー農山漁村の宝」で選定されることが、これまで協力頂いた地域の皆様への恩返しになるとも考えました。

◯なぜパン屋は週に1度の開店なのか?

 事業を立ち上げた当初はパン屋店舗は無く、作業工場で週に1回の「野菜セット」発送のみでした。「野菜セット」のオプションとして、子供達に安心して食べさせられる「お米パン」を焼いてご希望の方にパンを入れていました。

当方の活動が新聞に掲載されると、新聞を見た方から「パンを購入できないの?」とのお問い合わせが多数あり、「週に1回でもパン屋を営業すれば、パンを購入したい人達が購入する場ができる」との考えから週に1度の営業日を作りました。

1週間での事業活動内容は、畑作業、仕入れ作業、お米と「野菜セット」発送作業になっているので、今時点では火曜日1日だけの営業になっていますが、将来的には営業日を増やしたいと考えています。

◯小さな6次産業を実践するうえで一番意識していること

 地元を活性化させたいのが一番です。
その活性化を考えると、

①   お米の消費拡大やお米を主人公にした商品開発
②   田舎の一次産業と都会とのパイプ
③   子育て環境の充実活動、学童保育、習い事、体験の機会、公共交通の改善
④   地元の名産品を作る

など、自分達の活動になっています。

◯移住、そして自分たちの活動を通じて伝えたいこと

こちらの方達はよく「田舎だから何もない」と言われます。しかし、田舎には都会の欲する物「宝」が沢山あります。その「宝」を活かせば新たな事業など可能性は沢山あると思っています。

今、私の活動の拠点になっている大きな住居や事業活動の場、農作業、食品加工、パン店舗を都会で行うとしたらおそらく費用は数億円にもなると思います。田舎には利用価値のある空き家が沢山あります。その空き家を有効利用できれば、都会でかかる費用の1/10以下で実現可能です。

それが田舎の一番の魅力だと思っています。有効利用することによって、町も活性化します。同じように私達のような「夢」を描いてる人がいましたら、田舎なら「夢」の実現が可能です。