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傘はシェアする時代が本格化。“旅する傘”を見つける新たな楽しみも

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急な雨に便利な傘のシェアリングサービス、「アイカサ」。使い捨て傘をゼロにすることを目指してサービスが開始されてから3年半、傘の貸し出しスポットは首都圏を中心に約1000カ所に拡大。ごみの削減に貢献できるだけでなく、地域限定デザインの傘を見つける楽しみ方もあるなど、ますます注目を集めています。

目次

繰り返し借りても、24時間70円

本格的な梅雨入りを前に、「アイカサ」を運営する株式会社Nature Innovation Groupの広報を務める加藤 薫さんを取材。興味はあるけれど、まだ使ってみたことがないという人へ向けて、傘のシェアリングって一体どんなサービスなのか、詳しく教えてもらいました。
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株式会社Nature Innovation Group 広報 加藤 薫さん
アイカサスポットと呼ばれる、「アイカサ」の傘立てが置かれているのは、駅や商業施設、大学など。借りた傘はアイカサスポットであれば何処に返してもよく、料金は1日70円で繰り返し利用できます。

加藤さん:急な雨にも困らず、雨の日に傘を持ち歩かなくてもよくなるサービスが「アイカサ」です。例えば電車に乗るときに駅で返し、降りた駅でまた借りても24時間以内なら70円。ランチ後に突然の雨なんていうときも、デパートのエントランスなどにも設置されているので、無駄にビニール傘を買ったり、濡れたりしないで済みます。

濡れた傘の扱いは混んでいる場所ではかなり気を遣うもの。特にマナーが気になる電車内に持ち込まずに済むなんて、かなりのストレス軽減になりますよね。

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新宿駅東口のアイカサスポット。山手線は全駅に設置されている

スマホがあれば傘は持ち歩かなくても

「アイカサ」の使い方はとても簡単。専用アプリをダウンロードし、突然の雨に困ったら、アプリを開いて最寄りのアイカサスポットを探し、傘立てに付いてるQRコードを読み込めばすぐに傘を使えます。利用後も傘が不要になった地点のアイカサスポットで、返却用QRコードを使って返却すればよいだけ。それにしても24時間なら何度でも使えて70円、月額なら2本まで280円という安価さには驚きます。

加藤さん:日本で1年間に消費される約8000万本ものビニール傘をなくすために生まれたのが「アイカサ」です。一般的なビニール傘は500〜1000円くらいしますから、「アイカサ」を利用した方が圧倒的に安くて便利だと思えるサービスが提供できるようにビジネスモデルを構築しています。

「アイカサ」は傘の利用者だけでなく、設置する側も利用料を支払っているのだそう。店舗などでは雨の日に来店客を増やせるというメリットがあるといいます。また、「アイカサ」の理念に共感した企業に傘やラックを広告媒体として使ってもらう取り組みもしています。

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「アイカサ」の専用アプリ。CO₂削減量や天気予報を知らせる機能もあり

半永久的に使えるリペアブルな傘

加藤さん:利用者の料金を安く維持するだけでなく、傘の品質にも妥協していません。すぐに壊れて廃棄するようでは意味がありませんので、レインウェアの製造メーカーである株式会社サエラとリペアブルな傘を開発しました。耐久性を高めるとともに部品のすべてをプラスチックにすることで、骨1本から交換できる修理のしやすい傘を提供しています。

そのため紛失さえしなければ半永久的に使えるとのこと。利用者がもし傘を壊してしまっても、問い合わせ窓口に一報すれば、修理費の負担が不要だというのも嬉しいですね。

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“旅する傘”を探す楽しみとは

地域限定デザインの傘も楽しめるのが「アイカサ」。これまで20種類以上を展開し、特にパンダと観光名所をあしらった上野や路線図を星座に見立てた小田急線のデザインは人気を集めているそうです。
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人気の上野限定デザインは外側がパンダ柄
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夜空に浮かぶ、星座に見立てた路線図がオシャレな小田急線の傘
加藤さん:私たちは「アイカサ」というサービスを通して、ビニール傘という使い捨て文化を見直すとともに、“雨の日を快適にハッピーに”したいと考えています。それぞれの地域ならではのデザイン傘を揃えて、ワクワクもお届けできたらと。好きな場所で返せる(※)ということもあり、最近では神戸の限定デザイン傘を渋谷で、名古屋の名鉄傘を横浜で見つけたなどとツイートされる方もいらっしゃいます。
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自閉症と知的障害のあるアーティスト、小林 覚さんの作品を傘に。池袋エリアで展開。
意外なほど遠くで発見される地域限定デザインの傘もあるそうで、愛用者の新たな楽しみにもなっているのだとか。環境への負荷を減らせるだけでなく、雨の日を心地よくしてくれる傘シェア。未体験だという方は、今年の梅雨からでも使ってみてはいかがでしょう。

※現在「福岡・佐賀・水戸エリア(ダイヤル式)」と「首都圏・関西・中部・岡山エリア(通信式)」ではエリアをまたいで傘を返却することはできません。

◆「アイカサ」の公式サイトはこちら

文/時津 木春

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