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連載 | FC今治が、今治.夢スポーツである理由。

はじめてをやってみよう!~しまなみ野外学校がってんの今月~Vol.2

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この数ヶ月間の時間のほとんどは山中におりました。
桜が咲き始めたと思ったら山藤と、そして気がつけば小さなスミレの花たちの時間へとあっという間に駆け足の如く季節の移ろい。気温もグングン上がって、気持ちもぐんぐん上がる季節なのだけれど、時より下界に戻って情報を見回すと気温と季節とは裏腹なコロナのニュースに少し肩を竦める…。

花

目次

石の積み重ねから想いが巡る

ここは『ぼうしろ』と、古くから呼ばれている山の尾根。僕たちは『ぼうしろの森』って読んでいる。

ぼうしろの森

ぼうしろの森

60年以上前に人の暮らしがあった場所なんだけれど、今は無人となっていている。
大地に埋まり始めているおじ蔵さんも、ここに暮らしがあった事を教えてくれる。何十年もかけて、田畑を耕して出て来た石を積み上げて、平らな場所を作って石垣がそこかしこに。
この素敵な石垣を出来るだけ残したまま、その昔の風景を思い浮かべながら日々『ぼうしろの森』整備が3月下旬から続いている。
アレをこうして、コレをこうして、なんて言わずに、時より木々を眺め辺りをウロウロしてみたり、寝転んでみたり、眺めてみたり…ぼんやりと。

ぼうしろの森

想像を広げて行こう

人の暮らしが終わった頃に、未来を思って植えたのかな…。いい太さの杉や檜たち。
1回目に入った間伐と思われる木の根は、ほけていて、足でポカンと蹴っただけでポロポロと捲れ上がるようにとれる根っこなんだけれど、数年前の伐採での木の根っこは、まだまだ大地にしっかりとくっ付いている。
風がそわそわ木々を揺らして始め、垂れ込めた雲を遠くに連れて行ってくれると、テントの中も暖かくなって来て、今日もまた、倒木を片付けたり、木の根を掘り起こす抜根作業からスタート。

抜根作業

抜根作業

抜根する木の根を掘るために、倒木やら枝やらを片付けていると、目覚める前のサワガニが倒木の下からチョロチョロ出てくるわけで、作業は都度都度中断し、サワガニをそっと茂みに返しつつな抜根作業は、思い通りには進まないわけです。

抜根作業

あと40個ちょっと。
まだだいぶ残っているのだけれど、それでも諦めなければ、いつかは終わる抜根作業なわけで、
日もだいぶ西へと傾き今宵の作業もここまでと、夕食準備の水汲みに川辺に降りると、季節作業を始めた頃にはまだ咲いていなかったフタリシズカの花が咲き始めている。

フタリシズカの花

今宵も、ここで泊まりましょう

静かな森も夜になると、そこかしこから森の住人たちの気配が漂う。
川の流れの音の奥にから、カサカサっ、ぎゃお〜…。
まあまあよくある事で、パチパチハゼ焚火の炎を眺めながら、これからのここでの出来事を妄想しつつ、抜根作業を終え、林道の補修と川の倒木処理が終わる頃、僕はいよいよ海へと出て行く時間となるわけで。
そろそろ子供たちと海を越える旅の事を考えつつ、今日も一日が終わって行きます。

当たり前に有った日常がどれだけ奇跡の上に成り立っていたのか…。
人の生活から手放された山が、再びもとの山に戻る事などないように、
私たちの生活もまた、もとの暮らしに戻って当たり前と言うことはないわけだなと、
チロチロ燃える焚き火を見つめながら、ぼんやりとだけれど、確実に…感じた山での時間でした。

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