なんて読む?「音威子府」は北海道いち小さな森と匠の村

なんて読む?「音威子府」は北海道いち小さな森と匠の村

あなたは読めましたか?


北海道の市町村名、約8割は先住民族アイヌの言葉が語源となっています。そのため聞きなれなくて読めないと思う人も多いだろう。
今回ご紹介する音威子府は、人口700名余り(令和2年現在)の北海道で一番人口が少ない村ですが、全国的にも珍しい特徴がありました。



正解は…

音威子府は、アイヌ語の「オトイネプ」(川口が泥んこの川の意)に由来していて、「おといねっぷ」と読みます。



若者と工芸の村


驚いたのは、この村の人口約15%(100名余り)が10代だということ。その理由は、村の豊かな教育環境にありました。かれらは村立「おといねっぷ美術工芸高等学校」(通称:おと高)の生徒たち。
おと高は道内唯一の工芸科高校で、道内外から専門的な教育を望む生徒が集まり寮生活を送っています。
村では豊かな森林資源を生かした工芸による村おこしが推進されていて、近年ではおと高を卒業した生徒が「地域おこし協力隊」として村に戻って活躍する事例もあります。
村で創作活動をした彫刻家「砂澤ビッキ氏」の生前アトリエは「エコミュージアムおさしまセンター」となり、音威子府村の教育・文化・芸術の発信地となって活用されています。


otokou
村の中心地にある、おといねっぷ美術工芸高等学校

 


名物の黒いそば


村は上川管内北端に位置し、稚内へと続く国道40号線(総距離243km)が通るため、北へのドライブにもおすすめです。


そば1
黒々しく輝く音威子府そば。ここにしか無い美味しさ発見!

 


特産品は麺が黒い音威子府そば。国道沿いの「一路食堂」へ立ち寄ると、開店から10分で地元客や観光客で満席となった。
麺が黒い理由は、そばの実の甘皮まで製麺しているから。風味豊かで、コシも強く、歯切れの良い食感が最後まで楽しめます。


そば2
地元産のネギやキノコが旨味をいっそう引き出す。この味を求めて通販でリピートする人も多い。
一路食堂
一路食堂

 


「線路の石」売ってます


音威子府へのアクセスには、国道40号と並行して旭川から稚内までを縦断するJR宗谷本線の存在も重要だ。村内には4つの駅が存在するが、利用者が少ない3駅「筬島」「咲来」「天塩川温泉」をJR北海道は「廃止候補駅」に該当しています。(令和2年度末情報)
 


tesiogawa
近くには皮膚病にも良いとされる炭酸水素塩泉(重曹泉)の天塩川温泉がある。


村では駅の存続を願って「ふるさと納税」で維持資金の応援をしている。納税者がもらえるのは「線路の石」缶詰! その発想がユニークでSNSでも話題を呼んでいます。







北海道命名の地


村を流れる天塩川は日本海まで注ぐ、国内4位の長流河川。
天塩川流域にはかつて、アイヌの集落がありました。


天塩川
天塩川では夏にはカヌーも楽しめる。(12月初旬撮影)

約160年前、北海道の詳細な地理を明らかにした探検家、松浦武四郎はこの地を滞在中にアイヌの長老から聞いた話をきっかけに「北海道」という名を命名したという。
このエピソードは武四郎が探査をもとに書いた「天塩日誌」に記されています。


命名の地
天塩川流域には北海道命名の地碑が建設されている。

豊かな自然の中で、動植物と調和しながら人々が暮らしてきた村の歴史は壮大です。
北海道命名のルーツになったこの地へ、それぞれの方法でアクセスしてみてはいかがでしょうか。



 

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