毎日、外に出るとつい「暑い……」と口をついて出てしまいますよね。筆者は先日外を歩いていたとき、道端で人だかりに遭遇しました。近づいて尋ねてみると、年配の方が熱中症と思われる症状でうずくまっていました。コンビニなど涼める場所は、見渡す範囲にはありません。こんなとき、あなたならどうしますか?
まず何よりも、安全の確保。
暑さでよろめき、倒れてしまったーーその倒れた先が車道だった場合、交通事故につながるリスクが非常に高まります。まずは歩道側、さらに腰掛けられそうな場所があればその場所まで、倒れている方(以下、対象者)を連れていきましょう。もし一人で運ぶことが難しい場合、大声で誰かを呼びましょう。
意識の有無を確認。
続いて対象者の肩を叩き、「大丈夫ですか」などと声をかけます。もし応答が無い、または鈍い、言動がおかしいなどの様子が見られたら、熱中症による意識障害を起こしている可能性が高いです。迷わず救急車を呼びましょう。

可能であれば、水分を。
呼びかけにはっきり応答し、対象者自身が救急車による搬送を望んでいない場合、無理に救急車を呼ぶ必要はありません。ただし帰宅までの間に症状が悪化するリスクがあるため、もし近くに自動販売機があれば、水やスポーツドリンクを入手して渡してあげることをお勧めします。

「赤の他人にそこまでするの!?」と思われた方、いつかは自分が逆の立場になるかもしれません。100円ちょっとで困っている人を直接助けられると思えば、決して高い出費ではないはずです。
ただし対象者の意識が朦朧としている場合は、水分が気道に流れ込んでしまう恐れがあるため、無理に飲ませずに救急車の到着を待ちましょう。
フローチャートを知っておこう。
目の前で誰かが倒れているとき、どうしていいか分からず見過ごしてしまいたくなることもあるかもしれません。事前に多少の知識があれば、適切な行動を取れる可能性がぐっと高まります。
環境省は以下のフローチャートを公開しています。

ぜひ目を通してみて、家族や友人、同僚など、身近な人と話し合ってみてくださいね。
参考:環境省 熱中症予防情報サイト(https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness_checksheet.php)