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仕事・働き方

松浦弥太郎さん×スキマバイト「タイミー」に聞く、 自分らしい働き方のつくり方。

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スキマ時間を使ったアルバイトを紹介するサービス「タイミー」が、エッセイスト・松浦弥太郎さんとつくる番組『あしたが楽しくなるラジオ』。「タイミー」を利用するワーカーさんからの「働くこと」に関する疑問に、松浦さんが楽しくていねいに答えてくれるYouTubeチャンネルです。今回はその特別番外編として、雑誌『ソトコト』編集部が「働くこと」の疑問や悩みについて、松浦さんと『株式会社タイミー』BX部部長・木村真依さんにインタビューしてきました。

『あしたが楽しくなるラジオ』

過去の放送回もぜひ▼
https://www.youtube.com/@user-mt6dw5gw1t
目次

サブの仕事「副業」に、いろいろな自分を表現する「複業」。 「働き方」が多様化する今、どう自分らしい働き方をつくるか?

ソトコト編集部・井上(以下、井上):はじめまして。本日はどうぞ、よろしくお願いいたします。2002年に、弥太郎さんが中目黒で書店をされていたとき、私は大学生でした。それから約20年経ちますが、今でも「仕事の先生」だと思っています。
松浦:ありがとうございます(笑)。
井上:今回お声がけをいただいた『ソトコト』ですが、約25年前に「地球と人を長持ちさせるエコマガジン」として雑誌が創刊し、「ロハス」や「環境」をテーマに始まりました。その後、9.11や就職氷河期、リーマンショック、東日本大震災といった社会を揺るがす出来事を経て、特に日本の若い人たちのなかに「暮らす場所の見直し」や「自分らしい働き方」「会社勤めだけではない働き方」といった考え方が生まれます。その後東京オリンピックが決まって、日本社会が急速に前を向きはじめたタイミングでコロナ禍が到来し、それから約3年の自分を見つめ直すような時間を経て社会が再び前を向き始めていますが、前の見つめ方や自分との向き合い方の分岐点が今来ているなと、個人的には思っています。
「メディアとして何を伝えるべきか?」と考えながら社会を見つめたとき、「SDGs」という寄り添うべきテーマがありました。同時期に人の個性や多様性に社会がより深くコミットしていく動きが社会に生まれつつあったように思います。この流れをどう伝えていくかを考えたとき、「ウェルビーイング」という言葉に包含して、今も雑誌で届けているメディアです。
「働く」という観点から「ウェルビーイング」を捉えて見ると、2017年頃から「副業」が普遍的になり始めて、これを国の施策で言う「関係人口」「地方創生」という文脈のなかで見たとき、一つのキャリアを一つの都市で完結させるのではなく、その人の持つ能力を活かして他の地域でも生きがいをつくっていくといった在り方を国の施策の観点からもつくっていこうという機運が生まれ「副業」が推奨されはじめたとみています。
小説家の平野啓一郎さんは「対人関係ごと、環境ごとに分化した、異なる人格がある。中心に一つだけ『本当の自分』を認めるのではなく、それら複数の人格すべてを『本当の自分』だと捉える」という「分人主義」の考えを提唱されています。「複数の自分を生きる」と提唱するように、複数いる自分の姿に対して「そうだよね」と認知できる時代になって「会社員の私」「NPOで働く私」「アルバイトをしている私」「Twitterでいろいろ書いている私」「お母さんの私」というのが目に見えてきたことで、「新しい働き方」も出てきたのだと思います。
「複数の自分」が見えている人たちが複数の生業を持つ「複業」という働き方が、『ソトコト』に登場するみなさんから見て取れて、そこに憧れる人たちも出てきていて、そうした動きを特集したのがソトコトの2019年8月号『地域と関わる小さな求人ガイド』/2021年1月号『自分らしい働き方』です。「副業」が一般的になって「複業」という捉え方も出てきたとき、「働きがい」は個人が自分で見出すものだと思いますが、弥太郎さんには自分がどう働いていきたいか、どう仕事をしていきたいかを通じて、個人がどうあるべきか、反対に会社はどう答えてあげられるか? 木村さんには「タイミー」としてワーカーのみなさんと接するなかで、やはり「複業」よりも「副業」として別のお仕事を捉える感覚が一般的なのかどうか? ということを伺いつつ、「働くこと」「働きがい」のことを探っていけたらと思っています。
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松浦:私としては他の方がどう捉えるのか分からないのですが、以前文章にも書いたことがあって、仕事をすることを意味する「勤務」には「勤め」と「務め」、2種類「つとめ」があると思っています。
「勤め」は経済活動的で、自分が働いて給料を得る。端的には「お金のため」の働き。ポジティブな解釈としてはいちばんシンプルで分かりやすい、モチベーションになりやすいものかと思います。
一方で「務め」は、経済活動とは離れた「自分のやるべきこと」。それはボランティアかもしれないし、お父さん・お母さんなら家事かもしれない。お金が発生しない仕事ともいうでしょうか。2つの「つとめ」のバランスを今の自分に照らし合わせ「どういうバランスだと、今の自分が幸せを感じられるか?」あるいは「自分を追い詰めないか?」っていうのは、生きていくなかで都度考えているんですよね。
これを基準に「じゃあ私はどこに暮らそうか?」とか、「どんなスケールの仕事をしようか?」を判断しなきゃいけない。そして、それは都度変わっていいと私は思っています。都会に暮らすのもいいし、地方に住むのもいいし、自分のバランスに合わせてどんどん自分の生活を変えていけばいい。そこで大事なのが「自分が今、どんなバランスで働いているのか」ということが、常に自分の選択と決断の上にある、そう理解しているかどうか。
たとえば、「勤め」の仕事が上手くいかないとき、自分は社会的な落伍者だなんて思わなくてよくて、だったら「務め」を頑張ればいい。もちろんその逆もあっていいと思います。時間に限りがあるわけですから、重きを置く割合は変わっていくと思うんです。ただ、その変化に対応するのは自分で、そのとき「生活術」「生きる、人生のスキル」みたいなものが必要になりますよね。
生き方はいくらでもあるってことを自分で発明する必要がある。世の中が変わってきているから、誰ひとり正しい答えは出せていなくて、多様な方向性はあるけど答えは誰も出せない。誰かに対して「これが一番いいですよ」とは言えませんから。
これはつまり、ある意味で社会を頼ってはいけないし、社会が何かしてくれるっていうのは間違いで本当は一生何もしてくれないから、自分のために何かをしてくれることを期待するのではなく、そのとき自分が何をするべきか。 
それは「自分にとってベストな生き方を自分で発明する」ということ。
さっき話したように「つとめ(はたらく)」には二種類あって、いつも自分の抱えている問題や変化に合わせて、その比率を7:3なのか9:1なのかもしれないけど、自分が対応できるバランスや方法を発明する必要がある。ここで大事なのが、プライドやこだわり「こうじゃなきゃいけない!」という物差しをいかに捨てられるかだと思います。だから、私が理想とする社会は「社会との関わり方は、みんな違っていていい」を受け入れてくれる社会で、「私はこんな発明しました」「私の生き方、社会との関わり方には、こんなアイデアがあります」に「OK!」って言ってくれる社会がいい。
よく思うのが、社会はどんどん変化していきます。だからといってそれを待って、そこから一つを選択しなければという雰囲気になるのが、すごく嫌かな。いいものが社会からアウトプットされるには時間が必要で、私たちは遅く感じることもある。仕組みをつくったり言語化したりするわけだから当然なんだけど、それを待った果てに選択を迫られる必要性はなくて、自分が発明した“ベストな生き方”を都度チャレンジしたり試したりしていく。
自分が発明家になって、誰かと共有しようという訳でもなく「これは僕がひとりでやることだから」と私は思っていますね。
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松浦:ひとつ言えることは、今は「人間らしさを取り戻す時代」だと思うんですよね。この「人間らしさ」というのは、私たちが今まで信じて疑わなかったことを、深く考えるようになったということ。いろんなことを信じてきたけど「違っているかもしれない」と、みんなが考えはじめた。
たとえばSNSやインターネットでいろんな情報やメッセージがあふれ、「すべてを真に受けるのではなく、信用する情報は選ばなければいけない」ということに気が付いた時代です。私たちに求められていることは全員が哲学者になることで、これまで正しいと思われていたことに対して疑いを持ち、新しい答えを出す。そのスタンスを自分たちが取り戻す。
昔はそうだったと思うんだけど、いつの間にか私たちは「人間らしさ」を明け渡していろんなことを信じてきたけど、世の中は自分たちが信じたようにはなかなかなってくれてない。だから私たちは一人ひとりが哲学者になって、一つひとつ自分が関わることに対して正しいかどうかを深く考えて、自分なりの答えを出して発明に変えていく。新しい人生のスキルを発明しようと。
誰かが用意した選択肢を選ぶのではなく、自分のスタイルをつくって生きる時代の扉が開いたのかなと感じますね。
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木村:私は会社員としてここにいますが、「複数の」という意味では別のお仕事もしていて、時間の配分や意味は自分で決めている感覚が強いです。仕事をする意味も自分で決めているので、それが豊かさを感じる源になっていますね。「タイミー」の「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンにも重なっていて、「働きがい」や「働く時間」についてより考えるようになり、クリアになったなと思っています。
私は「タイミー」のコーポレートやサービスのブランド体験設計から実行までを一気通貫で行うブランディング領域やPR領域、オウンドメディアを担当していて、会社が持つ人格の印象や表現の一貫性に責任を持っています。私たちのミッションが「『働く』を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる」だからこそ、従業員に対しても福利厚生だったりオフィス環境だったり、自分の時間をどう過ごすかを各々で考えてもらえるよう、一人ひとりの時間が豊かになる選択肢を提供できたらと考えています。
「副業」か「複業」かについては、ワーカーさんとお会いして話を伺うと、いろいろな捉え方があるように感じてます。「本か副か」という視点だと、費やす時間の割合で考える方もいれば、お給料の額で考える方もいますし、「お給料は副業の方が多いけど、作家を目指していて本職は物書きです」という方もいました。
「タイミー」では以前、副業に関するアンケートを実施していて、回答の集計結果にはさまざまな意味が含まれていると思います。さっき弥太郎さんが言っていた「勤め」と「務め」についても、「タイミー」には金銭的な暮らしの糧を得るための役割が当然あると思っていて、回答を見ればそこがいちばん多いのですが、次に目を遣ると「時間を有効に使えるようになった」「気分転換になって本業に集中できるようになった」「スキルや知識が得られた」という回答もあって、「本か副か」はさておき「変化」や「働きがい」を前向きに見出している人の存在も見受けられます。タイミーを通じて働く意味をアップデートする、あるいは考えるきっかけにしてくれている点は、働き手のみなさんに人生の可能性の広がりを感じていただけているようでうれしく思います。
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働き方に「自分らしさ」や「おもしろい」を見出すには? 「何になりたいか」ではなく「どうなりたいか」と向き合う。

ソトコト編集部・竹中(以下、竹中):『ソトコト』に登場するみなさんも「働きがい」というか、自分のミッションに向けて一歩踏み出している人ばかりで、さまざまな選択を楽しんで生業につなげている人が多い印象です。でも彼らは決して稀有な人たちという訳ではありません。視点と意識の違いひとつなんだな……と取材していると感じます。

同時に「今の仕事はどうなのか?」「楽しめているのか?」「私らしさって何だろう?」「働くって何だろう?」 みたいなことに、しっくりくる答えを出せずに迷っている人たちも多いなと感じる機会(読者と話す機会や『ソトコト』が地方自治体と一緒に行う、関係人口講座のワークショップなど)もあって、小誌で紹介する人たちの仕事を見てもらって「こういう働き方もおもしろいな」という価値観をつないでいきたいと思っています。

松浦:少し話が逸れるかもしれませんが、「生き方探し」というか、われわれは子どもの頃から何になるかを自分に問い続けるじゃないですか。なぜなら親に聞かれるし、先生にも聞かれるし、それ以外にも社会に出たら「何になるか?」って聞かれる状況は結構ありますよね。

私たちはそういう風に育ったから、それに囚われていて、うまく答えられないから「自分探し」を意識して状況を乗り越えようと思ったりするんですよね。でも「何になるか?」みたいな問いよりも、「自分がどんな人間になりたいか?」ということを考えるべき。私も子どものとき、そこをもっと考えればよかったと思います。

社長になりたいとか医者になりたいとか、スポーツ選手になりたいとか、実はどうでもよくて「それは結果でしょ?」ということ。それよりも大切なのは「自分がどんな人間になりたいのか?」を小学生くらいの頃から考えていくこと。周りもそういうことを投げかけていかないと。「やさしい人になりたい」でもいいし、「人を助ける人になりたい」でも「ウソをつかない人になりたい」でもいい。今の時代は肩書が重要ではなくなってきた、そんな感じがしています。
『ソトコト』に出てくるみなさんがなぜ幸せそうに見えるかっていうと、自分がどんな人間になりたいかを考え続けていて、それ以外はさほど頓着しない「身軽さ」が憧れの対象として見えているからではないでしょうか。自分がどんな人間になりたいかは大人になってから考えても遅くはなく、今の時代、そのチャンスが再び来ているのかもしれません。こういう人間になりたいと考えた結果、職業や肩書がついてきたらいいと思います。
あとは自分の生き方にこだわって、周囲がフィットしてくる感じがしたら「僕でよければついてきて」ってリードするくらい。今までは先に行くものを後追いしていれば安心という空気があったけど、そこを変えることが大切で、「自分たちが社会をゴールへ引っ張っていくぞ!」というメッセージがつくれる時代だし、そうならなきゃいけないなと思いますね。

「ウェルビーイング」のように何か道標になる言葉もいいけど、言葉があって自分が動く以外にも、道標になるような言葉や考え方を自分でつくって「自分は前から実践しているよ」というのが、今はできる時代です。

木村:気が付いたら「もうしてた」という人も当然いらっしゃるでしょうね。
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井上:取材をしていて、同じことを何人かが言うと「これは真理だな」と思います。みなさん違う言葉で表現しているので、そこに合う言葉を探しますが、重なる部分もあるけど重ならない部分もある。その重ならない部分がすごくおもしろくて、そこをいろいろな人を交えながらまとめていくのが編集だと思っています。先に行って発明する人も増えてきていて、それが認めてもらえるよう時代なので、声を上げるというか、「タイミー」で他の仕事に挑戦するみたいに「まずやってみる」っていう姿勢が大事だなと思います。

同時に失敗してもいいというか、前の世代は「失敗しないように」って育てられてきたからギャップがあるけれども、次の世代にそうでない環境をどれだけ用意してあげられるかというのもあります。その点で「タイミー」が展開している仕組みは素晴らしいものだと感じました。

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松浦:ひとつ言えること、自分で自分に釘を刺しておきたいのは「今日の自分が未来をつくる」ということですよね。いつか誰かが未来をつくってくれるというのは間違いで、自分の今日が自分の未来をつくる。今日自分が幸せだったら、何年か前の自分を褒めるべきだし、そういうリアリティをもっと感じた方がいいなと思います。
木村:「自分の時間の使い方を自分で決めると、人生が豊かになる」と私が思っているのは、まさにそういうところで「誰か頼み」「環境頼み」だと「なんでこうなっちゃったの?」と他責のような感覚が出てくると思います。自分がしたいと思えることに取り組めたこと、今日の自分はここがよかった、悪かったと振り返ると「自分、よく頑張った!」の積み重ねになり、これが自分の人生になっていくのかなと。
松浦:そうだよね。結局「今日はどうするか」と考えるのが原理原則というか、みんなに共通していることは「じゃあ、今日はどうする?」っていう問いで終わるから、そこにこだわるのが大切ですよね。「今日はどう働く?」「今日は何を食べる?」「今日はどう過ごす?」ということが、私たちの社会に対して唯一できる「アンチテーゼ」で自分の未来を創り出すもの。それは自分で選ぼうと。
竹中:今日どうするかを決めるという点で言うと、ある日は自分が好きで、ある日は自分が嫌いで、そこを行ったり来たりしながら「自分のことを分かりたい」と思って過ごすような感覚ってあるのかなと思います。今日「私がこうなりたい」と思っていたことが、明日には「あれ? そうだったっけ?」と外からの影響で変化する。その迷いを持って行くことが本当にいいのかどうか、自問自答の先に怖さを感じることがあります。
木村:『あしたが楽しくなるラジオ』で以前、「自分の今日、そのとき思ったことでいい。明日、それが違ってもそれでいい」と弥太郎さんがおっしゃったことがありました。そうじゃないと凝り固まってしまって、自分らしくない意思決定をしてしまうことにつながります。だから「変わっていい」と私も思います。
竹中:今の意思決定が今の最善という考え方ですよね。木村さんもそういう感覚をお持ちだったりしますか?
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木村:はい。自分で都度意思決定をしてきて、今の自分があると考えています。過去の自分が自分で決めてきたことなので、納得感はありますね。
井上:自分が持っている習慣やクセを変えるのが意外と難しいですよね。変える意思決定をするときには何かきっかけになる出来事があったのでしょうか。それとも日々の積み重ねや人との関係性から形成されたものなのでしょうか。
木村: 日々、小さな成功や失敗の経験、その積み重ねが気付きや学びになっています。昨日と今日で自分の考えが変わることはもちろんありますし、反対に変えることが難しいことや変えたくないことにも気が付きます。変えることが難しいものや苦手なことは、あえて周囲に伝えてみることも手かもしれません。「伝えたから受け入れてね」というわけではなく、人に伝えたことで得られる反応や言葉が自分を知るヒントになることも多いです。「色んな自分を知って自分を受け入れてみる」ことで自分に対して納得感も出てくるように思います。
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竹中:「タイミー」のワーカーさんや『ソトコト』の読者には、そうした考え方の転換点を求めている方もいるのかなと思います。どう生きていきたいかを考えて、多様な働き方に触れて新しい発明をしたり現状維持を選択したり。さまざまあると思いますが、その転換点を読者のみなさんにシェアするとしたら、どんなものがあるでしょうか。
松浦:笑って何でも吹き飛ばす。95%くらいのことは笑顔で乗り切れるというか、笑顔には解決する力があると私は思っています。
竹中:木村さんはいかがですか?
木村:私は「命を取られるわけではないのだから大丈夫」というようなことをよく考えます。
竹中:ありがとうございます。お二人も闘ってらっしゃるんだなと感じました。
松浦:こういう答えで大丈夫でしたかね(笑)
井上:ばっちりです。読者のみなさんも、こういう心にふれる話を聞きたいと思います。

■お話を伺った人/プロフィール

まつうら・やたろう●エッセイスト、クリエイティブ・ディレクター、会社役員。2006年から15年3月までの9年間『暮しの手帖』編集長を務め、多くの支持を集める。その後、IT業界に転じ、クックパッド株式会社に入社。暮らしを見つめ、暮らしを楽しむウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。ユニクロの「LifeWear Story 100」の責任編集、「DEAN & DELUCAマガジン」編集長他、様々な企業のアドバイザーを務める。著書に「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」など著書多数。
きむら・まい●「クックパッド」や「GU」で事業立ち上げからブランドを構築、PR/広報、ブランディング、マーケティングのキャリアを歩み、「人生の可能性が広がる働くインフラをつくり、世界中の人に使ってほしい」と考え、2021年タイミーに入社。BX部を立ち上げ、選ばれ続けるブランドづくりに邁進。

■「タイミー」とは

「タイミー」は「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービスです。働き手は、働きたい案件を選ぶだけで、応募・面接が無しですぐに働くことができ、勤務終了後すぐにお金を受け取ることができます。 事業者は、来て欲しい時間や求めるスキルを設定するだけで、条件にあった働き手が自動的にマッチングします。https://corp.timee.co.jp/
text & photos by SOTOKOTO

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