山のおいしい恵み、ジビエ。専門店で味わうことはあっても、家庭での調理はハードルが高いですよね。でも、生態系のバランスを崩すほど増えすぎたシカやイノシシを積極的に食べることは、すぐに実践できるSDGsアクションのひとつ。しかも今は安全な食肉として手軽に買えること、知っていますか?
対馬の自然を荒らす害獣を地域の財産へ
「獣害から獣財へ」の転換を図るために尽力している代表の齊藤ももこさんにお話を伺いました。
獣医師でもある齊藤さん。学生時代、神奈川から環境省のインターンシップで対馬を訪れたことが、現在の事業につながっているといいます。
齊藤さん:当時、対馬の固有種であるツシマヤマネコの保全に興味を持っていました。環境省の方と調査をしていたら、島民の方が「それよりイノシシやシカの被害をどうにかしてほしい」と。
被害の甚大さを知って地域おこし協力隊として移り住み、任期終了後はその業務を引き継ぐ形で社団法人を立ち上げました。イノシシやシカを食肉や革製品にして販売する他、鳥獣被害の現場に出向いて対策の指導をしています。
衛生的で安全なジビエを提供するために
齊藤さん:販売を始めるにあたり、対馬市独自の解体処理に関するガイドラインを策定。安心して食べられる、衛生的な食肉になっています。
家庭料理に幅広く使える、充実のラインナップ
また、ジビエにしては珍しい挽き肉まであるのがdaidaiのこだわり。山で獲れた栄養たっぷりで安全な肉を家族みなで味わってほしいから、子供の好きなメニューに加工しやすい挽き肉での販売もしているのだそうです。
豚や牛肉に比べ、低カロリーで鉄分が豊富
齊藤さん:注目してほしいのは、その栄養価。イノシシのもも肉は110kcal/100g、シカもも肉は91kcal/100gと低カロリー。一般的な豚肉の2分の1、牛肉の4分の1しかありません。鉄分もとにかく豊富。成人が1日に必要とされる7mgの鉄分を摂るにはシカなら120gで足りますが、牛肉だと500gも食べないといけません。
さらにイノシシの肉にはビタミンB12もたっぷりなのだとか。美容や健康的なダイエット、アスリートの食事にもジビエは最適といえそうです。
命を無駄にせず、大切にいただく
家庭と生産現場が遠くなり、スーパーの冷たいパック肉から命を感じることが難しくなっています。害獣として殺処分され、廃棄されるだけだった野生動物の肉を食卓に出せば、命をいただくということについて、家族で話をするきっかけにもなりますよね。
▼daidaiのオンラインストア
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文/時津 木春