コロナ禍でもオンラインツールを積極的に活用し、授業デザインを行う児浦さん。共著でも紹介するような楽しく効果的なオンライン授業を企画してきた経験に基づいて、オンラインで遂行するローカルプロジェクトでも役立つ考え方が詰まった本を紹介してくれました。
『可能な地域のつくり方』は、ローカルプロジェクトを推進する際に、基本となるすべての情報が詰め込まれているといっても過言ではない一冊。私が担当している生活デザインのゼミでも活用していて、生徒たちも一人一冊持っています。
(左から)1.『エンゲージメントを高める場のつくり方』/2.『持続可能な地域のつくり方─未来を育む「人と経済の生態系」のデザイン』/3.デンマークのスマートシティ─データを活用した人間中心の都市づくり/4.エクスポネンシャル思考/5.イノベーション・ファシリテーター─3カ月で社会を変えるための思想と実践
児浦良裕さんが選ぶ、ローカルプロジェクトのアイデア本5冊
まず、今の日本社会における課題や問題などのデータがひととおり掲載されていて、ファクトを押さえるのにとても役に立ちます。もちろん自分でネットや本などで調べるという作業も必要ですが、ある程度土台となる知識がないと調べるのが難しい。そういう意味で、本書だけで確認できる点が非常に優れています。
次に、どのようなプロセスを踏んで課題を発見し、解決していくかというシステム思考が、わかりやすい図を用いてビジュアライズ化されているうえ、具体例が多く挙げられていてメージしやすく、実践に落とし込みやすいです。たとえば、第5章の「未来を表現する技術」では、紹介されているプロセスをもとに、生徒たちとストーリーテリングをしながら意見を出し合うと、いつも以上に意見交換が活発になります。ワークシートも非常に明瞭で、オンラインでのセッションを設計しやすいです。本書は特にオンライン化するために書かれているわけではありませんが、オンラインでアイデア出しや議論する際にも有効です。
ある程度ローカルプロジェクトに必要な知識を得て、情報交換や共有の仕方に慣れてきたら、より議論を活発にさせるためのエッセンスが詰まった『エンゲージメントを高める場のつくり方』もオススメ。私の共著でもご一緒した広江朋紀さんのこの著書は、オンラインの場づくりをする際にとても参考にさせていただきました。『イノベーション・ファシリテーター』と内容が少し似ていますが、ワークやディスカッションツールが多数紹介されていて、一つひとつがものすごくわかりやすい。オンライン授業で取り入れていて、生徒たちの議論が活発になっていくのを実感しています。
コロナ禍でオンラインセッションが増え、学校でもたくさんのオンラインツールを活用しています。一方で、対面授業の効果を最大化するために、デバイスやオンラインツールを活用したハイブリッドな授業を実践。オンラインなら一度に全員が意見やアイデアを出すことができ、その分類や整理、蓄積や過去の閲覧が行いやすいため、声の大小、参加不参加など関係なく、声を拾えることが利点です。
次に、どのようなプロセスを踏んで課題を発見し、解決していくかというシステム思考が、わかりやすい図を用いてビジュアライズ化されているうえ、具体例が多く挙げられていてメージしやすく、実践に落とし込みやすいです。たとえば、第5章の「未来を表現する技術」では、紹介されているプロセスをもとに、生徒たちとストーリーテリングをしながら意見を出し合うと、いつも以上に意見交換が活発になります。ワークシートも非常に明瞭で、オンラインでのセッションを設計しやすいです。本書は特にオンライン化するために書かれているわけではありませんが、オンラインでアイデア出しや議論する際にも有効です。
ある程度ローカルプロジェクトに必要な知識を得て、情報交換や共有の仕方に慣れてきたら、より議論を活発にさせるためのエッセンスが詰まった『エンゲージメントを高める場のつくり方』もオススメ。私の共著でもご一緒した広江朋紀さんのこの著書は、オンラインの場づくりをする際にとても参考にさせていただきました。『イノベーション・ファシリテーター』と内容が少し似ていますが、ワークやディスカッションツールが多数紹介されていて、一つひとつがものすごくわかりやすい。オンライン授業で取り入れていて、生徒たちの議論が活発になっていくのを実感しています。
コロナ禍でオンラインセッションが増え、学校でもたくさんのオンラインツールを活用しています。一方で、対面授業の効果を最大化するために、デバイスやオンラインツールを活用したハイブリッドな授業を実践。オンラインなら一度に全員が意見やアイデアを出すことができ、その分類や整理、蓄積や過去の閲覧が行いやすいため、声の大小、参加不参加など関係なく、声を拾えることが利点です。
こうら・よしひろ●民間企業で営業や商品・事業開発などに従事した後に教員へ転職。現在、広報部長・教育企画部長などを兼務しながら、コロナ禍におけるオンライン・対面授業のデザインを行う。共著に『オンラインの場づくりアイデア帳』(翔泳社刊)など。
photographs by Yuichi Maruya text by Keiko Suzuki
記事は雑誌ソトコト2022年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。