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利用者、企業、まち全体がワーケーションでつながる。 福島県白河市で巻き起こる地域活性化の動き。

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白河市では現在、商工会議所青年部が各地で普及が進んでいるワーケーションに注目し、地域活性化につなげようと活動している。それにあたり、多くの人に「ワーケーションに最適な場所」として興味を持ってもらうためにはどうしたらいいか話し合うワークショップを、小誌編集長・指出一正の講演を基に行った。

目次

ワーケーションに欠かせないのは、「地域の解像度」を上げること。

福島県中通り地方南部にある白河市は、昔から東北地方の玄関口として栄えてきた地域。東京からは東北新幹線で最短70分の場所に位置し、利便性の高さが魅力であるほかにも、豊かな自然や、多くの史跡にも親しめるまちだ。

ワークショップに先だって行った講演会で、指出はほかの地域の例などを挙げながら、「ワーケーションに欠かせないのは、地域の解像度を上げること」が重要だと話した。

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解像度を上げるためには、「見立てを変える」ことが必要。具体的には、「今あるものをすでに想定している誰かではなく、想定外の誰かに届けることを考えてみる」。

近所のおいしい食事、見慣れた風景、なにげない仕事のひとコマ……、地元=内の人は普段から見慣れていてあまり価値を感じていなくても、外から来た人には珍しく、楽しく映るものもある。

まちにあるすべてのものが、ワーケーションでやってくる人の興味を惹きつけ、彼らに楽しく仕事をしてもらえるための可能性を秘めている。

「地域の解像度」をさらに細分化する。

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「地域の解像度を上げること」をさらに細分化していくと、次の4つのポイントに分けられる。

1. 関係案内所づくり
観光ではなく、人と人とのつながり、とくに地域の人とワーケーションでやってきた人との関わりが生まれる場所をつくること。シャッター商店街の活用もできる。

偶然の出会いが起きやすい場所をつくることで、「白河市でやってみたいこと」などの話題で盛り上がり、それが双方の新たなクリエイティビティの創出につながる。

また、「関わりしろ」が増えれば、ワーケーションでやってきた人が「次のプロジェクトにも参加したいから」とリピーターになってくれることもある。

2. 未来をつくっている手応え
ワーケーションで訪れる人が求めることに、「未来をつくっている手応え」がある。例えば、ある村にワーケーションで行った首都圏の若者たちは、その村の村長と直接話す機会を得られ、「自治体の首長と語るなんて、首都圏では考えられない」と感動した。自治体の規模の小ささを逆手に取った好例だ。彼らはそこから自分だけでなく、村の未来づくりにまでも視野を広げて考えられるようになった。

3. 「自分ごと」として楽しい
ここで仕事をすることを、ほかならない自分がおもしろいと感じられるかどうか。おもしろいと感じることは人それぞれ。仕事の合間に温泉に入ること、就業前の早朝に酒蔵で仕込み体験をすること、美しい景色に癒やされること――。

もちろん、「自分がこの先もここで楽しく働くこと」をイメージできるかも大事だ。

4. 仲間の存在を知る
仲間がいなければ、ただ「地方の非日常的な空間で仕事をした」というだけで終わってしまう。その地方にいる魅力的な人が自分の仲間だ! と思ってもらえる接点をつくり、「白河に来たら、仲間がいる」と感じられるようにする。商工会議所青年部の方には、その人的資源になってほしい。

参加者たちは指出の意見を聞き、「自分たちが当たり前だと思っていることを、ありのまま示せばいいのだとわかった」「場所にフォーカスして考えがちだったが、人とのつながりを案内するという視線が新鮮だった」などと感想を述べた。

ワークショップで地域の魅力を再発見。

以上の講演を踏まえ、参加者たちは5グループに分かれ、「地域の特色を活かせるワーケーション」のアイデア出しを行った。テーマはグループごとに「仕事ができる環境」「白河の遊び場」「白河の絶景ポイント」など、個別に設定された。
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例えば「仕事ができる環境」について意見を出し合ったチームは、温泉とアウトドアというワーケーションならではの良さを組み込む内容でプランを立てた。

指出は「白河の魅力をきちんと捉えたベーシックな内容で、知的好奇心を満たし、癒やしも提供できる。ベースがしっかりしているので、ここにさらに、『こういう人に来てほしい』というペルソナを当てはめるのもいいですね」と評価。

「白河の遊び場」というテーマでは、参加者が、自分たちが今まで白河市でどのように遊んできたかを振り返った。

キャンプ場など大がかりなものから、一人でも楽しめる遊歩道や紅葉鑑賞スポットなども白河市にはある。カブトムシ採りの場所を案内できるという男性もいたりと、体験に基づいたおすすめコースを案内することで、関係人口づくりにもつなげられるとした。

指出は、「広域で連携し、遊びの幅を広げて『フック』を増やしましょう。子ども連れのリピーターができそうですね」とコメント。

「白河の絶景ポイント」は、春夏秋冬、いつの時間に訪れても満足してもらいたいという視点で考えた。そのため、南湖の桜や南湖公園のライトアップなど観光名所のシーズンごとの見応えの違いを、白河市サイドでしっかり押さえておこうということに。

同時に絶景ポイントがどうしても少なくなる時期や時間もあるので、そこをどうカバーしていくかが課題だとした。

指出は、「どこが弱みなのかきちんと把握できたのはいいこと。弱みは見方を変えれば強みにも変わります。また『絶景』の定義に『人がいること』を含めるといいかもしれません。地元の人がいる風景だったり、みんなが和気あいあいとしている雰囲気だったり」とアドバイスした。

地域の魅力を再構築して発信していく。

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白河市のご当地ヒーロー「ダルライザー」が地域の魅力に触れながら、白河市ならではのおすすめコースを案内する。
最後に参加者たちは実践編として、ワークショップで出た意見を基におすすめのモデルコースを紹介する動画を作成した。どんな動画となったのか、さっそく見てみよう。
▼「テレワークタウンしらかわ」についてはこちら
https://twts.rakuras.jp
text by Sumika Hayakawa

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