堀田裕介さんが選ぶ、道の駅をつくる本5冊
「いいもの」をつくったら、今度は売り場のつくり方を考える必要があります。『売り場の教科書』は、ディスプレイづくりのノウハウが詰まった本で、実際にお店をつくるときの参考にしています。
最適な棚の幅・高さについてや人の目線の誘導の仕方など具体的なテクニック集なので、その時々で合っていそうなものをピックアップして試せたり、組み合わせたりできるのがいい。とくに物販のみのお店だと、お客様とほとんど会話をすることがないので、ディスプレイの部分でどれだけコミュニケーションができるかが重要です。そういったことを考えるときの参考にしています。
『聞き書 福井の食事』のシリーズは、その土地の郷土食を詳しく紹介、解説している本です。郷土料理は食べ方がおもしろいものも多く、「石に食材を乗せて焼く」など、ケータリングのアイディアにもつながります。全都道府県版がある中で福井県を選んだのは、釣りや魚料理が好きな僕にとって、福井県での渓流釣りの経験や鯖料理の多彩さなどには惹かれるところがあるからです。
『SEED TO SEED 固定種野菜の種と育て方』を読むと、その土地の食材や料理を知るときに、固定種野菜は避けてとおれないとわかります。調理の仕方がわからないという理由で売りにくいとされがちな固定種野菜ですが、レシピとセットで伝えることの大切さも感じます。
『The Kitchen』は、アーティストのアトリエにあるキッチンの写真集。アトリエの真ん中、つまり制作において大事な場所にキッチンがあり、食べることがアートを生み出す関係性づくりにつながることが見えてきます。食を提供する場でも、関係性づくりを基盤に新たな発信について考え方を広げられる一冊です。