認定特定非営利活動法人カタリバは、経済的事情を抱える家庭への支援事業のひとつである「キッカケプログラム」において、緊急事態宣言下、生活困窮世帯で、かつ自主休校せざるをえない事情を抱えた子どもたちに対し、PC・Wi-Fi貸与と学習支援を行うことを決定しました。
キッカケプログラムとは
厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査の概況」のデータによると、子どもの貧困率(※)は 13.9%。およそ7人に1人の子どもが貧困状態に陥っています。また、厚生労働省「平成28年度全国 ひとり親世帯等調査結果報告」では、父親の平均年間就労収入が398万円であるのに対し、母親の収 入はその約半分の200万円というデータも発表されており、シングルマザーのひとり親世帯の場合 は、さらに経済的に困難を抱えやすいという傾向が見て取れます。
母親が働いている場合、子どもたちは学校が終わった後の時間を一人きりの家で過ごすというケースも多く生まれています。 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校の長期化は、学校と子どもたちをインターネットでつなぐ オンライン学習を進める契機となりましたが、経済的事情を抱える家庭では、オンライン学習をする ための環境すら整っていないケースも少なくありません。カタリバは、そのような状況下にいる 子どもたちに学びの機会を届けるために、PCとWi-Fiを無償貸出し、オンラインでの学習支援を行う 「キッカケプログラム」を立ち上げました。
※一定基準を下回る所得の家庭で育つ子どもの割合のこと
緊急事態宣言下、自主休校せざるをえない事情を抱えた子どもに学習支援
コロナ禍の子どもたちを支援する中で見えてきたのが、貧困や不登校以外にも「自主休校せざるをえない」事情を抱えた子どもたちの存在でした。
自主休校の選択を余儀なくされている家庭の保護者の声
結婚生活、海外生活のストレスで2017年に寝たきりになり、その後、離婚しました。同居の祖父が白血球が少ない病気のため、(家族がコロナに感染したらと思うと)学校に通わせるのが怖いです。
(シングルマザー、小学生1年生の母)
今回、緊急事態宣言発令に伴う一斉休校は行われない予定となっていますが、一斉休校がなくても「自主的に休校しなければならない」子どもたちがいます。
そのような状況下にある子どもたちに学びの機会を届けるため、本人や家族が病気等を患うなど、自宅から外に出づらい困窮世帯の子どもたちのために、PC・Wi-Fi無償貸与と学びのサポート枠を増設し、平日毎朝オンライン自習室を開室します。
「キッカケプログラム」PC・Wi-Fi無償貸与付学びのサポート枠増設概要
内容:PC・Wi-Fi機器の無償貸与付子どもへの学習支援
申込期間:一次募集 1月7日(木)~1月12日(火)23:59
二次募集 1月13日(水)~1月21日(木)23:59
貸与期間:2021年1月~3月20日返却まで
対象:小学4年生~高校3年生のお子さまをお持ちのご家庭
病気やそのほかの特別な事由で自主休校にせざるを得ないご家庭
自治体から発行される就学援助受給証明書等をお持ちのご家庭
子どもが使えるパソコンなどのデバイスやWi-Fiがないご家庭
学校からオンライン授業や宿題が出ていても取り組めていないご家庭
地域:日本全国
*緊急事態宣言発令地域外からも申込を受け付けます
申込条件:機器貸与後に、以下への参加ができるご家庭になります。
・お子さん、保護者と一緒に参加いただく初回オンライン研修
・お子さんが週1回グループでのオンライン面談
・保護者の方が月1回グループでのオンライン面談
申込方法:下記募集記事をご確認ください。
https://note.com/kikkakeprogram/n/n0126721079e7
申し込みURL:https://forms.gle/QR9eo9nZ73KdWsjt9
「キッカケプログラム」URL:https://katariba.online/kikkake
認定非営利活動法人カタリバについて
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。