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サスティナビリティ

連載 | NEXTSTAGE まちのプロデューサーズ2.0

暮らしそのものを今の時代にアップデートする。

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目次

生活を共にすること、暮らし方の選択肢を増やすことで生まれることとは?

お話を聞いた人

青木大和さん 『DADA』代表取締役

横尾 今回話を聞くのは学生時代に起業し、シェアハウス事業やバスハウス事業を展開している『DADA』の青木大和くんです。学生時代、若者の政治参加を促す団体を運営していた青木くん。それからなぜ、今の事業を始めるに至ったんだっけ?

青木 自分たちが欲しい未来を実現するために、若者の政治参加が必要だと考え、仲間とずっと活動してきました。ところが4年前、ウェブサイトが大炎上し、どうしたらいいのか分からず苦しい時期がありました。多くの人に助けられた経験を経て、僕は人によって生かされているのだなと改めて思ったんです。当時、僕は「本郷夜ヒルズ」というシェアハウスに多様な業界の第一線で活躍されている方々とともに住んでいたんですが、利害関係のないつながりだからこそ、一緒に夢を見て、支え合うことができることを実感していました。今度はそうした場を意図的につくっていけないかと考えはじめたんです。

 もちろん、シェアハウスに一緒に住むということは、他人のよいところだけでなく、悪いところも見ることとなりますし、自分が見せることにもなります。すべてを見せたうえで、お互いがお互いを支え合うこと、また共同生活から生まれる他者への寛容さが、今の時代に必要かもしれないと思うようになりました。

横尾 もう一つの事業「バスハウス」も、いよいよ宮崎県日南市で実証実験が始まるよね。「バスハウス」という言葉は聞き馴染みのない言葉だけど、具体的にどんなこと?

青木 「バスハウス」とは、キャンピングカーより大きく機能性が高い、バスを改装してつくられた「動く家」です。これから多くの人がさまざまな場所を行き来する「超移動社会」を迎えるにあたって、暮らしながら自由に移動することができる空間を目指しています。

横尾 そのアイディアはどうやって生まれたの?

青木 インターネットの発達で、フリーランスやリモートワークといった今までとは違う働き方やライフスタイルが生まれてきました。そうすると、インスピレーションやアイディアが浮かぶような環境を必要としている人がさらに増えてきますよね。常識と言われる選択肢とは、違う選択肢を選んだ人たちが集まる場所が少ない中で、自由にさまざまな人や場所を求めて移動することができる環境が整えられたら、新しいことが生まれるきっかけになるのではないかと思いました。

横尾 住む場所を超えて人と人がつながるきっかけになるよね。シェアハウスの理念が地域を超えて広がっていくイメージかも。「バスハウス」を通じて、青木くんが実現したい社会は?

青木 何か挑戦したいことがあるときに、生まれた環境、国籍、地域に関係なく、みんながフラットに同じスタートラインから挑戦できる社会の実現を目指しています。いわば機会の平等ですね。チャンスが地方と比べて多い東京は何といっても家賃が高い都市でもあります。「バスハウス」が情報の非対称性をなくし、多様な人とつながって、新たな挑戦者がチャンスをつかむ足がかりとなればいいと思います。そして「バスハウス」を通じて、「不動産」に対して「可動産」というひとつの未来の形を社会に示していきたいですね。

取材後記

 青木くんと最初に出会ったのは、青木くんが前の団体を運営していた頃でした。すごくおもしろいことを考える、とても“尖った”学生というイメージでした。尖っているがゆえに、時に周りと対立することも。それが、さまざまな困難を経験し、その経験から、今は人と人のつながりや挑戦者を生み出す環境づくりに動いている。顔つきも含め、いい意味で柔和になったなあという印象です。内なる熱量、それに社会に対する構想力は、今も健在。ソーシャルビジネスとしても成功し、青木くんが中心となって、挑戦し、たとえ失敗しても、周りの力でいつでも再挑戦できるような社会をつくってほしいと思っています。支えてくれる仲間は、すでに大勢いるはずです。僕もできる限り応援したいと思います。  (横尾)

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