インパクトのあるこの楽器。実は、北海道にある新巻鮭の運送用木箱「鮭箱」を使ったウクレレだ。新巻鮭とは内臓を抜いて塩漬けにした一尾丸ごとの鮭で、北国ではお歳暮などに使われている。この箱に目をつけたのが、宮大工の村上智彦さんとギター製作職人の鹿川慎也さん。北海道にUターンした二人だ。「魚屋まで運ぶための箱なのでふだんはあまり目にしない存在です。でもこの独特なフォントや地名などのプリント、漁業の粋な感じや港の哀愁が伝わってきて『これでものづくりをしたらおもしろい!』とワクワクしたんです」と鹿川さん。
二人は2015年に「ARAMAKI」というユニットを結成し、ウクレレの製作をスタートした。その名も「Shakelele®(シャケレレ)」! 「本来の鮭箱のデザインや形を生かし、手を加えすぎないようにしています」と鹿川さん。鮭を運んでいた箱が、今度は音色を届ける箱に。ぜひ、北国の漁業カルチャーを感じてみよう。
\ここがオススメ/
もちろんウクレレとしてすばらしい音色が。
トドマツを使った楽器は柔らかい音色になるのが特徴。またボルトオン(ネジ留め)構造によりキレのいいサウンドにもなっている。
Shakelele® Jr.
北海道の鮭箱を使った一点物のウクレレ。鮭箱の木材はトドマツでできていて軽い。鮭箱の内側を削り、外側はウレタンで塗装して使用。ケースの素材も鮭箱で、発送用ダンボール箱は鮭が届いたかのようなデザイン。オンラインショップを中心に販売中。●11万円(ARAMAKI http://aramaki.world/)