香川県民にとって、うどんは暮らしに欠かせないソウルフードだ。コンビニより多いといわれるうどん店では、毎日大量の昆布や煮干しの出汁ガラができる。そこであるうどん店では、出汁をとった後の昆布や近所でもらった野菜などを天ぷらにして、無料で提供している。また別の店では、煮干しはもはやうどんの具。大きな鍋から自分で出汁をすくってどんぶりに注ぐセルフタイプの店なので、いつの頃からか鍋底にある煮干しを一緒にすくって食べるのがツウの流儀になった。瀬戸内の伊吹島で採れた銀つき煮干しをたっぷり使ったパンチのある出汁をすすりながら、煮干しをパクリ。頭や腹を取らず、丸ごと食べるのは鮮度の証しでもある。
家庭でも一工夫。出汁をとった煮干しに塩と黒コショウをひとふり。オリーブオイルをたらせば、即席オイルサーディンの出来上がりだ。死ぬまでおいしいうどんを食べ続けたいから、最後まで食べきる讃岐流のフードロス対策。ぜひ一度、お試しあれ。
香川県民1人あたりの年間うどん消費量は220玉。近年、廃棄うどんでバイオガスをつくる「うどん発電」や「うどん液肥」で小麦を育てるなど、「うどん循環プロジェクト」が進められている。