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「東京か地元か」だけではない、第三の選択肢。移住転職コミュニティ「LoLLL」が2,30代に響く理由

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目次

都市部で働く20代の45%が地域移住に関心、でも踏み出せない現実

国土交通省の調査によると、地域への移住に関心を持つ首都圏在住者の割合はコロナ禍以降増加しています。20代ではその割合は約45%に達しており、特に若い世代で関心が高いことが明らかになっています。

しかし一方で、実際に移住を実行する人は限られているのが現実だ。「仕事や収入」「人間関係や地域コミュニティ」への不安が大きな壁となっている。

そんな中、社会人向け教育プラットフォームを提供するSchooが立ち上げた移住転職コミュニティ「LoLLL(ロール)」が、20代を中心とした都市部の若手ビジネスパーソンの間で注目を集めている。

「生まれ育った場所で働くか、大都会で階級に組み込まれるか」の二者択一を変える

「僕らの生き方って、生まれ育った場所のシステムの中で生きていくか、大都会の階級に組み込まれるかの二者択一じゃない。第三の選択肢として、自分の価値観にマッチする場所を探し、新しいカルチャーやものを作っていくような生き方もある。」

そう語るのは、Schoo代表取締役社長の森健志郎氏。LoLLLは「Lushness of Life(豊かな人生)」の頭文字を取った名前で、従来の移住支援とは一線を画したアプローチを取っている。

なぜ今、移住転職なのか

森氏がLoLLLを立ち上げるきっかけとなったのは、地域視察での衝撃的な体験だった。

「人口減少といってもまだ人はいる。面白い会社もある。にも関わらず、学生も企業も、いま視界に入る以上の選択肢や可能性が、自分たちにあると思っていないように見えました。」

一方で、都市部では若い世代を中心に「適切な雇用環境があるなら地域で働いてみたい」と考える人が増えているという現実もあった。そこに「情報の非対称性」という課題を見つけたのだ。

note(ノート)
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従来の移住支援との決定的な違い

コミュニティから始める移住検討

従来の移住支援は「まず移住先の自治体を決める」ことから始まるケースが多い。しかしLoLLLでは、移住先を決めていない状態でも多様な情報を得られるコミュニティを提供している。

移住先を決めていない人向けの移住情報って限られるし。その点LoLLLでは、移住先を決めていない状態でもいろんな情報を得ることが可能。

https://lolll.jp/より引用

「学び合い」を重視したアプローチ

Schooが教育事業で培った「学び合い」の概念をLoLLLにも導入。移住の検討って、ある意味学びのプロセスでもあると思うんですよ。情報を得て、取捨選択して、自分の知識を増やしながら価値判断をしていくという。

コミュニティには移住経験者がアンバサダーとして参加し、一対一のキャリアカウンセリングやMeet Upイベント、有識者によるオンラインセミナーなどが定期開催されている。

地域で求められているのは「普通の右腕」人材

「ハイスペック」である必要はない

「自分の経歴やスキルなんてありふれているだろう」と思っているような人でも、十分合致するようなニーズであることも多くて。

地域企業が求めているのは、経営者のアイデアを実行に移せる「右腕」的人材。特にWEBやマーケティングの知見がある人、グローバル志向の人材、経理・財務などのスペシャリストへのニーズが高いという。

世界レベルの技術を持つ「地域の良い企業」が多数参画

実際にLoLLLに参画している企業を見ると、地域のイメージを覆すような成長企業が多い。

京都のAI企業・HACARUSでは、VCから大型調達を受けた注目のベンチャーがAIエンジニアやデータサイエンティストを募集。「地域で挑戦し、成長したいあなたへ。AIを活用した新しい価値を共に生みだしましょう」というメッセージのもと、京大出身者の役員や海外の優秀なデータサイエンティストが集まる環境で上場を目指している。

北九州の岡野バルブ製造は、原発バルブで世界シェアNo.1を誇る上場企業。40代社長、30-40代の取締役が多く風通しの良い環境で、「一度きりの人生、血沸き肉躍る舞台に立ち、日本の課題を解決するファーストペンギンになってみませんか」と新規事業開発人材を求めている。

熊本のMARUKUでは、「人生に大切な場所をもう1つ」をビジョンに掲げ、社員の半分以上が移住転職組。阿蘇の自然近くの職場環境で地方創生ICT事業を展開している。

沖縄のBlue Mobilityは、観光と移動をミックスしたヘリコプターバスで沖縄観光をアップデート。設立2年のベンチャーで、社員もIターンが多く移住者への理解がある。

https://lolll.jp/より引用

給与面での不安にも配慮

「安易に『給与が大幅に下がっても、住環境が良いからおすすめですよ』といった勧め方はしたくありません。」

LoLLLでは、給与を含めた多様な観点で自信を持って参加者におすすめできる企業との提携を進めている。

実際に移住した先輩たちの声

一次情報に触れる価値

コミュニティマネージャーの大西修平さんは、香川と大阪の二拠点で活動している。「一次情報に触れる経験って、今の時代、改めて大事だと思うんですよ。ネットを使えばいくらでも二次・三次情報にアクセスできるけど、実際のものには触れずにわかったつもりにもなりやすいですよね。」

地域では「気さくに工場見学をさせてもらえる」「地元の歴史や文化について直接話を聞ける」など、都市部では得にくい貴重な体験ができるという。

つながりの力

「地域では一人とつながると、いもづる式にいろんな人と知り合えることが多いです。」

このようなネットワークの力が、移住後の定着においても重要な役割を果たしているという。

ローンチ3ヶ月でコミュニティ登録者数300名、参画企業数30社超え

現在、LoLLLのコミュニティ参加者は300人、全国の地域の良い企業の参画数も30社を超え、着実に成長を続けている。具体的にLoLLLのコミュニティで受けられるサポートは下記となる。

段階的なLoLLLコミュニティのサポート

  1. 検討段階: コミュニティでの情報収集・交流
  2. 転職準備: キャリア形成支援・スキルアップ(Schooの授業動画も利用可能)
  3. マッチング: 提携地域企業との出会い
  4. 移住後: 定着支援・継続的フォロー

コミュニティで得られる具体的なサポート

LoLLLのコミュニティでは、移住検討の各段階で必要な情報やサポートが受けられる体制が整っている。

移住経験者アンバサダーとの対話では、各地域の移住先輩が参加し、リアルな体験談や地域の生活情報を共有している。「実際の住環境はどう?」「地域の人間関係は?」といった率直な質問にも答えてもらえる。

一対一のキャリアカウンセリングでは、専門のキャリアアドバイザーが現在のスキルや経験を整理し、地域企業での活躍可能性を客観的に分析する。転職活動の戦略立案から面接対策まで、きめ細かいサポートを提供している。

地域別コミュニティでの情報交換も活発だ。香川、熊本、沖縄など地域ごとのコミュニティでは、「今度遊びに行くので現地メンバーに会いたい」「移住前に一度生活を体験してみたい」といった相談も可能となっている。

定期オンラインセミナーでは、全国47都道府県を取材し、地域の魅力を発信してきた元ジモコロ編集長の徳谷柿次郎さんを招き、地域移住で幸せになるために押さえておくべき”ツボ”を紹介。他、地域ビジネスの有識者や実際の地域企業経営者が登壇し、地域での働き方や事業の可能性について学べる機会を提供している。

また、移住転職に必要なスキルアップのため、Schooの約8,500本の授業動画を活用することも可能だ。デジタルマーケティング、データ分析、事業開発など、地域企業で求められるスキルを効率的に習得できる。

提携企業例

全国から厳選された成長企業と提携。

  • HACARUS(京都): VCから大型調達のAI企業
  • 岡野バルブ製造(北九州): 原発バルブ世界シェアNo.1の上場企業
  • MARUKU(熊本): 社員の半数以上が移住転職組のICT企業
  • Blue Mobility(沖縄): ヘリコプターバス事業の注目ベンチャー
  • 静岡鉄道(静岡): 100年続くまちづくり企業、シェア型社員寮完備
  • 小平株式会社(鹿児島): 創業100年の老舗企業、東大卒社長が変革を推進
  • RITAグループ(熊本): 馬刺しECで日本一、ふるさと納税マーケティング支援

これらの企業では、ITエンジニア、マーケティング、事業開発、営業企画、デザイナーなど幅広い職種で人材を募集している。

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「選択肢を持ち続けられる」価値

「一度検討しておけば、選択肢を持ち続けられるということなんです。いまこの時移住を選ばなくても、これからの長い人生、移住を検討する局面がないとは限りませんよね。」

転職活動と同様に、「今すぐ移住する」ことが目的ではなく、将来の選択肢を広げる準備としてLoLLLを活用する参加者も多い。

「まずは選択肢を知ってもらいたい」

「まずは選択肢を知ってもらいたいんですね。私自身、大学生の頃などは『若いうちは大都会で働くか、地元で安定した就職をする以外に選択肢はない』と思い込んでいました。」

現在は20〜40代の都市部居住者をメインターゲットとしており、β版のため入会には審査があるが、基本的には無料で参加できる。

日本をもっと広く使う提案

「まず提案したいのが、『一度、日本をもっと広く使ってみませんか?』ということ。いま東京23区で働いているからこれからもまあ23区でしょう、みたいな発想で本当にいいのか。最初から絞り込んだ選択肢しか見ないで、『この中から選ぶものだ』と考えるのはもったいないと思いません? 日本って意外と大きな国なのに。」

LoLLLが提案するのは、従来の「東京一極集中」とも「地元回帰」とも異なる、自分の価値観に合った場所で新しい価値を創造していく生き方だ。

人生100年時代において、働く場所・住む場所を柔軟に選択できることは、キャリア形成の重要な要素となりつつある。LoLLLは、そんな新しい時代の働き方を模索する20代の心強い味方となりそうだ。

ぜひ、移住か地域企業に興味のある方は、まず、コミュニティ登録してみてはいかがだろうか?


LoLLL(ロール)概要

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