みなさん、マイナンバーカードはお持ちですか?最近でマイナンバーカードを活用したさまざまな取り組みが増えてきています。なかでも注目を集めているのが、iPhoneでマイナンバーカードが使えるようになったというニュース。今回はその話題を入り口に、新潟県の山古志で行われていた「マイナウォレット」の実証実験と、これからの可能性について書きたいと思います。
そもそもマイナンバーカードとは?
マイナンバーカードとは、2016年から発行が始まった「個人番号カード」のことを指し、希望者が申請することで交付されるプラスチック製のICカードです。よく混同される「マイナンバー」とは異なり、マイナンバーは住民票を有するすべての人に割り当てられる12桁の個人番号そのものを意味します。
このマイナンバーの利用範囲は、社会保障・税・災害対策の3分野に限定されており、それ以外の目的での使用は法律で禁じられています。
また、マイナンバーカードには、医療の履歴や年金の詳細な情報などが直接保存されているわけではありません。実際に記録されているのは、マイナンバー本体の番号、氏名、住所、性別、生年月日、顔写真、そして本人確認のための電子証明書です。とはいえ、これらはいずれも重要な個人情報にあたるため、カードの取り扱いには十分な注意が必要です!
もっと身近に。スマホ対応で進むマイナンバーカードの活用
これまでマイナンバーカードを使うには、専用のカードリーダーを用意したり、役所やコンビニにカードを持って行ったりと、なにかと手間がかかっていました。便利なはずのカードなのに、「使いにくい」「使う場面が少ない」と感じていた方も多いのではないでしょうか。
それに、毎回持ち歩くのも少し面倒ですし、「もし失くしたらどうしよう」と不安になることもありますよね。
そんな中、2025年に入り、マイナンバーカードがiPhoneでも使えるようになったことは、大きな変化です。マイナンバーカードをiPhoneに取り込めば、スマートフォンだけでさまざまな行政サービスが利用できるようになりました。AppleのFace IDや端末の暗号化など、セキュリティ面でも信頼性が高く、安心して使える仕組みになっています。
たとえば、iPhoneのサイドボタンをダブルクリックして顔認証すれば、住民票の発行や各種証明書の取得もスムーズにできます。また、マイナポータルへのログインや、オンラインでの確定申告(e-Tax)なども、カードを持ち歩かずにスマホだけで完結するようになりました。
ただし、現時点ではすべての機能がiPhoneで代替できるわけではないという点には注意が必要です。
たとえば、物理カードでは2024年3月から運転免許証との一体化が始まっていますが、iPhone版のマイナンバーカードでは免許証の代わりにはなりません。
それでも、スマホにマイナンバーカードを取り込めるというのは、私たちの生活にとって大きな前進です。行政サービスがぐっと身近になり、「わざわざ役所に行く必要がない」「オンラインで完結できる」といった利便性が高まることで、公共サービスのハードルが大きく下がっていくことが期待されています。
マイナウォレットが地域を変える? 山古志での実証
(参照:マイナウォレット株式会社PRTIMESからのプレスリリース)
マイナンバーカードの活用は、行政手続きの効率化だけにとどまりません。近年注目されているのが、地域経済の活性化やコミュニティの創出を目指す「マイナウォレット」という取り組みです。マイナウォレットは、暗号資産・ステーブルコイン・NFT・デジタル ID などを、誰もが安心・安全・簡単に活用できるようにするマイナンバーカードがデジタル資産ウォレットになるサービスです。
ブロックチェーンというのは、安全を担保するのに優れた技術ですので、マイナンバーカードとの相性がとてもいいわけですね。
そこで、昨年の11月には山古志でマイナウォレットの実証実験が山古志でも行われました。(さらにこないだ、マイナウォレット株式会社では2億円の資金調達ニュースが出ました!)この実証実験では、「マイナペイ(マイナンバーカードで決済ができるサービス)」を小学生からなんと80代の方に体験をしてもらうということでした。こういった最新の取り組みが山古志地域で展開されることは本当にすごいことだなと感じています。
そしてこういった山古志での取り組みは、マイナンバーカードがただの手続きのためのカードではなく、私たちの地域の暮らしをワクワクさせる、そんな可能性を秘めていることを教えてくれます。
未来はどうなる、イノベーション
デジタル大臣の平大臣も山古志へ
山古志での実証実験は、マイナウォレットがただのキャッシュレス決済ツールではない、もっと大きな可能性を秘めていることを教えてくれました。では、具体的に私たちの暮らしや地域社会は、これからどう変わっていくんでしょうか。
まず一番期待できるのは、地域経済がもっと元気になることかと思います。マイナウォレットを通じて、地域独自のデジタル通貨が使えるようになると、地域の中でのお金の巡りがぐっと良くなる可能性があります。これは地域だけでなく、日本全体にとって良い影響をもたらすかもしれません。例えば、観光で訪れた人がデジタル通貨でお土産を買ったり、食事をしたりすれば、そのお金がまた地域の会社やお店に戻ってきて、新しい仕事やサービスが生まれるきっかけになることも。これは、地方を盛り上げる大きなチャンスですよね。
次に、新しい形のコミュニティが生まれる可能性もあります。山古志の「デジタル村民」のように、たとえ遠く離れて住んでいても、マイナウォレットを通じて地域と深くつながれる人が増えるでしょう。これまでの住民票とは違う、新しい「地域の仲間」が育っていくイメージです。特定の地域を応援したい人がデジタル通貨で寄付をしたり、その地域ならではのNFT(デジタルな記念品のようなもの)を買うことで、間接的に地域活動に参加することも可能になります。これは、人が減って困っている地域にとって、新しいつながりを作る大きなきっかけになるかもしれません。
さらに、行政サービスももっと便利になるでしょう。マイナンバーカードの「あなたですよ!」という確かな本人確認機能と連携すれば、将来は行政からの給付金や補助金が、デジタル通貨として直接マイナウォレットに届くようになるかもしれません。そうなれば、手続きがもっとスムーズでスピーディーになりますよね。大きな災害が起きた時など、緊急で支援が必要な場面でも、素早くお金が届くようになる可能性も秘めています。
もちろん、新しい技術を取り入れるには、プライバシーをしっかり守ることや、セキュリティ対策を完璧にすることがとても大切です。そして何より、私たちみんなが「これ、いいな!」と納得して使えるようになることが欠かせません。でも、iPhoneでマイナンバーカードが使えるようになったように、デジタル化の流れはこれからもどんどん進んでいくはずです。
今回はマイナンバーカードとマイナウォレットについて少し深掘りしてみました。日本はWeb3の分野に限らず、「ルールが厳しくてなかなかイノベーションが生まれない」と指摘されることが多かったですよね。そう考えると、今回の「iPhoneへの連携ニュース」や「マイナウォレット」の取り組みは、その状況を打破する新たな一歩として、とても良い事例になるのではないでしょうか。(ここ数年でWeb3周りの規制に関する議論も深まってきていますしね!)
今回のマイナンバーカードやマイナウォレットについて、皆さんはどのような可能性を感じますか?ぜひ考えるきっかけになれば嬉しいです。ではまた次回!
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