ドライブ休憩のために立ち寄ったり、野菜を買ったりするだけが、道の駅の役割ではありません。もちろん野菜などの生鮮品が安く購入できるのも魅力のひとつではありますが、それ以外にも地域活性化の拠点となり、進化している道の駅について紹介します。
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道の駅小豆島ふるさと村
手延べそうめんづくりを見学して、味わえる。
香川県の小豆島といえばそうめんが有名なところですが、『道の駅小豆島ふるさと村』にある『手延そうめん館』では、そうめんができる様子を見学することができ、そうめんの販売もしています。お土産にはオリーブの実を麺に練り込んだオリーブそうめんが人気です。食堂では名物の手延べそうめんを食べることができ、そうめんづくし。
そもそも、この道の駅は、家族で一日中遊べるレジャー施設『小豆島ふるさと村』のなかにあって、クラフト体験、イチゴ農園、オートキャンプ場、宿泊施設(国民宿舎)などを併設しています。
小豆島でそうめんがつくられるようになったのは今から約400年前。そうめんが有名な地域はほかにもありますが、小豆島のそうめんは製麺するときにごま油を練り込むことで、ほかの地域とは違った風味が味わえます。施設内で生そうめんも食べられます。
道の駅清和文楽邑(せいわぶんらくむら)
人形浄瑠璃の舞台が見学できる。
清和文楽は、江戸時代にこの地を訪れた淡路の人形芝居の一座から村人が人形を買い、技術を習ったのが始まり。地域のお宮での奉納芝居の上演や、各地の行事に招かれるなどして伝承されてきました。
一時期衰退しましたが、昭和元年に復活し昭和54年に「清和文楽人形芝居」が熊本県の「重要無形文化財」に指定されたことをきっかけにして「文楽の里」をキャッチフレーズに掲げた村おこしがスタート。清和文楽の伝承と地域活性化を目的として『清和文楽館』が建設されました。この人形浄瑠璃専用の舞台が『道の駅清和文楽邑』にあります。
舞台棟、客席棟などの建物は、どれも日本古来の伝統建築の技術を使って造られています。とくに客席棟は、テコの原理を応用した「騎馬戦組み手工法」によって造られていて、建築に興味のある人がわざわざ見学に訪れる建物です。
photographs & text by Yuichi Asai illustration by Kazumi Obika
記事は雑誌ソトコト2021年11月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。