「女性がいきいきと輝ける県」として今、全国から注目を集める徳島県。人口順位は47都道府県のなかで44位ながら、「女性社長比率ランキング」では全国第2位(※1)と「女性リーダーの活躍」をリードしている県なのです。そんな徳島県の北西に位置する美馬市では「MIMAチャレンジプロジェクト」という地域活性化プロジェクトが進行中。その取り組みに携わる堂面翠さんをタレントの加藤綾菜さんが訪ねました。
左・加藤 綾菜(かとう あやな)
1988年4月12日、広島県生まれ。2011年に ザ・ドリフターズの加藤茶さんと結婚。年齢差45歳の年の差婚として話題に。結婚生活10年目に突入した現在は、得意の料理を生かし、夫の体調を考えた「美味しく減塩料理」を日々研鑽。介護食アドバイザーの資格も取得。
右・堂面 翠(どうめん みどり)
徳島県美馬郡生まれ。大学卒業後、美馬市役所の臨時職員として勤務後、「MIMAチャレンジプロジェクト」を手掛けるG&Cコンサルティング株式会社に入社。現在は京都府に在住しながら、美馬市の観光活性化、サテライトオフィスの運用、事業継承などに尽力しつつ、奈良県五條市の地方創生プロジェクトなどにも携わっている。
持続可能な町を作る「MIMAチャレンジプロジェクト」
堂面さん:徳島県美馬市は、江戸中期から昭和初期の頃の建物が約430メートルにわたって残っている「うだつの町並み」や、「日本一の清流」として知られる穴吹川などで有名な地域です。ただ近年、美馬市では「うだつの町並み」の空き家問題や観光客の減少、事業を継承する後継者不足、若者の働き口の不足などが問題にもなっています。
そこで、地元住民や自治体、そこに都市部の経営者や学生も巻き込み、それらの問題の解決策を模索しつつ、持続可能な社会をここ美馬市で作り上げることを目標として弊社が立ち上げたのが「MIMAチャレンジプロジェクト」です。
加藤さん:そのプロジェクトの拠点になっているのが今、私がお邪魔しているこの「森邸」なんですよね? 私、古民家って大好きなんですが、ここも味があってステキですね。
堂面さん:ありがとうございます。「森邸」は空き家になっていた築150年の建物をリノベーションし、2017年1月にオープンしました。「MIMAチャレンジプロジェクト」の拠点としてだけでなく、全国の企業5社のサテライトオフィスとしても活用いただいています。
加藤さん:奥にはおしゃれなキッチンカウンターもありますね。
堂面さん:そうなんです。美馬市に移住をされてきた方が、週末限定でカフェを営業されています。他にも、地元の藍染めクリエイターたちが商品販売を行ったり、イベントスペースやコワーキングスペースとしても解放しています。
加藤さん:ステキですね。地元の人から観光客まで、さまざまな人が集まる拠点になっているんですね。
地元の意見に耳を傾けながらの観光誘致
堂面さん:美馬市には「うだつの町並み」など貴重な観光資源がありますが、現状は「通過型」の観光地になってしまっているという課題があります。ここに泊まったり、食事をしたりして、ゆっくり滞在してくださる方をもっと増やしていきたいですね。
また、空き家問題にも取り組みたいです。「うだつの町並み」は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているため、そこにある建物の外観を勝手に変えることができません。そのため、維持が大変で放置されてしまい、空き家になるパターンも多いのです。
放置された空き家が増えるのは安全面でも心配ですし、地元の方々からも「残せるものなら有効活用してほしい」という意見を多くいただくので、今後は積極的に活用していきたいなと考えています。
加藤さん:観光客にも来てほしいけれど、地元の人の意見にも耳を傾ける必要がある。なかなか両立が大変そうですね。
堂面さん:一時のブームに終わらない持続可能な町を作っていくためには、地元の人たちの理解と協力が不可欠です。私自身も美馬市の隣町出身で美馬市の高校に通っていたので、気持ちがよく分かるのですが、たとえば突然、東京から来た人たちが説明もなく何かを始めても、地元の人とは隔たりができてしまう気がします。
都市部の人の知恵と地元の人との思いが一緒になり、協力し合いながら進めていくことがサステナブルなまちづくりには重要なんです。
女性同士のコミュニティで活躍!
堂面さん:自立して働いている女性は多いかもしれませんね。私も以前、地元の女性起業家さんたちが集う「ママの会」というイベントに参加させていただいたことがあるのですが、皆さんが積極的に意見交換されていたのが印象的でした。
加藤さん:身近にいきいきと働く女性がいると、その周囲の女性にも「私も何か始めてみよう」と、良い刺激が伝染しそうですよね。
堂面さん:そういう女性同士のコミュニティがここにはあるのかもしれません。子育てをしながら働いている女性も多いですしね。ただその一方で、若者の働き口の減少という問題を抱えているのも事実です。雇用の確保も、今後の私たちの解決すべき課題だと感じています。
加藤さん:堂面さんご自身の今後の夢はありますか?
堂面さん:地元の人も、観光客も、外から働きに来た人も、ここ美馬市にさまざまな人が集まって、賑わいに溢れるような、そんな場作りを今後も進めていきたいなと思っています。それに、私自身も結婚をして現在は京都に暮らしているのですが、いつかこの町に戻ってきて子育てをしたいという思いもあります。子育てをしながら仕事も続けていくことが、今の目標です。
加藤さん:私も夫と全国各地いろんな場所を訪れていますが、美馬市は女性が元気で人が優しい町だなって感じました。人の温かさや歴史に触れて、滞在しているだけで自律神経が整った気がします(笑)。
http://mima-challenge.com/
美馬市に来たら藍染&和傘体験!
後編は徳島県・美馬市の豊かな「食」についてお届けします!
「第14回 華道家 假屋崎省吾 うだつをいける ~美来麗明~」開催中
假屋崎省吾氏による華道展が2年ぶりに復活開催! 假屋崎氏が生けた地元の花や樹木が「うだつの町並み」にある「藍商佐直 吉田家住宅」と「あんみつ館」を彩ります。毎週木曜には先着50名様にフラワーアレンジメントもプレゼント。
・日時:~2月20日(日)まで
・時間:9時00分~17時00分(最終入館16時30分)
・入場料:1,000円
・お問い合わせ:美馬観光ビューロー TEL. 0883-53-8599
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