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連載 | FC今治が、今治.夢スポーツである理由。

今治から発信する、次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創り。

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今年からJ3に昇格したFC今治を運営する株式会社今治.夢スポーツは、サッカーやスポーツだけではなく教育事業も行うユニークな企業だ。愛媛県に本拠地を置き、リモートワークではなく今治オフィスへ通勤をする前提で求人を開始すると全国各地から数日で数百名がエントリーするなど、地域企業の中でもその理念をベースとした企業運営に全国から注目が集まっている。

目次

物の豊かさより心の豊かさを大切に。Jリーグ延期の中、地域により根ざしたアクションを。

J3に昇格し、地域だけでなく全国のFC今治ファンが開幕戦を待ちわびている。ホームグラウンドの夢スタはこれまで試合があると、地域の子どもからお年寄りまで駆けつける。この年齢層の幅広さは全国的に見てもまだまだ珍しい。スタンドを見渡せばバーベキューが出来るスペースがあったり、お年寄りでもスムーズにゲームを楽しめるスペースがあったりと、ただサッカーを見るためのスペースではなく地域の方が楽しめる仕掛けが随所に散りばめられている。これは、企業理念の「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する。」に基づいたアクションだろう。

企業理念に基づいた地域づくりについて、今回は株式会社今治.夢スポーツの植野準太さんと中島啓太さんとお話を伺った。

パブリックビューイング

ソトコト(以下S) 今治.夢スポーツ、FC今治が今治において大切にしてることを教えて下さい。

植野準太(以下植野) 岡田(株式会社今治.夢スポーツ代表取締役会長 岡田武史)の言葉を借りると、「地域に愛される存在にならないといけない」というのが第一にあります。その言葉をもとに、スタッフ一人ひとりが各自でどういうことをしたらいいのかを考ながら、パートナー(FC今治ではスポンサーの皆様について、共に歩ませて頂くことを願い”パートナー”と呼ばせていただいています)の方々や、ファンや住民の方々にもどうしたらいいのかを念頭において行動しています。

次に大事にしているのが、スタジアムを満員にすることです。スポーツビジネスにおいて、スタジアムを満員にすることが大事で、達成するためには地域の方々に来てもらわないと成り立ちません。

満員にするためには興味の矛先をサッカーだけではなくて、スタッフや選手、イベントなど様々なことに興味を持ってもらわないといけません。そのためには地域の皆様とコミュニケーションをとり、会社全体として愛されることが必要です。

社員一人ひとりの行動がファン化につながっていくと思うので、まずは選手たちより自分たちスタッフが何をしないといけないのかと考えるべきだと考えています。岡田がエピソードとしてよく話しますが、スタジアムを満員にするために、スタッフ一人一人がお客様を連れてこないといけないと言った時に「お前らみんな友達いるのか?」と。まさにそういうことだと思います。

各自が地域の皆様とコミュニケーションを取り、愛される存在になれれば自然とチケットも買ってもらえるようになれるはずだと考えています。

FC今治は地域の企業や方々とユニークな取組にチャレンジしています。

S 先日3月14日に、公式noteを開設されましたね。毎日の更新は大変だったと思いますが、開設した経緯を教えて下さい。

中島啓太(以下中島) 舞台裏を伝えることで企業理念への共感を深めたいことが狙いでした。サッカークラブですがサッカー以外の事業もやっていて、企業理念にはサッカーでもスポーツでもなく、「次世代のために心の豊かさ」を伝えることが大切だと掲げて活動しています。

しかし、どうしてもメインの活動はサッカーのトップチームの試合になってしまうので、それ以外の部分を、今応援して頂いている方々にさえ伝えるのが難しかった。企業理念の体現に向けたチャレンジを丁寧により深く、今応援してくれている人にお伝えすることで、お客さん、ファンの熱量が自然と上がり、その結果として企業理念である「心の豊かさ」に共感して頂けるような拠り所を作りたかったというのがあります。

公式HPには沢山のアクセスがありますが、こちらは不特定多数の方々に対して、網羅的に正確な情報をタイムリーかつ中立的にお伝えすることが大切な役割だと考えています。一方、noteは今応援して頂いている熱量の高い人を最優先に考え、舞台裏のストーリーをさらに深く知ってもらうことを目的としています。応援しててよかったなと周りに言いたくなるような企業理念に共感してくださる人が更に増えるような役割を担うメディアとして開設しました。

note

現在、開設から約1ヶ月ですが、シーズンパスやファンクラブに入ってくださっている方の人数と大体同等の固定読者数がいる事が分かりました。なので、届けたい人にはきちんと届いているという感覚を持っています。読者アンケートの結果を見ても、「今まで選手のことを知ってたつもりだったけど、プライベートのこととか、なぜこの選手が今治に来たのかとか、舞台裏を知ることでより一層選手への愛着が湧いた」とか、「選手のことはよくわかったから、今度はスタッフの舞台裏が知りたい」という回答が寄せられていて、狙ったことへのいいスタートが切れたのではと考えています。

オウンドメディアとソーシャルメディアをかけ合わせて、地域との関わりや全国のサポーターとのやり取りを可視化

S 選手全員のインタビューをtwitterで毎日ツイートされてましたね。サポーターの方々とのやり取りがとてもうらやましく見てました。

中島 noteで毎日新規で公開されたものを毎回twitterで拡散しました。初めての試みだったので、更新している間は、順調なのかそうじゃないのかの比較をしようがないというのが正直なところでした。今振り返るとすごく大変だったなというのと、やってよかったなという両方の気持ちがあります。編集側はとても大変で、2〜3000字のコンテンツをストック無しで休みの日も含め毎日アップしていく、まさに自転車操業でした・・・。

選手のことを深く知れたといファンの反響がすごく大きかったと思っています。特に今回は「#はじめてのJリーグ」という共通テーマを設定し、「その選手が小さい時にどういうきっかけでJリーグに興味を持ったか」そして「子供の頃に初めてJリーグに出会った記憶と、いまFC今治の選手としてはじめてのJリーグにチャレンジをする事に対する気持ち」、この2つについて話してもらいました。

ファン以外の反響でいうと、選手自身からも直接コメントを貰いました。選手同士でも知らなかったことにたくさん気づけたと。例えば山田貴文選手は、もともと公務員試験に合格したというキャリアの持ち主です。プロに行かずに公務員になるという選択肢もある中、JFLのチームで頑張ってるうちにFC今治から声がかかり、いまではJリーガーとして新たなチャレンジをするに至ったというバックグラウンドを持った選手なのですが、それを知らなかったという選手もいました。実は古株の選手でもそのことを知らなくて、今回初めてそのことを知ったという声もあり、選手同士でも新たな一面が見れたと。

普段の試合後のインタビューでは全然聞けないような舞台裏のストーリーを「#はじめてのJリーグ」という共通のテーマで話せたというのは、ファンにとっても、チームにとってもすごく大きかったなと思います。

S ということは、地域やサポーター観点だけでなく、チームビルディングの観点からも良かったということでしょうか?

中島 そこまで言い切るのは大げさなのかもしれませんが、チーム内でのコミュニケーションや共通理解を促進するという意味では、今シーズンから加入した選手も何人かいるので、そういう選手がどういう生き様をしてきたのかを理解するには役立ったと思います。

twitter上のファンのコメントでも、「選手のインタビューを毎日見ていると、他のプラットフォームと違って、選手と双方向で会話しているような気持ちになれるのがワクワクする。」というのがあって、それはnoteで深いコンテンツをファンに対して語りかけるような形で公開できたからこそ頂けたコメントなのかなと感じています。

植野 狙っていたこととして、他の報道ではこれまで無かった切り口で選手を紹介しようというのがあって、それが出来たのかなと思います。ただ、もともとは狙ってこの企画をやろうとしていたわけではなくて、noteをやろう、内容は会社の様々な事業の舞台裏や取り組む意義を紹介をしていこうと考えていたところ、Jリーグが急遽延期になり、いつ開幕出来るのかが見えなくなりました。そんな状況下でコンテンツをいろいろ検討した際に、今回のような「選手の舞台裏」にスポットライトを当てた連載が出来るのではないかと考えました。27人選手がいるので、27日は持つと。試合がない中でもファンとの繋がりを保ち続けたいという考えが大前提にあって、まだやってないコンテンツ、そして「#はじめてのJリーグ」って私達が今年唯一使えるキーワード、この2つが掛け合わさればいいのではないかというという背景もありました。

中島 noteも実は3/14にローンチする予定ではなかったんです。3月の下旬とかJリーグが開幕してだいぶ経ってからローンチする予定でした。スタッフもこのタイミングで増えたのですが、noteの編集担当も3/1入社で。他の業務との兼務でもありそんな急がなくていいだろという判断だったのですが、Jリーグ延期で何かやらないといけないということで、選手のインタビュー連続配信をやるなら、noteも前倒しでローンチしないといけないのが実際のところでした。

読者アンケートでも「こういう時期に選手の声が聞けてよかった」とか、「大変な時期にこういったことをやってくれてありがとうございます」というお声を頂きました。読者はいつもFC今治を応援してくれている皆様なので、試合という最大のコンテンツが無いという私達の状況もよく理解してくれている中で、このようなご感想をいただけたことは本当に感謝しています。

スポーツのジャンルを超えて、スポーツが地域にどのように貢献できるか。

S 地域の企業だけでなく、県内のプロスポーツクラブと連携して情報発信していましたね。

植野 これは「#24秒チャレンジ」という企画から始まりました。24秒チャレンジとはバスケットボールを知ってる方ならご存知かとは思いますが、攻撃のターンになった際に24秒以内にシュートをしないといけないというバスケットボールのルールです。愛媛県のプロバスケットボールチームである愛媛オレンジバイキングさんがファンの方々とのコミュニケーションの一環で「#24秒チャレンジ」というテーマを決めてやり始めたのです。それで、愛媛県内でも皆さんやってみませんか?という声かけがあって始まりました。

S 違うジャンルのチームから打診があったんですね。

植野 はい。しかし実は以前から、コミュニケーションはありました。コロナウイルスの問題が始まって、世の中の先行きが不透明になりだしたタイミングでした。愛媛県内のプロスポーツクラブの社長が会うタイミングがあって、その時にチームで情報を出せたらいいねという話になりました。その後、愛媛県内の4チームで、「今僕たちでやれることをやりましょう」というメッセージを添えてSNS上だけで発信しましょうとなりました。その時のつながりから、今回この「#24秒チャレンジ」も一緒にやりませんか?というお声がけをいただき実施することができました。

S 学校の卒業式に合わせて、4チーム合同でメッセージを出されてましたが、これも地域との関係があるからできることですよね。

植野 「#24秒チャレンジ」をだけで終わらすのはもったいないなと感じていました。そんな中、この状況で私達が出来ることは何かと考えた時に、3月の終わりに小学校の卒業式がある事に気付きました。いつも通りだと在校生が集まって「おめでとう」と盛大に行われるのですが、今年は規模を縮小した卒業式だと聞き、私達が出来ることは何かと考えました。そこで卒業する小学生にメッセージを贈ろうと考えたのですが、私達だけだとメッセージを届けることが出来ない。今治市の小学校へ届けるのも、普通のやり方だと難しいと考え、テレビの力をお借りできないかと考えました。

テレビに扱ってもらうには大掛かりにやらないとそもそも取り上げてもらえません。そこで「#24秒チャレンジ」の流れがあったので、他のチームと合同で「卒業おめでとう」を伝えようとなりました。そうすることでテレビに取り上げられやすくなりますし、SNSで発信すればテレビをリアルタイムで見ていない地域の方や卒業生がいらっしゃる親御さんも網羅できると考えました。その結果、愛媛は民放4局NHK1局の計5局あるのですが、4局が3月27日金曜日の18時のニュースで一斉に取り上げてくれて、翌週の月曜日にもNHKが取り上げてくれました。

なので、卒業する子どもたちへののメッセージは私達の企業理念に基づいて行動したと言いますか、自分たちが出来ることや企業理念の心の豊かさを追求した時に、地域の小学生が寂しくなるようなことがあるのであれば、プロスポーツチームとしてできることがあると考えて行動しました。

S 地元ケーブルTVと連携して番組を放送するのも、地域スポーツならではかと思いますが、サッカーの結果などに限らないユニークな内容ですね。

植野 今治だとケーブルテレビに加入してる方が多く、今治の方々にチームのことを届けるために一緒にコンテンツを考えて行きましょうという話がありました。内容を考えてた際に、トレーニングマッチを中心に撮影していただいていましたが、それだけだと物足りないから、トークショーみたいなこともやりましょうと。

昨年末もFC今治の振り返りということでトークショーの番組を放送していただいたところ、かなり反響があって、今年は毎月やっていきましょうという話をいただき、当初の話の通りトークショーで放送しました。ケーブルテレビとしては初めて視聴者の方からはがきが届くなど反響がとても大きかったです。

ケーブルテレビ

私達としては民放各社の皆様にご協力いただいて多くの情報を届けようとしていますが、今治のケーブルテレビさんと積極的にコミュニケーションを取り、今治の視聴者や企業の皆様も一緒に盛り上がっていけたらという想いもありますので、一緒にやれることをやっていきたいなと。ケーブルテレビだからこそ、より選手の素の姿を出していくなど地域に住む住人としてしても密着しつつ、私達も今治の一企業として今治の皆様と一緒に成長していきたいと思っています。地域の皆様と一緒に盛り上がるコンテンツを作ったという感じです。

いろいろな課題を、地方発で課題解決しながら乗り越える

S 広告予算があまりない状況はどの地域スポーツも同じだと思いますが、ソーシャルメディアの活用が双方向で面白いですよね。

中島 twitterを利用して「#FC今治の思い出」という企画からスタートしました。試合がない中でもどうやったら応援してもらえるのか、信頼を勝ち得るチームになれるか、というのを考えた時に、ソーシャルメディア上で細々とでもいいから長く愛されるコンテンツを作りたかったんです。

まず最初に、ファンにFC今治を応援してよかったことや思い出を投稿してもらおうというのをまず始めました、それが「#FC今治の思い出」ですそうすると、何十件もリプライがついてて、「大雨の日に応援したのが楽しかった。あそこだけは忘れない」とか「J3上がれなかった試合が凄い悔しくて覚えてる」とか「昇格した試合を覚えてる」とか、みんなそれぞれ思い出があるんだなというのがわかりました。反響も大きかったです。

その中で面白い動きとしては、それらの投稿をみた選手の一人で、選手をしながらスタッフとしても働いている中野圭という選手がいるのですが、中野選手からの提案で、これって選手間でもリレー形式で出来たらいいねという声をいただきました。

ファンと同じように、選手がFC今治の思い出を投稿した後、チームメイトを指名していけばリレーできるのではないでしょうか?と提案をいただきました。早速実行に移しましたtwitterアカウントを持ってる選手が一人ひとり指名しながら、ファンと同じようにFC今治の思い出を写真付きで投稿しています。これは今もつづいいてるのですが、最初は想定していなかった2次波及効果が選手によって生み出されたと思っています。

中野選手

また、弊社はLDH JAPANさんがパートナーとして応援して下さっているのですが、LDHさんのアーティストさんがFC今治の応援に夢スタに駆けつけてくれた事を思い出としてSNSに投稿した選手や、最近リリースされた新曲のダンスにチャレンジした選手もいました。後々、結果的に知ることになったのですが、FC今治やJリーグの公式アカウントがそれらの投稿をシェアしたことがきっかけで、LDHのスタッフ方々やアーティストご本人たちまでその投稿が届いていたそうです。わたしたちの想定を大きく超えるところまで、SNSの発信が届いていた結果となり、とてもありがたいと感じました。

GENERATIONS公式twitterアカウント(@generationsfext)
GENERATIONS公式twitterアカウント(@generationsfext)

「#FC今治の思い出」に寄せられた投稿は、毎日公式アカウントでRTしています。いろんな人の思い出を、地域やファンの仲間に伝えるようなハブ機能を、できるだけ細く長く続けることを心がけています。

「#FC今治の思い出」のハッシュタグ以外にも、「#WallpaerWednesday」(米国のプロスポーツチームが取り組む壁紙プレゼント企画)にも取り組みました。、これはユニフォームの形をした携帯の壁紙をテンプレートで準備しておいて、好きな名前と番号を指定してくれたら、その内容を入れた壁紙をツイートでお返しますというのものです。これもとても反響が大きかったです。

WallpaerWednesday

今、月曜日から金曜日まで曜日ネタのハッシュタグを作れば、試合が延期になっても、少なくとも細々と毎日何かを楽しめるということで、ファンの方と一緒に地元今治のいいところを発信したり思い出をシェアしたりできる企画を計画しています。

ハッシュタグでバズらせるというより、当初から考えてるように、この延期の期間、どうやったらファンのエンゲージメントを切らさずに、自分たちのチームを愛してもらえるか、その先に信頼を勝ち得るかというのを大事にしているので、最大瞬間風速を狙うとのではなく、こういう投稿面白いよね、というのが人から人へ伝わるように、ハブの機能を担えればいいなと考えています。

ステークスホルダーの「心の豊かさ」を実現するために、スタッフと選手が一眼となって取り組む

S 選手が出演するinstagram LIVEも面白かったです。

植野 これも今、僕たちに何ができるか?というところから始まりました。残された中で自分たちが出来ることで考えると、あとはinstagram LIVE中継が残りました。幸い社内を見回してみると、喋れるスタッフがいて元々FC今治のトップチームのキャプテンを勤めていたので、結構話すことができるんですよね。今の現役選手の中でも彼が現役時代から在籍している選手もいるので話を引き出せそうだと。中身を考えてみた時に、トークライブなら面白そうだなということで、ファンに喜んでもらえるかは未知数でしたが、まずはやれることをやろうと、見切り発車でいこうという形で始めました。

instagram LIVE

結果として毎回多くの方が夕方の18時〜18時半くらいからの開始にも関わらず、リアルタイムでも視聴して下さっていて、毎回24時間通すと1000名以上の方が見て下さっています。内容も改善していって、徐々に視聴して下さってる方の人数も増えています。

結果的に良かったのは、最初は選手も渋々な感じで取り組んでたのが、今では選手から自分もやりたいという声が多数あがり出したり、元キャプテンも、ファンから「楽しみにしています」とお声がけ頂いたりしていて、ファンに楽しんでいただけるコンテンツがまた一つ増えたと感じています。

S 他のチームと違って、プレスや目立つスタッフが情報発信をしているのではなく、地域、チーム、スタッフが一体化しているように見えます

植野 地域に愛されないといけないという考えがあって、それを基に行動しているのでそう感じていただけてるのかもしれません。

中島 選手はローカルヒーローなんですよね。一方で、事実としてメジャーヒーローに岡田武史という社会的存在もいるので、選手がローカルヒーローだとしても、成り立ってしまっている現状があって、一般的な現実としてはローカルヒーローだけだと全国の人に認知はされにくいと思っています。

今治のローカルヒーローのイメージは、近所の優しいサッカーが上手なお兄ちゃんたちなんです。子どもからすれば、体育の時間にサッカーを教えに来てくれたサッカーが上手なお兄ちゃんで、お母さんからすれば、自分の子どもにサッカーを教えてくれる優しいお兄ちゃん、おばあちゃんからすれば、孫の運動会を見に行くような感覚で応援に来てくれる方。

これだとやはり企業運営面だけから見ると成り立たない部分があるのですが、岡田武史という社会的存在がいる分、全国的には岡田がコラムを出したり取材されたりして、FC今治の入り口を作っていて、今治では選手を中心に草の根活動を続けているという、いい面も悪い面、両側面あるのかなと感じています。

サッカーを通じて地域と連携し貢献したい。今治だからこそできる、アウェイツーリズム。

S noteでみた「今治で美味しいものを食べよう」これは次回今治行く際に活用したいです。

中島 もともとは、J3になったら今治の観光マップみたいなのをgoogle mapで作りたいとずっと思っていたんです。それは食事だけではなくて、この旅館が素敵だとか、ここの展望台は綺麗だとか、全国のアウェイサポーターが少なからず今治に来てくれることがあると考えた時に、「今治って何があるのかよくわからない」とか、「しまなみ海道って良いと聞いてたんだけど、何を参考にすれば良いのですか?」というのを無くしたかったのです。

地元みんなが持ってる情報をシェアすることで、みんながサッカーを中心にまちを楽しめることをやりたかったんです。それをいよいよできるなと思っていた矢先、試合が延期になってしまった。どうしようかと考えた時に、いずれにせよグルメ情報はいるなと思ってましたが、今飲食店の方々がとても困っているという声を多く聞き、テイクアウトとか通信販売とかを自分たちのオススメという形でまず第一弾として紹介しようとなりました。

それを見たファンや地域の方が、このお店テイクアウトやってたの?お持ち帰り出来るなら行くよとか、あの選手はうちの近所のパン屋さんに行ってたんだとか、少しでも安全に楽しんで、自分の街に誇りを持ってもらったりワクワクを届けられたりとか出来たら良いなと。

いずれは普通のグルメや観光情報にも広げていきたいと思っています。今少しずつ準備しているのは、ここはすごいい風景だよとか、そういう街の情報を積み上げていきたいなと考えています。

先日、夢スタのスタジアムグルメをオーガナイズして下さっている大木鉄兵さんと、人気ゆるキャラの「バリィさん」を生み出した会社の社長である西原孝太郎さんが、地元の飲食店が困ってるのを見て、バリメシテイクアウトというテイクアウトグルメのまとめ情報をfacebookで始められました。わたしたちももグルメマップをやろうとしている中、連携させてもらえたほうが相乗効果があるなと思い、大木さんに相談をしました。

バリメシテイクアウト

バリメシテイクアウトは情報は羅列されてるけど、マップにはなっていなくて、FC今治はマップにはなっているけど情報は羅列されていない。この2つをあわせれば、大きな今治のグルメマップになるのではないかと言う話になって、一つの大きなマップになりました。今後は大木さんたちと一緒に、少しずつ情報を加えてより価値のあるマップにしていきたいと思っています。

noteで「#今治でおいしいものを食べよう」というタイトルで記事も作成したのですが、過去のどの記事よりも一番見られています。かなり幅広い方に見ていただけているようです。反響はまだわかりませんが、これからファンの方や地元の方に愛されるように育てていくコンテンツの1つだと考えています。

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