「関係人口講座」の、その後。田辺に帰ってきました。

「関係人口講座」の、その後。田辺に帰ってきました。

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2022.08.06

和歌山県田辺市の関係人口講座「たなコトアカデミー」の修了生が、今年の6月に再び田辺を訪れました。この時季にしか経験できないことを通じて、講座でつながった地元の人々と関係人口との信頼関係はより深まったようです。その様子をレポートします。

何度でも訪れたい、 「あの人」がいるまちへ。

大好きなまちをもっと知って、何かあの人の役に立てたら──。関係人口がそのまちに通うのは、そんなやさしさや、何より自分が楽しむ気持ちが原動力になっているようだ。

2018年に始まった和歌山県田辺市の関係人口講座「たなコトアカデミー」(以下、「たなコト」)では、毎年多くの受講生が田辺市と出合い、地域の人々と顔の見える関係をつくってきた。そして2022年6月、「たなコト」の修了生が田辺を再訪することとなった。

紀州南高梅の一大産地である田辺市では、毎年この季節に梅の収穫期を迎える。人手が必要な忙しい時季に少しでも梅農家の力になれればと、修了生の有志が集まったのだ。

彼らは2021年度の「たなコト」第4期で製作した、地元の人々との関わりを記していく「関係マップ」を携え、講座を通じてつながった田辺のローカルプレイヤーを訪れた。

「たなコト」修了生と、山をテーマに地域との関わり方を考えるコミュニティ「熊野REBORN PROJECT」のメンバーが集まった。異なる切り口で田辺を楽しむ人々の交流から、また新しい関わり方が生まれそうだ。

顔が見えるからこそ育つ、 関係人口と住民の協力関係。

今回は計4日間ほどの期間中に、グループや個人など参加者の都合に合わせ、会いたい人に直接アポイントを取って会いに行った。『ソトコト』編集部が密着したグループではまず、田辺市龍神村で平飼い卵や地鶏を生産する『とりとんファーム』の石﨑源太郎さん・亜矢子さんご夫妻を訪問。「来て、見て、触れて、龍神村のファンになろう」を「関係マップ」のミッションに掲げる石﨑さんご夫妻のご案内のもと、龍神村での暮らしを体験した。『とりとんファーム』のこだわりの飼料や飼育環境について学び、自分たちが日頃食べているものについて考え直したり、石﨑さんご夫妻が管理する田んぼの草取り作業を手伝ったりと、龍神村の自然や暮らしを五感で楽しんだ。

地域の人からのミッションに挑戦し、絆を深めていく「関係マップ」。

翌日は朝早くから市内の梅農家2か所に分かれて、梅の収穫作業へ。『十秋園』の野久保太一郎さんを訪れたグループは、梅干しに使用する、黄色く熟して木から落ちた梅を拾う作業を朝からお昼まで集中して行った。『日向屋』を訪問したグループは、梅拾いのほか、梅酒やジュース用の青梅を摘む作業や、収穫した梅の選果、梱包作業までを行った。『日向屋』代表の岡本和宜さんは「この時季は毎日、畑に出て収穫作業をして体力を使うので、こうして手伝いに来てくれるとすごく助かる。初めての人でも作業がしやすいように、教え方を工夫しています」と話す。

最終日は、参加者同士で「振り返り」を行った。「田辺で知人・友人を案内するなら」というお題で、次回田辺でどんなことをしたいか、誰に会いたいかなど、参加者それぞれの視点でアイデアを出し合った。

今回田辺を訪れた関係人口が、また新たな田辺ファンを連れて再び帰って来る日もそう遠くはなさそうだ。

『十秋園』での梅拾い。
梅酒やジュース用の梅は、実が青いときに摘み取る。
熟すと黄色くなり、自然と地面に落ちる。梅干し用はこのタイミングで収穫。
地面に落ちた梅を網ですくう。
拾った梅は、異物を取り除くために一度水に浸ける。機械で運ぶほどの重量だ。
『とりとんファーム』で飼育される鶏。開放的な環境で生き生きと過ごしている。
最終的に自分が食べるものとして、鶏の飼料の由来までしっかり考え、自ら調合もする石﨑源太郎さんの話に耳を傾ける。
緑が生い茂る山々や川に囲まれた美しい景色が広がる龍神村。多様な生き物が生息し、松茸など天然の食材も豊富だ。
時間を忘れて作業に没頭する「たなコト」の修了生。
拾った梅の選果作業。傷のある果実を抜き取る。この日に初めて作業したとは思えないほど、慣れた手つきで捌いていく参加者たち。
昼食は市内のフレンチレストラン『Restaurant Caravansarai』のお弁当を頂いた。日中忙しい梅農家のために、この時季限定で販売している。
最後の振り返りワークの様子。「自分の友達に田辺を案内するなら」というテーマでアイデアを出し合った。
『日向屋』での作業の様子。こちらも和気藹々と会話を楽しみながら作業した。一番左が代表の岡本和宜さん。

photographs by Katsu Nagai   text by Yukari Shimamura (SOTOKOTO)

記事は雑誌ソトコト2022年9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。