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さまざまな関わり方があることで、まちが豊かになる。

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東北への移住をテーマとしたオンラインイベント、「東北暮らし発見塾」。東北のことを知るきっかけをつくり、東北ファンを増やすための取り組み「Fw:東北 Fan Meeting」(フォワード東北ファンミーティング)の一環で開催されています。2022年度第7回は宮城県女川町(おながわちょう)が舞台。「女川であたらしい挑戦の始め方を知る」というタイトルで行われ、20名が参加しました。

自由度が高く、ハードルは低い。女川だからできる“あたらしい挑戦”。

最初のインプット・トークは、3拠点をつないで行われました。須田善明(よしあき)・女川町長と移住者3名は、女川駅前の商店街『シーパルピア』にある『ガル屋』というビアバーに集合。移住コーディネーターの岩部莉奈(りな)さんとファシリテーターの原亮さんは『女川フューチャーセンターCamass』から、『ソトコト』編集長の指出一正はオンラインで参加しました。
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写真左上から時計回りに、ファシリテーターを務めた『エイチタス』代表の原亮さん、NPO法人『アスヘノキボウ』の岩部莉奈さん、『ソトコト』編集長の指出一正、須田町長をはじめ『ガル屋』の会場に集まったみなさん。
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ビアバー『ガル屋』に集った、須田町長(写真右)と移住者3人。クラフトビールを楽しみながら、和やかな雰囲気でトークが行われた。
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移住した目線から女川町がどう見えるのかを話すトークゲストの3名。写真左から原田直信さん、本多由羽さん、岡田龍人さん。
「ここ『ガル屋』は、人が集い、出会う場です。私も週に何度も来ていますし、新しいことにチャレンジしてみたいと女川に来る人は、まず『ガル屋』に来るんですよ。ここで人が交わることで、“化学反応”が起こるんです」と須田町長。移住者とガル屋で出会い、親しくなることもよくあるそうです。
女川町が行う「お試し移住プログラム」をきっかけに女川へやって来て、町内の保育所で保育士をしている本多由羽さんも、『ガル屋』で須田町長と出会いました。「町長に『ぜひ女川で保育士をやってみませんか?』と言っていただき、移住を決めました」と、本多さんは話します。
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女川町立『しおかぜ保育所』で保育士を務める本多さん。お試し移住プログラムを利用して移住した、最初のひとりだ。
また、2021年8月に女川町に移住した原田直信さんは、女川町が起業を支援する「創業本気プログラム」に参加して、この町での起業を決意しました。「当時は製薬会社に勤めており、創業本気プログラムの最終プレゼンで、町長から『ほんとうに会社を辞めるの!?』と言われたのが印象に残っています」と振り返る原田さん。『つなぐ』を立ち上げ、小学校や保育所でスポーツを通じて子どもたちの生きる力を養うプログラムを行っています。
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女川町の保育園と小学校で、子どもたちに体を動かす楽しさを伝える活動を行う原田さん。
「本多さんや原田さんのように、『お試し移住プログラム』や『創業本気プログラム』は、女川町とつながるきっかけになっていると思います。創業支援は各自治体でやっていますが、女川の場合は起業の条件がないのが特徴。いつ・どこで起業してもいいですよと、ハードルを下げています。あくまで学びの場として女川を使ってもらい、プログラムを通じて生まれる経験値とネットワークを大切にしたいと考えています」と須田町長は強調します。
移住者3人目は、『日立システムズ』に勤める岡田龍人さん。「女川町に初めて来たとき、温かさを感じました。社内公募で、女川町に移住して働くという話があり、『ぜひ行きたいです!』と立候補しました」。
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岡田さんも、町長と出会ったのは『ガル屋』だった。町長が気さくに話しかけてくれたことがうれしく、 ホッとしたという。
また、メイン会場の岩部莉奈さんも自己紹介を行いました。宮崎県出身で、大学時代に『アスヘノキボウ』でインターンシップを経験した岩部さん。「半年間女川に住んで、町長をはじめ、町の人の温かさに触れました。そのまま就職し、女川生活は5年目になります」と話します。
NPO法人『アスヘノキボウ』は、女川町の社会課題解決を通じて、日本・世界の社会課題解決に貢献することをミッションとする団体で、2013年3月に設立されました。「お試し移住プログラム」や「創業本気プログラム」の運営を行っています。「『アスヘノキボウ』は町と外との結節点になっていて、町にとって大きな存在です」と、須田町長は感謝をにじませました。
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『アスヘノキボウ』が行うワークショップの様子。写真右に立っているのは前代表の小松洋介さん。

人との出会い・つながりが連鎖するまち。

ここまでのやり取りを受けて、『ソトコト』編集長の指出一正は、「ビアバーでのトークは非常によい演出ですね。クラフトビールは、地域にさまざまな接点をつくり出すコミュニケーション・ツールでもありますし」とコメント。須田町長は、「まさに、ここ『ガル屋』で、外から来た人たち同士がつながったり、仕事のつながりが生まれたりするのを、たくさん見てきました。都市部のほうが人の数や出会いは多いのですが、実際につながる可能性は女川のほうが高いと思います。この町の価値はそこにあるのです」と力を込めました。
実際に本多さんも、原田さんとつながったことで、一緒に活動を行っているそうです。原田さんは、「何か相談したら力になってくださる方が多いですね。都会にいたときよりもいろいろな人と出会えて、つながりがたくさんできました。そんな方々と一緒にプログラムを進めています」と話します。
前半の総括として、指出は、「女川ではつながりが見えやすく、つながりの連鎖が起きやすいのですね。また、みなさん、居心地のよい場所として女川が好きなんだなというのが伝わってきました。その居心地のよい空気づくりを女川は綿密にやっていて、新しく町に来る人たちもその空気になじみ、それを広げていますね」と述べました。
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豊かな海、山、川に囲まれた風光明媚な港町・女川。
ここで、後半のブレイクアウト・セッションに向けて、移住者3名がメイン会場に移動。入れ替わりで『ガル屋』には、今年4月に『アスヘノキボウ』の代表に就任した後藤大輝さんが登場しました。「現在力を入れているのは、住宅のニーズ調査やマッチングと、教育に関する議論です」と後藤さん。それに対し須田町長は、「住居も教育も、まだまだ不十分な点はありますが、民間と行政とで補い合いながら改善していきたい」と応えました。また指出は、「教育は転換期にあるので、新しい形の教育を女川から発信することで、そこに共鳴する人を呼び込めるのでは」とコメント。さらにファシリテーターの原さんが「新しいスタートを切る、ということも学びの要素が大きいですよね」と付け加えました。
そんなやり取りが繰り広げられる中、移住者3人がメイン会場に到着。参加者を交えての「ブレイクアウト・セッション」に入り、移住者と参加者が小グループで交流を行いました。ブレイクアウト・セッション後、参加者からは、「まち全体に心理的安全性があることを感じます!」「まちに関わったり移住したりするハードルが低いのはありがたいです」といったコメントが寄せられました。最後に須田町長が「ぜひ女川の秋を楽しみに来てください!」と呼びかけて、無事に閉会。たくさんのつながりが生まれる女川町の雰囲気が伝わってくる2時間でした。
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『ガル屋』から移動した須田町長、移住者3名に加え、女川町議会議員の隅田翔さん(写真右手前)も飛び入り参加し、メイン会場はさらににぎやかになった。

今回の「結びの一言」は、須田町長のコメントより!

移住はそれなりにハードル高いと思いますので、気軽に女川町に来てもらえるように、いろいろな間口をつくっていきたいですね。女川に住まなくても、女川を活動の場にしてもらって、関わりを持ってもらえたらと。どんな形でもウェルカムなのが女川です。さまざまな関わり方・つながり方によって、まちが豊かになっています。

最新の情報は各種SNSをチェック。

次回「東北暮らし発見塾(利府校)」は11月29日(火)19:00~開催予定! 参加申し込みや最新情報は「Fw:東北 Fan Meeting」のfacebookページTwitterをご覧ください。
text by Makiko Kojima

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