田畑が広がる福岡県久留米市安武町。このまちにある使われていなかった直売所が、2017年より毎週土曜日に、近所に住むご近所さんたちで開く『そらまめ直売所』として活用されるようになった。採れたての野菜や手作りのお弁当を持ち寄るなどの賑わいを見せている。始まった当時は70代を中心としたメンバーで運営していたが、今では30代のママ世代が加わり、子どもを連れて直売所のレジに立ちはじめ、さらに近所に住むおじいちゃんたちが、同敷地内で地域食堂を開始した。
安武町には、以前から川や畑と共に生活し、採れた物を新鮮な状態で受け渡す者と、受け取る者の双方向の関係性を持つ生活スタイルがある。直売所を手伝う彼女たちには、自己実現や社会貢献といった感覚はない。そこにはただ、「地域で暮らす人を手伝う」という当たり前の習慣があった。直売所にいた、おあばちゃんは、「これからこそ、お隣さんとの関係が大切な時代なんよ」と語ってくれた。
毎週土曜日の9:00〜12:00まで営業。『そらまめ直売所』という名前の由来は、この町がそらまめの生産地であり、特産物であることから。直売所をきっかけに、住民同士の新たなつながり生まれている。
おきなまさひと
まちびと会社『visionAreal』共同代表。福岡を中心にまちづくりに関わる。毎週日曜日に、「ローカルをまじめにエンターテインメントする」をコンセプトにしたオンラインメディア「オンライン公民館」を配信中。