全国津々浦々、読めそうで読めない地名はたくさんあります。秋田県北部にある珍しい地名「笑内」もその一つ。『おかしない』と読みます。おかしないには、お土産としても人気のある美味しいお菓子があります。その名も「笑内」おかしないにおかしはある!?ややこしいダジャレのような話ですが、地名の由来と美味しいお菓子、地域の観光情報もあわせてご紹介します。
笑内の地名のルーツは北海道!?
秋田県の内陸北部、北秋田市にある地域「笑内」
「おかしない」と読みます。
地名であり、秋田県の内陸部を走るローカル線 秋田内陸縦貫鉄道の駅名でもあります。
読めなくてもついつい笑顔になりそうな字面です。
珍しい地名の由来ですが、実は「笑内」の『内』は、北海道の稚内(わっかない)の『内』と同じだという説があります。
秋田と北海道…いったいどういうことなのか、北秋田市生涯学習課文化係の学芸員 榎本剛治さんに聞きました。
『笑内の地名由来についてですが、江戸時代の紀行家である菅江真澄さんの記録では、北海道にもおかしないという地名があり、「ナイ」は沢の意味で、アイヌ人が住んでいたのではないかと記述しています。
江戸時代にはナイ=沢がよく知られていました。
アイヌ語研究家は、オ・カシ・ナイで「川沿いの仮小屋の沢」と解釈されています』
北秋田市は、狩猟を生業とし、山とともに生きるマタギ文化が色濃く残る地域。
地名の由来にアイヌの言葉が影響しているのかもしれません。
川は近くを流れる阿仁川だと考えられます。
「笑内」は、『川の近くにある小屋のあるところ』といったところでしょうか。
おかしないにおかしはある!
その「笑内」、”おかしない”と読みながら実は美味しいお菓子があります。
ダジャレみたいな話ですが見た目も可愛いらしいこのお菓子、その名もずばり「笑内」。
優しい味のチーズ饅頭です。
焼印のにっこり笑顔が可愛すぎて、どこから食べようか迷います。
パクリとかじると、チーズと白餡がちょうどいい甘さで美味しい!!思わず笑みがこぼれます。
地元のお菓子屋さんが、秋田内陸縦貫鉄道の駅名「笑内」に因んで作ったこのお菓子。
お茶請けにもお土産としても人気の商品です。
また、テレビのバラエティ番組で取り上げられて全国区となったバター餅は北秋田市のソウルフード。
もっちりとした食感と口溶けの良さ、ふんわり広がる甘さが人気ですが、元々は栄養があり腹持ちが良いことからマタギの保存食だったとか。
現在は、北秋田市内の10店舗が販売しています。
お店ごとに少しずつ味や歯応えが違うので、食べ比べをしてみても楽しいですね。
笑内駅のある秋田内陸縦貫鉄道は、角館と鷹巣を結ぶ94.2キロのローカル線。
車窓からの眺めは、日本の懐かしい原風景はもちろん、季節によっては田んぼアートや息をのむような美しい紅葉を楽しむこともできます。
まもなく、みちのくも桜の季節を迎えます。
魅力がいっぱいの秋田内陸縦貫鉄道で「笑内駅」を訪ねてみませんか?