筆者は岡山市に移り住んで約3年。地元人ではないからこそ、住んでみてビックリしたこともたくさんあります。今回はそんな岡山の素敵な“あるある”をご紹介。(タイトル写真/提供:岡山県観光連盟)
高級ぶどう「シャインマスカット」が数百円
岡山に引っ越してきて1年目の秋。とにかく果物のおいしさには感動しました。桃のイメージがあったのですが、ぶどうの種類の豊富さと、手頃な価格には歓喜。なかでも、テレビなどで芸能人やセレブが食べている印象があった「シャインマスカット」が、スーパーや直売所の果物売り場でずらりと平積みされているのにはビックリ。もちろんキレイに包装された数千円の贈答用もあるんですが、家庭用として袋入りで販売されているものは、量によっては数百円で手に入るんです。形が不揃いだったりもしますが、そんなこと気になりません!(笑) 自宅で気軽に、あのパリッとした歯ごたえと品の良い甘さが楽しめます。
毎日何かしらの「桃太郎」に会える
岡山といえば桃太郎です。桃太郎の伝説にまつわる遺跡や神社が数多く残っているのですが、日常生活でもさまざまな桃太郎と会うことができます。
陸と空の玄関で迎えてくれる桃太郎
JR岡山駅にある桃太郞像は、県外の方にもよく知られているのではないでしょうか。実はこれ、最近のニュースでも話題になっていましたが、現在建っているのは2代目なんだとか。初代は駅の改修工事の際に撤去され倉庫で管理されていたのですが、2021年5月、岡山空港に寄贈され復活したそうです。
足もとにも桃太郞!
岡山市内のあちこちで、ただ歩いているだけで見つけられるのが、桃太郎デザインのマンホール。下水道はもちろん消火栓の蓋にも、桃太郎があしらわれています。岡山市のホームページによると、1986年~1987年頃、景観美装化の一環で道路全体のイメージアップを図るために設置されたのがはじまりだとか。落ち込んだりイライラしたりしても、足もとに桃太郎を見つけた日にはちょっと元気になれるんです。
筆者一押しは貨物列車の桃太郎
鉄道好きの息子を連れてよく見に行くのが、貨物列車の桃太郎です。といってもこちらは、東海道・山陽線などで走っているJR貨物の機関車「EF210形式」。岡山以外、首都圏などでも見ることができるので、ご存知の方も多いのでは。愛称を「ECO-POWER桃太郎」というのですが、実はこの名前、所属する岡山機関区にちなみ公募で決定したのだとか。
ついにサイボーグまで登場
岡山県のホームページでは、「サイボーグ桃太郎」という動画を発見。これは2020年から岡山県政PR動画として公開されているもので、サングラスをかけた筋肉隆々の桃太郎がさまざまなスポーツに挑戦しながら、その魅力を紹介しています。「サイボーグ桃太郎」が誕生したきっかけを、岡山県の担当者にうかがいました。
岡山県総合政策局公聴広報課・那須さん
「県政の情報が届きにくい、若者への情報発信として、2015(平成27)年度から、アニメ、実写、漫才など、色々企画を工夫しながら、県政広報動画を制作し、YouTubeで配信しています。2019年度の新企画<2020年1月公開>として、岡山県出身で、アーノルド・シュワルツェネッガーなどの日本語吹き替えで人気の声優 玄田哲章さんを起用した、ハリウッド映画風動画を制作することとしました。未来から来たマッチョな『サイボーグ桃太郎』が、2020年オリンピックイヤーを迎え、スポーツへの気運と感心が高まる岡山県民へ、スポーツの魅力発信と、県民の運動不足の解消を目的に、岡山を本拠地とする『岡山リベッツ』(卓球)、『トライフープ岡山』(バスケットボール)、『全日本フリースタイルBMX連盟』(BMX)の3団体を紹介しながら、それぞれの競技の見どころや楽しさを、体を張って伝えます。『サイボーグ桃太郎』は、玄田哲章さんの独特の低音ボイスの魅力にマッチする、インパクトの強いキャラクターとすることで、話題性を意識して制作しました。視聴を集めるのが難しい自治体広報動画の中で、公開から多くの方に視聴をいただいています。(2021.3.31時点の視聴数123,270回)若者はもちろん、県外の方や玄田哲章さんのファンの方に見ていただき、テーマであるスポーツ、そして岡山に関心を持っていただければ嬉しいです」
(c)岡山県
晴れの国おかやま
そして岡山といえば、キャッチフレーズは「晴れの国」。岡山まるごと情報発信ポータルサイト「大好き!晴れの国おかやま」によると、このキャッチフレーズは1989年から使われているそうで、雨が少ない(降水量1mm未満の日が全国で最も多い)という理由のほか、温暖な気候や美味しいもの、自然が多いという魅力も「晴れ」という言葉に込められているとのこと。
傘はあんまり持たない?
雨が少ないというイメージからか、あまり傘を持ち歩かないという人も多いようです。でも実際は、晴れていても突然豪雨になる時もありますし、持ってないと困ることも。
どのくらいの降水確率なら傘を持って出るのか悩みどころですが、調べてみると面白い調査結果を見つけました。地元放送局・RSK山陽放送「JAグループプレゼンツ 笑味ちゃん天気予報」が、「降水確率何%で傘を持っていく?」という街頭調査を、岡山市北区表町で50人に実施しています。この調査によると
平均は…50.0%でした!
圧倒的に50%という意見が多く、17人もいました。
岡山は高い確率でないと持って行かないという意見が多く、
「岡山は晴れの国だから」という声や「半分くらいかなぁ」という意見が聞かれました。
70%でも、「自分がいるところは降らないんじゃない?」という感覚の人も!
他にこんな人もいましたよ。
・0%…常に持ち歩いている
・100%…持つのが面倒 車での移動が多いからRSK山陽放送「JAグループプレゼンツ 笑味ちゃん天気予報」 公式サイトより引用
という結果が出ています。注目したいのは降水確率もそうですが、「車での移動が多い」という理由。確かに岡山は車社会です。引っ越してくる前は年に数える程しか運転しなかった筆者も、岡山に住み始めてほぼ毎日運転するようになりました。考えてみると傘は持つというより車に置いていて、出番も少ないかもしれません。
とはいえ、当然ですが岡山にも雨は降りますし、2018年7月、倉敷市真備地区が浸水被害にあった西日本豪雨は、決して忘れてはならない災害の記憶です。魅力としての「晴れ」を大切に、次世代に受け継いでいくためにも。防災意識を持って暮らしていきたいと思います。