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浅間山の麓で始まった、国際フォトフェスティバル。

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第1回となる今回のテーマは「TRANSFORM イメージの化学」。自然豊かなまちに現れた、体験型のフォトフェスティバルへようこそ。

 近年、日本各地で行われている、地域と密着したさまざまなアートイベント。そんななか、今年9月14日に、標高2568メートルの活火山・浅間山の麓のまち、長野県・御代田町を中心に、アートフォトに特化した芸術祭が開幕した。その名も、「浅間国際フォトフェスティバル2019」。「五感を刺激する写真体験」をコンセプトとし、「文化・高原公園都市」を掲げる御代田町と、ビュジュアルコミュニケーション事業を展開する『アマナ』が合同で開催するもの。御代田町から世界へ、地域と写真の魅力を発信する。

 主な会場は3つ。メイン会場である『メルシャン軽井沢美術館跡地』のある御代田エリア「PHOTO MIYOTA」と、長野県・軽井沢町にある『軽井沢プリンスホテル イースト』の敷地内で開催する軽井沢エリア「PHOTO KARUIZAWA」、そして群馬県・長野原町の『浅間火山博物館』と『ルオムの森』で開催している軽井沢エリア「PHOTO KITAKARUIZAWA」だ。公共交通機関を駆使して各エリアを巡ることもできなくはないが、時間を気にせずにゆっくりと観たい人は車を使うのが最適だろう。

左/本エキシビションディレクターで、『IMA』のエディトリアルディレクターの太田睦子さん。室内の作品は、CHARLES FREGERの「CIMARRON」。右/奈良原一高「〈王国 Domains〉沈黙の国、〈ヨーロッパ 静止した時間〉」 。
左/本エキシビションディレクターで、『IMA』のエディトリアルディレクターの太田睦子さん。室内の作品は、CHARLES FREGERの「CIMARRON」。右/奈良原一高「〈王国 Domains〉沈黙の国、〈ヨーロッパ 静止した時間〉」 。

 このフェスティバルの醍醐味は、御代田町およびその周辺の豊かな自然や文化を借景とし、国内外のアーティスト55組による計728点の作品を、屋内外問わず、それぞれのスタイルで掲示していること。例えば、ウクライナ生まれの写真家・ウィージーの作品「Coney Island」は、米国・NYのコニーアイランドのビーチに集った群衆を撮影した報道写真だが、これを12メートル×9メートルという強大なサイズにプリントし屋外に設置したことで、まるで浅間山の麓に集まる人々のようにも観ることができる。また、来場者が群衆の一員になれる仕掛け(作品に穴が開いていて顔を出すことができる)が施されるなど、”観る”だけではなく”体感”できる作品が多々あり、写真の持つ受容性と多様性が存分に生かされている。

左/WEEGEE「Coney Island」 。右/町民の方々を撮影した作品「500 PORTRAITS」。
左/WEEGEE「Coney Island」 。右/町民の方々を撮影した作品「500 PORTRAITS」。

 展示は11月10日まで。近い将来このまちに設立予定だという写真美術館『御代田写真美術館(Miyota Museum of Photography、通称MMoP)』がどのようにまちと、作家とに育まれていくのか今から楽しみだ。

『浅間国際フォトフェスティバル 2019』
会期:2019年9月14日(土)〜11月10日(日) 会期中無休10:00〜17:00(最終入場 16:30)
会場:長野県・御代田町ほか周辺各所 https://asamaphotofes.jp

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