総合近江牛商社グループ(代表:西野立寛)は滋賀県内にてマーケティングを得意とする企業で、外食事業(焼肉店3店舗、精肉店1店舗、FC1店舗)、中食事業(製薬会社向け宅配弁当)、食肉卸食肉加工事業、観光事業(道の駅や高速道路SAにて土産品販売)ペットフード事業、美容事業を展開するベンチャー企業です。株式会社岡喜商店(代表取締役:岡山和弘)は、初代1839年岡山庄七が家畜を売買することから創業した老舗企業であり、国内飲食事業5店舗、海外飲食事業1店舗・精肉販売事業・食肉加工事業・牧場事業を経営しています。現在は、株式会社岡喜商店、有限会社岡喜牧場、ビーフスタイルオカキ株式会社、株式会社オカキブラザーズフーズ、株式会社おかきキッチンファクトリーの5社で岡喜グループを形成しています。両社は2020年5月7日にアライアンス契約を締結し、総合近江牛商社が保有する子牛を業務委託により岡喜牧場が30ヶ月程度に及ぶ肥育を行うプロジェクトをスタートしました。
市場が安定しない近江牛の流通にフロントランナーとして一手を打つ形になります。総合近江牛商社グループの代表西野さんは「滋賀県の畜産を第一線で支える老舗企業との連携で地域創生に大きな役割を持つ」と言います。
【近江牛畜産プロジェクトとは】
岡喜牧場にて血統別にセレクトされた子牛を総合近江牛商社グループが購入しオーナーとなることで牧場経営の新たなビジネスモデルの構築が可能となります。
“導入時の子牛の価格”と“生産に係る費用”を足した金額で枝肉代の価格を算出するという、販売時の格付や相場は全く加味しないモデルです。
牧場経営の課題点として、
- 子牛を購入した時点の相場と、販売する時点での相場に開きがあるという点
- 常の農作物が最低でも1年に一回できるのに対し、牛は生後30ヵ月(2年半)以上の月日をかけて生産するため非常にキャッシュフローが悪いという点
- 市場環境・労働不足問題など外部要因に大きく左右されるという点
が挙げられます。
今回のプロジェクトは、上記の牧場経営における課題解決と更に牧場経営基盤を強固にします。また滋賀県内の六次産業化を加速度的に進める上で、課題となる多額の投資や専門的知識をマーケティングを得意とするベンチャー企業との連携でクリアします。総合近江牛商社は、「近江牛を多角的に世界一のブランドへ」と謳い、国連提唱の持続可能な開発目標であるSDGsを軸に食品ロスから商品開発を行うなど、滋賀県内での地方創生に尽力しています。
株式会社岡喜商店、代表取締役岡山さんは、「卸売業が専門で得意先の精肉店に岡喜牧場から卸すことを専業に長い間、日陰の中で商売を続けてきました、当然のことながら、卸した『岡喜牧場生産:近江牛』の名前は、得意先の精肉店では『近江牛』として売られ『岡喜』の名前は消えました。
近年は“日陰“から”日向“を目指すべく直営の飲食店の出店や精肉店の出店をしていきましたが、その後も、金融破綻によるバブル崩壊、BSE問題、口蹄疫問題、ユッケによる食中毒事件など様々な困難が続きました。この間も、近江牛を生産する岡喜牧場は荒波の中経営を続けてまいりました。もちろん、引き続き卸売りの得意先とも取引を続けているところですが、自助努力として直営店も増やして参りました。その中で更なる成長と後世100年以上の明るい畜産業に対し今回のプロジェクトをキックオフ致しました。
生産者(岡喜牧場)は、大きな利益はでません。しかしながら確実に利益がでること、確実に買っていただけることで、安心して生産活動ができます。また、総合近江牛商社グループと共に活動することで『近江牛:岡喜』の名前が“日向“で活動できるという大きなメリットがあります。また購買する側は、牛のオーナーとなり屠畜するタイミングや、屠畜する段階から色々な販売手法が可能になることで同業他社との差別化をはかることができる。更に、相場が急激に高騰した時も安定した量を安定した価格で調達することができる等々メリットがあります。そして、生きた牛のオーナーでありながら、初期費用は掛からないというメリットも大きい。今後、お互いの長所を活かし、短所を補いあう取り組みとして、このような取り組みが広がればと考えています」と話しています。
【近江牛畜産プロジェクトによる地方創生とは】
今回のプロジェクトにより総合近江牛商社グループが目指すのは、以下の通りです。
- 県内学生アルバイトを多く雇用するため食育環境としても滋賀県ブランド和牛を学ぶ機会創出
- より安定した品質と価格による近江牛の供給を可能とし、全国近江牛消費額を増大させることが可能
- 牧場経営新ビジネスモデル構築の一翼を担うことで今後の滋賀県内畜産流通革命の礎となる