近年、移住先としての人気が高まっている島根県では、2019年度に3700人の移住者を受け入れています。その人気の要因としては、「子育てのしやすさ」(合計特殊出生率 全国2位・保育所数/10万人あたり 全国2位)、「働きやすさ」(平均帰宅時間の早さ 全国2位)、「暮らしやすさ」(スーパーマーケット店舗数 全国1位)などが挙げられます。島根県は、観光地としてだけでなく、移住先としての魅力をより多くの方々に知っていただくべく、多様な情報発信に努めています。そこで、この度は島根県での「自営就農」を目的としたIターン・Uターンを手厚くサポートするため、島根県立農林大学校が2021年に【就農準備コース】を新設します。
島根県では、年齢や経験の有無にかかわらず、就農を目指すすべての方々が就農準備や住居の不安なく就農できるよう、研修内容・農地・住居・販路・経営モデル等をひとまとめにした「包括的就農パッケージ」を用意しています。
「包括的就農パッケージ」を活用した就農までのイメージ
1. 就農相談:東京・大阪等で開催される相談会、現地での農業体験プログラム(1泊2日)など
2. 体 験:UIターンしまね産業体験事業(3ヶ月~1年間)など
3. 入 学:島根県立農林大学校(1年~2年)
4. 就 農:担い手育成経営体、独立・自営就農
上記のような流れのなかで、就農に必要な知識・技術を身につける場として重要となるのが「島根県立農林大学校」です。昨今、自営就農希望者が増加している状況に鑑みて、同校では卒業後すぐの自営就農を目標とした「就農準備コース」を2021年に新設します。
2021年新設!「就農準備コース」とは
栽培に加え自ら経営も行う”自営就農”を目標とした本コースでは、農業経営についても学ぶべく、基礎講義のほか農業新技術(スマート農業)やマーケティング・流通、会計・ファイナンス、マネジメントなどのプログラムを用意します。就農にあたっては在学中から農地確保、機材整備、就農計画作成などを市町村や農協・農家など各関係機関と連携してサポートします。
もっと早く就農したい!2020年に「短期養成コース」設立
さらに、2020年には短期養成コース(1年コース)を設立しています。卒業後すぐに島根県内の農業経営者となることをめざす社会人経験者などを対象にした個別カスタム型カリキュラムで、就農準備コース同様、栽培+経営に必要な知識・技術を短期間で身につけられるコースです。入学前に県内市町村と相談して就農予定地を決めて就農ビジョンを確定させるうえ、予定地での実践研修も行うため、移住~研修~就農までの流れが明確。卒業後すぐの就農に向けて安心して学ぶことができます。
ほかにも!「島根県立農林大学校」の特長
確実に就農できる
自営就農にむけて農業科では、市町村包括的就農業パッケージにもとづくリースハウスや空きハウス斡旋制度、農業次世代人材投資資金(経営開始型150万円×5年間)など支援制度が充実しています。島根県の就農パッケージは、就農希望者が、相談→研修→移住→就農のすべてのステップで、総合的に支援を受けられる応援体制のこと。この就農パッケージと島根県立農林大学校が密接に連携し、「すぐに自営就農できる」を実現させています。
安く学べる・安く暮らせる
農林大学校は入学検定料2200円、入学料5650円、授業料月額9900円。県立高校と同額。エアコンやWi-Fiを完備した個室の寄宿舎(学生寮)は、月額1万円前後。健康的な食事を出す学生食堂もあります。
午前は講義/午後は実習で即戦力がすぐ身につく
農林大学校の一日は、午前に座学(講義)、午後が実習(実技)という時間割がほとんど。農業科には、有機農業・野菜・花き・果樹・肉用牛の各専攻があり、専攻によってはビニールハウス1棟を1人で責任管理するといった実践に即したプログラムで、即戦力を身につけられます。
今、注目されているスマート農業も各種完備
自動操舵トラクター、ドローンによる病害虫防除、リモコン除草機、ICT対応ハウス、環境モニタリングなども各種採用し、遠隔監視や自動環境制御の分野についても学ぶことができます。
もうひとつの選択肢、島根県「担い手育成経営体」
島根県には、独立・自営就農をめざす研修生を一時的に雇用し、働きながら独立に向けて学ぶことができる法人等(担い手育成経営体)が県内に19あります。卒業後、まずはこの19の経営体に就職し、いずれ自営就農をめざす人も少なくありません。
卒業生の声
小平亮介さん(写真左):ぶどう農家/大阪府出身/地元の農業高校を卒業後、島根県にIターン
「この品種で農業経営者になる!」と思う品目や品種が見つかるのが、農林大学校の最大の強みですね。あと、卒業生同士では今でも交流があります。横のつながりだけでなく、縦のつながりができるのも自営農家としては心強いです。
田代稔さん(写真右):ぶどう農家/東京都出身/東京の元SE、島根県にIターン
県立農林大学校は、農協(JA)や市町村とのつながりはもちろん、農家のさまざまな情報が集まってきます。私は農林大学校在学中に、今使用している農地(ハウス10連棟)が空いてることを知ることができたため、卒業と同時に独立した農業経営者(自営就農)としての第一歩を踏み出せました。こうした手厚いサポートも、農林大学校の大きな強みだと思いますね。