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木曽漆器の新たな可能性。漆塗りのハーレーダビッドソンが完成、塩尻市内を巡回展示します

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長野県塩尻市の木曽平沢地区は日本有数の漆器の産地です。木曽平沢で生産される漆器は「木曽漆器」と呼ばれ、美しさと丈夫さを兼ね備えた日用品として400年以上の長きに渡り全国で親しまれてきました。

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木曽漆器×ハーレーダビッドソン

この度、木曽漆器に伝わる伝統的な漆塗り技法や新たに開発された皮革製品への漆塗り技法などを施したパーツを組み込んだアメリカのオートバイ「ハーレーダビッドソン」が完成しました。ベースとなった車両は、1960年代にアメリカで製造された「パンヘッド」と呼ばれるタイプのエンジンを搭載したマニア垂涎のクラシックハーレーです。木曽漆器によるパーツが装着されたことで、現在注目されている和洋折衷のスチームパンクスタイルを感じさせる1台に仕上がっています。

今回の取り組みは、木曽平沢「未空うるし工芸」社長の岩原裕右氏が中心となり、長野県の飲食サービス業等新型コロナウイルス対策応援補助金を活用して行われました。ハンドルバー、タンク、リアフェンダー(泥除け)、シフトレバーは木曽漆器の伝統的な技法で塗られている一方、ハンドルグリップ、サドル(シート)は皮革製品に漆塗りを施すという新しい技法を使用しています。

岩原氏によると「木曽漆器を全国にPRするため、春以降は関東で行われるイベントにも参加したい」とのこと。場所によっては自走して出かけることも考えているそうです。また「一般的に漆器は紫外線に弱いとされているが、あまり神経質にはならず漆塗りの経年変化による味わいも見て欲しい」と今後の展望を語ってくださいました。

2月以降、塩尻市内の各所において巡回展示される予定です。詳しいスケジュールなどについては、塩尻市観光協会公式ホームページのほか、Twitter、Facebook、Instgramなどでもお知らせされます。

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タンクは金箔の上に漆を塗装する「白檀」という技法が用いられており、独特の輝きを放っています。

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サドルは岩原氏が展開するjaCHRO(ジャックロ)というブランドの皮革製品への漆塗り技術を応用したものです。

木曽漆器について

塩尻市木曽平沢地区で生産される木曽漆器は、400年以上の伝統を有する日本を代表する漆器の一つです。木曽堆朱や木曽春慶などの技法に代表される美しさに加えて、塩尻市奈良井地区から採取される「錆土(さびつち)」を活用した漆による堅牢さが大きな特徴です。1975年には経済産業省の伝統的工芸品に指定されました。また、2006年には木曽平沢地区の街並みが「漆工町木曽平沢」として、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

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