「毎月生理(月経)がある女性は誰でも、自覚している、していないにかかわらず、かくれ貧血の可能性があります」と教えてくれたのは、産婦人科医の池袋真先生。かくれ貧血とは何か、その対策となるセルフケアについても伺いました。
自分の生理情報は知ることから
・生理が始まった日から次の生理が始まる前日までの期間を指す『生理周期』
・次の生理が始まる約2週間前の『排卵日』
・一番最近の生理が始まった日が『最終生理日』
・どれくらいの頻度で生理用品を変えているかなどでチェックする『経血量』
・色や形などの『経血の状態』
・理由が分からず出血している『不正出血』の有無
生理の情報と貧血の症状でジャッジする
□1時間に1回のペースで生理用品を替えている
□日中も夜用の生理用品を使っている
□寝ている間に経血が漏れていることがある
□生理の期間が長い
□生理と生理の間にも出血がある(不正出血)
□疲れやすい
□立ちくらみやめまいが起こることがある
□慢性的に頭痛が起こる
□眠れないことがある
□イライラしたり、落ち込みやすかったり、メンタルが不安定気味
ひとつでもチェックが入る場合はかくれ貧血の可能性があります。セルフケアを始める前に、まずは婦人科を受診しましょう。
かくれ貧血の原因を調べてから対策する
例えば、トイレに行く頻度は一般的には2時間に1回のペースなのですが、生理期間は1時間に1回は行かないと経血の漏れが心配になる場合は、経血の量が多いことが考えられ、それが貧血の症状につながっている可能性があります。ということは、経血の量が多くなっている理由を知ることが、かくれ貧血の対策になります。
例えば、婦人科の診察や超音波検査で原因を調べた際、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープがあると分かることもあります。子宮筋腫などは経血量が多くなる原因になります。また不正出血がある場合には、子宮内膜の検査を行い精査が必要なケースもありますし、体内の鉄の状態を知ることができるフェリチン量を測る、ホルモンの状態を調べるなど、血液検査などを行うなど、適切な対応をいたします。
かくれ貧血の原因には病気が隠れている可能性もあるため、自己判断はせず、婦人科を受診して原因をきちんと調べましょう。
そして、日々の生活の中でセルフケアを実践するためにも、かくれ貧血につながっている原因を知ることは必要ですので、気になることは遠慮せず、医師に質問してください」
不足しがちな鉄分をきちんと補う
体内にある鉄分のうち約65%は血液中のヘモグロビンの構成成分となり、酸素運搬をする働きがあります。生理がある女性の場合、年齢によって多少の差はありますが、1日に10~12mgが必要だと言われています。
鶏や豚のレバー、あさり、小松菜、ほうれん草などの鉄分を多く含む食品を積極的に食べること、サプリメントを活用して補うのもおすすめです。栄養素の中でも鉄分は不足しがちなので、意識して取り入れるようにしてください」
●日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本思春期学会性教育認定講師、日本メンズヘルス医学会テストステロン治療認定医。福岡大学医学部医学科卒業後、昭和大学医学部産婦人科学講座に入局。『女性医療クリニックLUNA』にて、婦人科をはじめ、トランスジェンダー外来の診療を行っている。
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