ローカルグッド、ソーシャルグッドな活動をそれぞれの形で楽しみながら行い、ワクワクする未来を想起させてくれるU30の皆さんを紹介。
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目標は、栗園のオープンと 周囲の人たちと楽しく暮らすこと。
小学生のときの栗拾いの行事で、みんなで食べたり配ったりしたすべてが楽しく、農業に興味をもったという大沼ほのかさん。思い出の栗園が閉園したことから、「あの場所を取り戻したい」と強く思うようになった。『宮城県農業大学校』で農業を学び、農家研修でのちに“師匠”となる阿部博之さんと恵美子さん夫妻と出会い、その人柄や自由なスタイルに魅せられ、就農を決意。卒業論文では大好きな栗について書き上げ、2019年春に卒業して故郷の宮城県・南三陸町で就農した。念願の栗園づくりは、苗木を植えたものの原因不明で2年連続で枯れてしまい、土壌分析をしたり、全国の栗の産地へ足を運んだりして研究を重ね、2023年春にもう一度挑戦する予定だそう。「栗は変わらず大好きで、入谷地区に栗園がほしいと今も思っています」と、情熱を燃やし続けている。一方で、農園キッチンカーや地域での活動にも力を注ぐ。「私の目標は、栗園のオープンと、周囲の人たちと楽しく暮らして南三陸町で死ぬことなんです(笑)。地域の人たちはもちろんですが、自分が楽しめているかどうかを大切にしています。目標の実現のためには仲間をつくり、人に来ていただき、地域でお金を得ていないといけません。いつか入谷地区に農作業などができる『体験型カフェ』をつくり、農を身近に感じられる地域をつくっていきたいとも思っています」。
農園キッチンカー 『自然卵のクレープ from大沼農園』
就農の翌月から、両親が経営する養鶏場の地鶏卵「卵皇」を使った、クレープを提供するキッチンカーを運営している。大沼さんが自ら栽培した桃、かぼちゃ、さつまいも、ブルーベリーなどを使ったクレープは大人気。出店情報はQRコードからアクセスできるInstagramへ。
入谷の里山活性化協議会
南三陸町のなかで内陸にあり、昔ながらの美しい田園風景が残る入谷地区に関わる5団体で2021年10月に発足。農体験やものづくり体験ができる地域にするため活動中。大沼さんは5団体の一つ『南三陸農工房』のメンバーとして、イベントの企画・運営を行う。
text by Miho Soga & Yoshino Kokubo
記事は雑誌ソトコト2023年1月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。