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事業部だより

「ローカル三匹が行く」第1話 東京都世田谷区尾山台で、地域を巻き込むことの大変さと楽しさを知る。

ソトコト事業部

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自治体からの依頼で関係人口創出のための講座など企画・運営を担当している『ソトコト』事業部の新人ディレクター3人が、謎の人物・キミネリからのミッションに奮闘しながら人と出会いローカルを知る少しドタバタの“関係人口”コメディストーリー。新コーナー初回は東京都世田谷区尾山台の『おやまちプロジェクト』を訪れます。

2022年3月某日、『ソトコト』編集部の会議室。

事業ディレクター・ナカムラ、シマムラ、イトウの3人がああでもない、こうでもないと議論しています…が、完全に行き詰まっている様子。

ナカムラ 「そろそろ来年度に向けて新しい企画を考えないと…」

???
「やあやあ、困っているようだね」

3人
「誰!?」

??? 「ぼくの名前はキミネリ。ぼくの元には日々ローカルにまつわる情報が集まってくるんだ。今回、ローカルについて学びたい君たち3人にぴったりなミッションがあるんだけど、引き受けてくれないかい」

シマムラ 「どんなミッションですか?」

キミネリ「以前『ソトコト』で取材した東京都世田谷区尾山台『おやまちプロジェクト』の高野雄太さんの相談に乗って来てほしいんだ」

イトウ 「相談くらいなら! 面白そうだし」

シマムラ
「せっかくだからやってみましょう」

キミネリ「ありがとう。それじゃあ健闘を祈っているよ」

女子二人の意見で即決し、ナカムラも二人につられて出かける準備を始めます。

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東京都世田谷区尾山台にある商店街「ハッピーロード尾山台」を拠点に活動する『おやまちプロジェクト』。商店街に店舗を構える『タカノ洋品店』の三代目で『尾山台商栄会商店街振興組合』理事の高野雄太さんと東京都市大学都市生活学部の学生を中心に、商店主や地域住民を巻き込んで地域づくりを実践しています。

2021年12月には『タカノ洋品店』を自分たちでリノベーションして、地域の人が気軽に集まれるコミュニティスペース「タタタハウス」としてリニューアルオープンしました。1階のカフェスペース奥の階段から上がれる2階の「リビングラボ」は無料で開放しており、「もともと居住スペースだったので入りづらい場所ですが、気兼ねなく使って欲しい」と高野さん。今は一角を都市生活学部のゼミ生が研究室代わりに使っています。

2016年から始まった『おやまちプロジェクト』ですが、発足当初のゼミ生は社会人に。「タタタハウス」には尾山台に住み続ける都市生活学部の卒業生がふらっと遊びに来るなど、地域にとって好循環が生まれています。

東急大井町線の尾山台駅に降り立った3人。「ハッピーロード尾山台」は駅の目の前にあります。早めに着いたので商店街を散策してから、待ち合わせ場所の「タタタハウス」へ突撃!

店舗の前には高野さんらしき後ろ姿が。

3人 「高野さん、こんにちは!今日はよろしくお願いします!」

高野さん 「あ、駅の反対側から来ると思いませんでした」

ナカムラ
「ちょっと商店街を散策していました。賑わっていますね」

高野さん
「新年度なので、東京都市大学生が一番多い時期です。ゴールデンウィークが明けると、力の抜き方を覚えて学生の数も落ち着きますが(笑)」

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『おやまちプロジェクト』代表の高野雄太さん。家業を継ぐ前は広告代理店で働いていたという経歴の持ち主。
高野さんに「タタタハウス」を案内してもらった後、2階の「リビングラボ」に移動して、キミネリから託された本題に入ります。
高野さん 「商店街が歩行者天国になる16時から18時までの時間帯で、毎週水曜日に『つながるホコ天プロジェクト』という活動をしています。地域の人が顔見知りになるきっかけをつくれないかと、東京都市大学の学生さんと一緒にさまざまなイベントを企画しています」

ナカムラ 「なぜそんなことを?」

高野さん 「僕たちが目指しているのは地域のコミュニティマネージャー。路上でのイベントはあくまで地域の方とのコミュニケーションのきっかけと考えていて、会話を通じて『おやまちプロジェクト』を知ってもらえれば次につなげることができるんです。」

シマムラ 「おもしろそうですね!たとえばどんなイベントをしているんですか?」

高野さん 「コロナ前は路上にテントを張ってキャンプをしたり、新年には書き初めをやったり。今は大規模なイベントはできないので、けん玉やお手玉を使っています」

イトウ 「けん玉やお手玉だと、子どもや高齢の方の参加が多そうですね」

高野さん 「そうなんですよ、他世代の参加が少なくて。あとイベントの内容がマンネリ化してきたこともあって今回キミネリさんに相談したという訳です」

シマムラ 「こたつを置いてみたらどうですか」

高野さん 「冬だったらいいかもね」

イトウ 「ダンスパフォーマンスとか人が集まりそう」

ナカムラ 「誰か踊れる?」

4人
「……」

高野さん 「…。時間になったのでとりあえずやってみましょうか!」

ここからは東京都市大学都市生活学部のゼミ生も合流して一緒に準備を進めます。
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意外な特技を披露するイトウ。学生時代に飲食店のアルバイトで黒板メニュー書きの経験があるとのこと。
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開始と同時にやってきた常連の子どもたちと一緒に人工芝を広げる。最先のいいスタートと思いきや…。
3人 「……」
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高野さん 「ただ立ってるだけじゃだめですよ。声をかけたりしないと」
その後、道行く人たちに声をかけるもなかなか会話のきっかけをつかめません。
3人 「ゴニョゴニョ…」

高野さん 「??」

3人 「それだ!」

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2階の「リビングラボ」に戻って模造紙を広げてペンで何やら描き始める3人。
ナカムラ 「最近『ソトコト』で注目している新しい関係人口のあり方のひとつに『地域内関係人口』というものがあります。商店街をひとつの地域と捉えて、地域住民と商店街の関係性をアンケートしてみるというのはどうでしょう」

高野さん 「いいですね!『おやまちプロジェクト』としてもいいリサーチデータになりそうです」

店舗の奥からホワイトボードを引っ張り出して模造紙を貼り付けます。
そして再び商店街へ……

すると、積極的に声がけをした甲斐もあり、最初は戸惑っていた通行人も次第に足を止めてアンケートに答えてくれるように。

「行きつけのお店があるから、それって関係人口?」
「就職で上京して尾山台に住んでいる。近所の人と仲良くなりたい」
「日頃から買い物をする場所だけど、意外に深い関わりはないかも」
「大学の後輩を連れて商店街を案内していました。あそこのメロンパンがおいしいんですよ」

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アンケートをきっかけに地域住民と会話ができるように。
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素通りしがちな友達連れの大学生も、呼びかけてその中の一人だけでも関心を示すと他の友達も一緒に話を聞いてくれる。コツがつかめてきたぞ。
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犬に癒やされるシマムラ。犬の散歩をしている人が多い。
気がつくと歩行者天国終了の18時。急いで撤収作業を終え、「リビングラボ」で都市生活学部ゼミ生と一緒に反省会をします。

ゼミ生 「大学生はなかなか足を止めてくれないので、今回は大きな収穫でした。アンケート内容を変えれば何度でも楽しめそう」

高野さん 「いつも同じメンバーで固定のコミュニティになっていたので、新しい人が参加してくれたことが、普段とは違う人が立ち止まってくれたきっかけになりました。ありがとうございました!」

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アンケート結果はこちら。「タタタハウス」に掲示してもらえるとのこと。
何とか初めてのキミネリからのミッションをクリアした3人。

今回のミッションでは、『ソトコト』で仕事をしていると見落としがちでしたが、地域に関心があるという人ばかりではないということが分かりました。その一方で、全く関心がない訳ではなく、きっかけがあれば地域と関わってくれるようになる可能性があるということを学びました。

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東京都市大学都市生活学部のゼミ生と一緒に。地域に興味がある者同士、世代を超えてすっかり意気投合。
ソトコトオンラインの新コーナー「ローカル三匹が行く」では、事業ディレクターの3人に依頼したいミッションを募集しています!自治体、まちづくり団体、NPO、一般企業など規模や形態に制限はありません。

「人手が足りないので手伝ってほしい」「困っていることがあって相談に乗ってほしい」「地域の魅力を発信してほしい」など、お気軽にお問い合わせください!ミッションをクリアする当日の様子を取材させていただき、後日ソトコトオンラインにて事後記事として掲載させていただきます。

ご依頼は下記まで。

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