自治体からの依頼で関係人口創出のための講座など企画・運営を担当している『ソトコト』事業部の新人ディレクター3人が、謎の人物・キミネリからのミッションに奮闘しながら人と出会いローカルを知る少しドタバタの“関係人口”コメディストーリー。新コーナー初回は東京都世田谷区尾山台の『おやまちプロジェクト』を訪れます。
事業ディレクター・ナカムラ、シマムラ、イトウの3人がああでもない、こうでもないと議論しています…が、完全に行き詰まっている様子。
??? 「やあやあ、困っているようだね」
3人 「誰!?」
??? 「ぼくの名前はキミネリ。ぼくの元には日々ローカルにまつわる情報が集まってくるんだ。今回、ローカルについて学びたい君たち3人にぴったりなミッションがあるんだけど、引き受けてくれないかい」
シマムラ 「どんなミッションですか?」
キミネリ「以前『ソトコト』で取材した東京都世田谷区尾山台『おやまちプロジェクト』の高野雄太さんの相談に乗って来てほしいんだ」
イトウ 「相談くらいなら! 面白そうだし」
シマムラ「せっかくだからやってみましょう」
キミネリ「ありがとう。それじゃあ健闘を祈っているよ」
女子二人の意見で即決し、ナカムラも二人につられて出かける準備を始めます。
2021年12月には『タカノ洋品店』を自分たちでリノベーションして、地域の人が気軽に集まれるコミュニティスペース「タタタハウス」としてリニューアルオープンしました。1階のカフェスペース奥の階段から上がれる2階の「リビングラボ」は無料で開放しており、「もともと居住スペースだったので入りづらい場所ですが、気兼ねなく使って欲しい」と高野さん。今は一角を都市生活学部のゼミ生が研究室代わりに使っています。
2016年から始まった『おやまちプロジェクト』ですが、発足当初のゼミ生は社会人に。「タタタハウス」には尾山台に住み続ける都市生活学部の卒業生がふらっと遊びに来るなど、地域にとって好循環が生まれています。
店舗の前には高野さんらしき後ろ姿が。
高野さん 「あ、駅の反対側から来ると思いませんでした」
ナカムラ 「ちょっと商店街を散策していました。賑わっていますね」
高野さん 「新年度なので、東京都市大学生が一番多い時期です。ゴールデンウィークが明けると、力の抜き方を覚えて学生の数も落ち着きますが(笑)」
ナカムラ 「なぜそんなことを?」
高野さん 「僕たちが目指しているのは地域のコミュニティマネージャー。路上でのイベントはあくまで地域の方とのコミュニケーションのきっかけと考えていて、会話を通じて『おやまちプロジェクト』を知ってもらえれば次につなげることができるんです。」
シマムラ 「おもしろそうですね!たとえばどんなイベントをしているんですか?」
高野さん 「コロナ前は路上にテントを張ってキャンプをしたり、新年には書き初めをやったり。今は大規模なイベントはできないので、けん玉やお手玉を使っています」
イトウ 「けん玉やお手玉だと、子どもや高齢の方の参加が多そうですね」
高野さん 「そうなんですよ、他世代の参加が少なくて。あとイベントの内容がマンネリ化してきたこともあって今回キミネリさんに相談したという訳です」
シマムラ 「こたつを置いてみたらどうですか」
高野さん 「冬だったらいいかもね」
イトウ 「ダンスパフォーマンスとか人が集まりそう」
ナカムラ 「誰か踊れる?」
4人 「……」
高野さん 「…。時間になったのでとりあえずやってみましょうか!」
高野さん 「??」
3人 「それだ!」
高野さん 「いいですね!『おやまちプロジェクト』としてもいいリサーチデータになりそうです」
すると、積極的に声がけをした甲斐もあり、最初は戸惑っていた通行人も次第に足を止めてアンケートに答えてくれるように。
「行きつけのお店があるから、それって関係人口?」
「就職で上京して尾山台に住んでいる。近所の人と仲良くなりたい」
「日頃から買い物をする場所だけど、意外に深い関わりはないかも」
「大学の後輩を連れて商店街を案内していました。あそこのメロンパンがおいしいんですよ」
ゼミ生 「大学生はなかなか足を止めてくれないので、今回は大きな収穫でした。アンケート内容を変えれば何度でも楽しめそう」
高野さん 「いつも同じメンバーで固定のコミュニティになっていたので、新しい人が参加してくれたことが、普段とは違う人が立ち止まってくれたきっかけになりました。ありがとうございました!」
今回のミッションでは、『ソトコト』で仕事をしていると見落としがちでしたが、地域に関心があるという人ばかりではないということが分かりました。その一方で、全く関心がない訳ではなく、きっかけがあれば地域と関わってくれるようになる可能性があるということを学びました。
「人手が足りないので手伝ってほしい」「困っていることがあって相談に乗ってほしい」「地域の魅力を発信してほしい」など、お気軽にお問い合わせください!ミッションをクリアする当日の様子を取材させていただき、後日ソトコトオンラインにて事後記事として掲載させていただきます。