『サラヤ』が取り組む、社会環境のデザイン。

『サラヤ』が取り組む、社会環境のデザイン。

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2022.04.05

「ヤシノミ洗剤」をはじめとする“人と環境にやさしい”製品で知られる『サラヤ』。創業から70年、ビジネスを通じて社会をよりよくしたいという一貫した思いがあるという。『サラヤ』の廣岡竜也さんに話を聞いた。

手洗いという、 社会課題の解決の道へ。

普段、私たちは知らず知らずのうちに『サラヤ』の製品に出合っている。たとえば、駅や公共施設のトイレを意識して見てみると、手洗い石けんのディスペンサーや便座クリーナーの容器に「SARAYA」の文字を見つけられる。このコロナ禍においては、建物の入口に設置された手指自動消毒スタンドのほか、アルコール手指消毒剤もよく見れば『サラヤ』の製品だったりする。

石けんのみならず『サラヤ』の製品開発は多岐にわたるが、実は、すべての製品に創業以来変わらぬ思想が貫かれている。同社広報宣伝統括部統括部長・廣岡竜也さんは70年の歴史をひもとく。

「戦後の日本は劣悪な衛生状態が続き、赤痢などの伝染病によって多くの命が失われていました。創業者の更家章太は、その現状を変えようと挑戦します。当初は赤痢に対して治療薬をつくりたいと考えたものの、莫大な開発費がかかるうえに、結果としてできた薬が高価になっては買えない人が出てしまう。誰もが等しく、病気の脅威から逃れるためにはどうしたらいいか?そこで発想をがらりと転換し、”予防”という観点でアプローチします。感染予防の基本、手洗いに着目したのです」

当時、手洗い場にある固形石けんは黒く汚れ、それ自体が衛生的な問題をはらんでいた。また盗難の恐れもあった。そこで更家氏は、ヤシ油(ココヤシ)を原料に手洗いと同時に殺菌・消毒できる日本初の薬用石けん液を開発。さらに多くの人が清潔な状態で石けん液を適切に使えるように、ワンプッシュで石けん液を供給する容器も開発した。

「さらに、手洗いを習慣づける啓発活動にも力を入れ、『病菌は口から 口へは手から』といった標語を掲示して手洗いの大切さを広めました。ソフトとハードを同時に世に送り出している点が興味深いですよね。これで社会を変えるんだという信念があったからだと思います。更家が目指したのは、製品を通じた社会課題の解決。今で言う”社会環境のデザイン”を無意識に実践し、大切にしてきたとも言えます」

「衛生」分野を柱に事業をスタートした『サラヤ』は、同様に「環境」「健康」も重要なテーマととらえた。三重県熊野市で代々林業を営む家に生まれた更家氏は、熊野の深い山や清流に親しんで育ったことから、環境に配慮した自然にやさしい製品開発に取り組んだ。それが「環境」を重視する企業のDNAとなった。さらに、「衛生」「環境」とリンクする人間生活に不可欠な要素として「健康」を重視。「衛生・環境・健康」という3本の柱が、次第に明確になっていった。

「環境」における象徴的な製品が1971年発売の「ヤシノミ洗剤」。石油系合成洗剤による河川の汚染が社会問題となった中、『サラヤ』は業界に先駆け、洗った後の排水がすばやく生分解される植物系の食器用洗剤を事業所向けに発売した。それが給食センターの職員の間で「手が荒れなくていい。家でも使いたい」と話題になったことを受け、今ではおなじみの家庭用が1979年に誕生した。

1952年、『サラヤ』は手洗いと同時に殺菌・消毒できる日本初の薬用石けん液を開発。(写真提供:『サラヤ』)

天然素材にこだわり、 ごまかしのない製品づくり。

「物をきれいにするはずの洗剤が自然を汚しているという社会課題を解決したいという思いが、強い動機になっています。メーカー側には実は製品のコストを下げるために香料や着色料を添加したいという事情があります。しかし当社は手肌と環境のためにも洗浄機能に不要なものは一切排除し、合成香料や着色料を入れることなく、精製度の高い高品質の原料を選び、無色透明を実現しています。流通の現場では、他社製品より知名度が低いのに価格が高いと叩かれ、営業マンは苦労したようですが」

「ヤシノミ洗剤」は1982年に画期的な取り組みとなる食器用洗剤で日本初の「詰め替えパック」を発売。増え続けるゴミの少量化と省資源にいち早く対応した結果だった。さらに業界を驚かせたのは、1993年のステンドグラス風ボトルへのデザイン変更。製品の命であるブランド名を極力目立たなくし、インテリアに調和して長く使ってもらえるように一新。そのコンセプトは最新のボトルにも受け継がれている。

2004年には、原料生産地の社会課題も見過ごせないと、パーム油の主要生産国であるマレーシア・ボルネオ島の環境保全に乗り出した。パーム油は約85パーセントがインスタント麺やスナック菓子の揚げ油、チョコレートなど食用に使用されており、化粧品や洗剤などの非食用は15パーセントほど。巨大企業がひしめく洗剤業界で『サラヤ』が使う量はその中でもごくわずかだが、現・社長の更家悠介氏は持続可能なパーム油の生産と活用のために注力した。「ヤシノミ洗剤」をはじめとするパーム油関連ブランドの売り上げの1パーセントを、環境NPOの『ボルネオ保全トラスト』を通じて環境保全に還元している。

「社長はボルネオの環境問題に気づいた直後、自ら現地を視察し、ゾウの救出や熱帯雨林だった土地を買い戻すなどのさまざまなプロジェクトを立ち上げました。同時に、環境や生産する人々の人権などに配慮した持続可能なパーム油の生産と利用を目的にした国際NPO『RSPO』に、日本に籍を置く企業として初めて加盟。最近では名だたる大企業もメンバーに加わっています。高品質な製品を提供したい。その製品づくりの背景でもきちんと責任を果たしたい。これはサラヤのものづくりの一貫した姿勢です」

「健康」分野の代表的な製品「ラカントS」も、社会環境デザインの発想から生まれたと言えるだろう。先代社長の更家章太氏は、高度経済成長に伴って糖尿病が増えていくことを重大な社会課題ととらえ、ここでも”予防”に貢献する製品づくりに取り組んだ。それが砂糖に代わる甘味料の開発だ。

1993年に中国・桂林にのみ自生するウリ科の果実である羅漢果に出合い、甘味成分の研究と抽出技術を確立。これらの技術を独占することなく開放し、桂林の産業発展に貢献した。1995年に日本初のカロリーゼロの天然甘味料として発売された「ラカントS」は、カロリーゼロ甘味料のトップブランドに成長。現在では、病者だけでなく、美容や健康、ダイエットなどの健康的な食生活の向上に寄与している。

「ラカントにしても、当社にとっては人工ではなく天然というのは絶対条件。だからこの分野の草分けになれたのかもしれません。ラカントは『これもサラヤの商品だったんですね』とよく言われるアイテム。衛生・環境・健康において新しい習慣をデザインする。そんな当社の思想が強く込められている商品だと思います」

『サラヤ』が70年かけて形にしてきた社会環境デザインを、改めて暮らしの中で体感してみたい。

「製品には消費者目線に基づく会社の強い思いが必要」と廣岡さん。
幅広いウイルスや細菌に効くアルコール手指消毒剤「ハンドラボ」、ジェルから液体に変わる新感覚の手指消毒ローション「アルソフト」、薬用石けん液「シャボネット」、「ウォシュボン」など、「衛生」関連商品が充実。
1971年の誕生以来、40年以上変わらぬコンセプトの「ヤシノミ」シリーズは、「環境」のサラヤを象徴する製品。酵母の発酵により生み出す天然洗浄成分を配合した「ハッピーエレファント」などもある。
「健康」分野の主力製品が「ラカント」シリーズの食品。羅漢果の高純度エキスとトウモロコシの発酵から得られる天然甘味成分・エリスリトール、2つの天然素材から作るカロリーゼロの自然派甘味料。

『サラヤ』広報宣伝統括部 統括部長 / 廣岡竜也
ひろおか・たつや●芸術大学卒業後、広告代理店を経て2001年『サラヤ』入社。「ヤシノミ洗剤」「ラカントS」などのブランドを手掛ける。


photographs by Yusuke Abe  text by Koh Watanabe

記事は雑誌ソトコト2022年5月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。