人気上昇中!若者にも広がる「農レジャー」とは!?

人気上昇中!若者にも広がる「農レジャー」とは!?

2022.07.06

遠出などの機会が減り、レジャーの楽しみが減ったコロナ禍で、屋外で密にならずに体を動かすことができる気軽な遊びの一つとして、貸農園で畑作業を楽しむ人が増えています。市街地に住んでいる人が手軽に野菜作りを楽しむことができるシェア畑の「市民農園」の数も増え続けており、人気の場所はキャンセル待ちも出るほどと言います。筆者の居住地域である岐阜でも、市民農園の開園は増加傾向で、「市民農園」のほかに、農業の専門家に教えてもらえる「体験型農園」も順次開園しています。今回は、「農レジャー」が広がっている現状と、「市民農園」を友だち同士で借りて野菜づくり楽しむ若者達に話を聞いてみました。

全国的に増加し続けている「市民農園」

「市民農園の設置状況の推移(出展:農林水産省)」。市民農園の農園数、区画数ともに増加傾向。

「市民農園」は最近のシェアリングサービスの先駆けともいえます。平成5年度と比較すると、令和2年までに、「市民農園」の農園数は区画数とともに約3倍に伸びています(上グラフ参照)。

政府も、「990年の「市民農園整備促進法」、2005年の「改正特定農地貸付法」、2018年の「都市農地貸借法」などの法制度を次々と行っており、市民農園の新規開拓を後押ししています。「市民農園」を運営する団体は様々で、JAの他に、最近はは企業やNPO法人なども加わっているため、今後もさらに伸びていきそうな予感がします。

コロナ禍で人気の「農レジャー」とは?

「2021 年度 野菜と家庭菜園に関する調査」(出展:タイキ種苗株式会社)。現在家庭菜園をしている人のうち、コロナ禍になってから始めた人が4割を占めた。

「市民農園」の人気に拍車がかかったのは、“コロナ禍”の影響もありそうです。タイキ種苗株式会社が行った調査によると、現在の家庭菜園実施者のうち、「コロナ禍になってから家庭菜園を始めた」が全体の約4割を占めています。

「農園(市民農園など)参加人口の性・年代別構成比(2019年・2020年)」(出展:『レジャー白書2020』

『レジャー白書2021』(公益財団法人 日本生産性本部)においても、2020年の余暇活動の参加人口上位40種目中、「園芸、庭いじり」は11位となっており、前年度2019年の16位と比べても順位が上昇しています。このことからも、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う外出自粛要請や「ステイホーム」などが、身近なレジャーである農作業への関心を後押ししている可能性が高いのではないかと考えられます。参加する年齢層も2020年度は10代~30代で構成比の上昇が見られます。

筆者が住む岐阜エリアの市民農園も、特に市街地にある園は人気が高く、常に空きがない状態が続いているほどです。また、InstagramなどのSNSを見ていても、友だち同士で市民農園を借りて「農レジャー」を楽しむ若者が増えている印象で、遊びの一つとして定着してきている実感があります。

実際に、「農レジャー」を楽しむ若者たちに話を聞いてみた

岐阜市の市民農園を借りて野菜作りを楽しむ渡辺さんたち(Instagram @aozr_yasai より)。

今年、岐阜市の市民農園を借り、友だち同士で借りて、Instagram(@aozr_yasai)で情報発信をしている、渡辺諒さん、藤村龍磨さん、平尾京士さん、松原光駿さん4人に、実際にどのように楽しんでいるのか話を聞いてみました。

4人が市民農園を借りたのは、2022年4月。高校の同級生で、ご飯に行ったりする遊び仲間だったそうですが、「こんな時代だから、自分たちの食べるものくらい自分たちで作れるようになったら強いかも」という話になって畑を始めたとのこと。“副業”というものにも興味があったそうで、「将来的に自分たちで育てた農産物を道の駅とかに出品できたらいいな」という目標もあるそうです。

『JAぎふ』に相談したらすぐに借りられた「市民農園」

渡辺さんたちのグループは2区画を借り、それぞれが休みの日に交代で農園管理に訪れている。

4人が、畑仕事をやってみたいと考えた時、まず最初にしたのは、『JAぎふ』への問い合せだったそう。市民農園を借りたい旨を伝えると、担当者がすぐに空いている場所を探してくれ、現地まで来て、畑作りの初歩的なノウハウを教えてくれたと言います。

野菜作りに関しては初心者だったので、最初は何もわからない状態からのスタートだったそうですが、水のやり方、土の作り方などをある程度聞く事ができたので、あとは自分たちで見よう見まねで始めることができのだとか。

「まだまだ分からないことが多くて、YouTubeなんかを見ながら試行錯誤しています。そんな不安をJAに相談したら、農業講習会があることを教えてもらって、今度みんなで参加することにしました。市民農園はサポートも豊富なので心強いです」

『JAぎふ』の農園事業の現在

『JAぎふ』が管理する市民農園「MSG(マイサニーガーデン)」。

JAぎふの農園事業は、令和3年(2022)4月現在その数は26農園になっています。平成25年(2013)に、市街化区域農地に対して、岐阜市が補助金を設けてまずは5農園を開設。市民農園を「MSG(マイサニーガーデン)」と名付け、現在も開園し続けています。

「MSG(マイサニーガーデン)」では、基本的に園主と利用者は賃借関係を結び、利用者が独自に作業を行う場所です。前述の渡辺さんらも「MSG(マイサニーガーデン)」を借りていらっしゃいましたが、常に指導が入る訳ではないので、初心者の彼らにはどうやって野菜を育ててよいのかわからず、ハードルが高い部分もあったそうです。

そんな声もあり、『JAぎふ』は、平成27年(2015)に、必要な苗種や農道具の準備や専門家に教えてもらえる「MLG(マイラーニングガーデン)」という体験型農園も立ち上げました。決められた作物を育てることにはなりますが、栽培指導をしてもらえるので、初心者がまず最初に学ぶ場所としては重宝されています。現在、「MLG(マイラーニングガーデン)」は管内に3箇所。問い合せも多いのだと言います。

その他に『JAぎふ』は、農園付き戸建賃貸住宅にも力を入れており、様々な手段で、関心が高まっている畑仕事にふれあう機会を創出してくれています。

畑仕事を始めたいと思っている方へ

最初は失敗もある畑仕事。試行錯誤して収穫できた時の喜びはひとしお。

畑仕事がしたくても、家に農地がない場合、多くの人は市民農園を借りることになります。現在、市民農園の数は増え続けているため、「借りたい」と思ったらまずは近くの市民農園を運営する母体に問い合せをしてみるのが一番です。

ただ、実際に市民農園を借りて畑仕事を行う渡辺さんは、「借りて苗を植えてみたはいいけど、虫食いは発生するし、わからないことだらけです。僕たちはYouTubeをみながら試行錯誤をしていますが、相談できる畑仕事に慣れた方を見つけておくと心強いと思います。あとは、草刈りなども結構大変なので、僕たちみたいに何人かで借りて、交代で畑の様子を見にいくというのも一つの手だと思います」と教えてくれました。

畑仕事は、一朝一夕で上手くいくものではありません。失敗を繰り返して学ぶ姿勢も必要になるため、根気はいるが、何度か繰り返すうちに野菜が収穫できて達成感を味わえるのではないかと思います。そして、それよりもおいしい野菜を育てたくなって再度追求が始まり、奥深さにハマる人が多いのだと感じました。

野菜作りをしたいと考えているあなた、まずは、一歩踏み出してみることをおすすめしたいです。

■農園空き状況および入園申し込みについて 
空き状況:「JAぎふホームページ 農園情報」で検索
入園申込:JAぎふホームページ 農園情報内掲載 問い合わせ先の支店
    
上記以外について
JAぎふ 相談部  資産相談課(058-265-3627)

写真・文:各務ゆか
取材協力:JAぎふ、aozr_yasai