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サスティナビリティ

『LitteratiJapan』代表|二宮あみさんが選ぶ、SDGsと地球環境に触れる本5冊

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二宮あみさんが主宰するビーチクリーン団体の発信は、いつもポジティブ。SNSを使ってゴミ問題をおしゃれに、前向きに発信することで、若い世代の共感を得ています。そんな二宮さんの心をつくり、ポジティブな活動や発信の源泉となった本を紹介していきます。

二宮あみさんが選ぶ、SDGsと地球環境に触れる本5冊

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(左上から時計回りに)2.『アミ 小さな宇宙人』/1.『On the Beach 1』/3.『環境にやさしく 人にもやさしく』/4.『思考の整理学』/5.『もったいないばあさん』 
 琉球大学の学生時代に『Litterati Japan』というビーチクリーンを行う団体を立ち上げ、4年が経つ今も活動を続けています。海岸にポイ捨てされたゴミを拾い、それをインスタグラムにアップすることで、ゴミに関心を持ってもらうという活動です。活動に共感してくれた方々もゴミを拾い、写真をアップしてくれています。

 そんな活動のなかで出合ったのが、ヨーガン・レールの『On the Beach 1』です。自身が暮らしていた石垣島の浜辺で拾ったゴミからつくったランプシェード作品の数々を写真で紹介しつつ、ゴミで覆われた浜辺の風景の写真も掲載されています。

 心が揺さぶられました。と同時に、もやもやしたなにかが残りました。もやもやの正体は、「美しいのにゴミ」という矛盾でしょうか。浜辺にゴミは落ちていないほうがいい。けれど、拾われてアップサイクルされたランプシェードはこんなにも美しいのか。この複雑な感情が、もやもやとなって心の底に”沈殿“したのだと思います。

 でも実は、このもやもやが大切なのです。もやもやの正体は何なのだろうと、考えるきっかけになるからです。そして、アートにはその力があることを、私は『On The Beach 1』から感じ取りました。この本を読んで、あるいは見て、心にもやもやが沈殿してきたら、その正体を探ってみてください。環境問題への意識が変わるかもしれません。

 もう一冊は、『アミ 小さな宇宙人』です。ペドゥリートという男の子が、地球にやってきた宇宙人・アミと星々を訪ねる物語。この本を読むまで、私はゴミ拾いをしている自分を素直に発信することができませんでした。「いい子ぶってる」と思われるのが嫌だったのかもしれません。自分のなかにある善意ややさしい気持ちとうまく向き合えなかったのです。環境への意識が高くすぐ行動に移せる人たちはそれができるのかもしれませんが、私を含む「普通の人」には難しいこと。

 でも、『アミ 小さな宇宙人』を読んだらそういう気持ちがなくなり、善意ややさしい気持ちを隠したりせず、素直に発信できるようになりました。ゴミ拾いの活動に自信が持てるようになったのです。アミが示してくれるのは、やさしい世界。ネガティブではなく、ポジティブなものの見方。誰かのせいにしたり、誰かを攻撃したりするよりも、「だったらこうしようよ」と人や物事のいい面を見つけ、応援することで世界を変えていこうと思わせてくれます。ぜひ、読んでみてください。

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二宮あみ(にのみや・あみ)●『Litterati Japan』代表。「海ごみ0アワード2019」アイデア部門環境大臣賞受賞。プロジェクト『マナティ』ディレクター。群馬県生まれ、沖縄県在住、25歳。「自分と地球に優しい選択肢を増やす」を軸に置いた、環境活動に取り組む。
photographs by Yuichi Maruya text by Kentaro Matsui
記事は雑誌ソトコト2021年9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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