東京から熊本県・南小国町に移住し、地域づくりの事業のマネージメント部分に携わる安部千尋さん。たくさんの本から5冊に絞って、内容やテーマとの関連を聞かせてくれました。選んだ基準は、「答えが見つからないところへ向かっていくときに読んでほしい本」です。
2019年に『SMO南小国』に入社し、地域での起業や新規事業の支援を行う「未来づくり事業部」が立ち上げられ、責任者に任じられました。私一人の部署だったので「チームをつくらねば」と必死になっていたときに読んだのが、『君に友だちはいらない』でした。
安部千尋さんが選ぶ、ローカルプロジェクトのアイデア本5冊
チームづくりに関する本で、何かを成し遂げたいなら”お友だち“を大勢集めてくるのではなく、少数精鋭で、互いの能力を補完し合えて、達成したい「共通のゴール」を持っているメンバーを集めなさいと書かれています。こうすればこうなるという即効性のあるアドバイスではありませんが、エピソードをしっかりと読むことでチームづくりに臨む姿勢が理解でき、参考になりました。
副題が、「The Best Team Approach to Change the World」とあるように、少々”マッチョ“な印象も否めませんが、私はまず変えるべきは事業に取り組む人々のマインドだと思っています。地域には聡明な方も多いし、SDGs的な取り組みも以前から行っていますから、それに価値づけをして事業資金を得るとか、事業の仕組みを横に展開するなど、価値を高めるためのマインドの変換を行うべきだと考えています。
最近ある人から、「地域の活動はマイクロコスモスに閉じやすい」と言われました。つまり、活動が地域のなかで閉じてしまいがちだと。共感する部分もあります。ほかの地域や他分野の人たちと連携し、”面“として強くなる必要もあるでしょう。そうした幅広い視点を養うには、著者の”マッチョ“な思想も大事だと感じました。
2冊目の『世界は夢組と叶え組でできている』はふわっとしたイラストの表紙ですが、きっぱりした文章と主張でそのギャップに驚かされます。やりたいことがある人を「夢組」、その夢が叶うように手伝う人を「叶え組」と分けていますが、そこに優劣はなく、両方がいて物事は実現すると著者は述べています。自分はどっちの組にあてはまるのか、さらに自分はどういう人間なのか「過不足なく把握せよ」と迫られます。ただ、どちらの組の人でも成長すると、「叶え組」だった人が夢を見つけて「夢組」に移ったり、「夢組」が「叶え組」を支えたくなったりと、変化することもあるので、人生の節目や分かれ道に立ったとき、自分のことを振り返って見つめ直すために読んでみてください。私は2度目の転職をするタイミングで読み、励みになりました。
副題が、「The Best Team Approach to Change the World」とあるように、少々”マッチョ“な印象も否めませんが、私はまず変えるべきは事業に取り組む人々のマインドだと思っています。地域には聡明な方も多いし、SDGs的な取り組みも以前から行っていますから、それに価値づけをして事業資金を得るとか、事業の仕組みを横に展開するなど、価値を高めるためのマインドの変換を行うべきだと考えています。
最近ある人から、「地域の活動はマイクロコスモスに閉じやすい」と言われました。つまり、活動が地域のなかで閉じてしまいがちだと。共感する部分もあります。ほかの地域や他分野の人たちと連携し、”面“として強くなる必要もあるでしょう。そうした幅広い視点を養うには、著者の”マッチョ“な思想も大事だと感じました。
2冊目の『世界は夢組と叶え組でできている』はふわっとしたイラストの表紙ですが、きっぱりした文章と主張でそのギャップに驚かされます。やりたいことがある人を「夢組」、その夢が叶うように手伝う人を「叶え組」と分けていますが、そこに優劣はなく、両方がいて物事は実現すると著者は述べています。自分はどっちの組にあてはまるのか、さらに自分はどういう人間なのか「過不足なく把握せよ」と迫られます。ただ、どちらの組の人でも成長すると、「叶え組」だった人が夢を見つけて「夢組」に移ったり、「夢組」が「叶え組」を支えたくなったりと、変化することもあるので、人生の節目や分かれ道に立ったとき、自分のことを振り返って見つめ直すために読んでみてください。私は2度目の転職をするタイミングで読み、励みになりました。
あべ・ちひろ●東京都港区役所を経て地方創生などを行う『RCF』に転職。東北の起業・新規事業創出やNPOの政策提言を担当。2019年4月に熊本県南小国町に移住し『SMO南小国』にて起業・新規事業創出、コワーキングスペース運営などに携わる。
photographs by Yuichi Maruya
text by Kentaro Matsui, Sumika Hayakawa, Emiko Hida, Reiko Hisashima,
Fumi Itose, Yoshino Kokubo & Keiko Suzuki
text by Kentaro Matsui, Sumika Hayakawa, Emiko Hida, Reiko Hisashima,
Fumi Itose, Yoshino Kokubo & Keiko Suzuki
記事は雑誌ソトコト2022年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
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