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特集 | まちをワクワクさせるローカルプロジェクト

地域おこし協力隊サポートデスク専門相談員|野口拓郎さんが選ぶ、ローカルプロジェクトのアイデア本5冊

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野口拓郎さんも務めていた地域おこし協力隊隊員は、地域を盛り上げるためのローカルプロジェクトを実践したり、サポートしたりすることが任務だ。今は隊員や自治体職員の相談に応える野口さんが、「悩みが解消されれば」とすすめる5冊がこちら。

地域おこし協力隊の活動にはトラブルがつきもの。なかでも挙げられるのが、受け入れ自治体の担当者とのトラブルです。解決するには双方が歩み寄る姿勢が大事ですが、隊員は連綿と受け継がれる役所・役場の「文化」が理解できなければ、歩み寄り方さえわかりません。
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(左上から)1.『アオアシ』/2.『公務員1年目の教科書』/3.統計から読み解く47都道府県ランキング─消費・子供・スポーツ編/4.センスは知識からはじまる/5.Dr.STONE

野口拓郎さんが選ぶ、ローカルプロジェクトのアイデア本5冊

僕は新卒で地域おこし協力隊隊員になったので一般企業のルールを知らず、ましてや自治体の独特の物事の決め方や判断の下し方を理解するのには時間がかかりました。初歩的なことを言えば、隊員は地域でやりたいことがあり、まわりの人が「それ、いいね」と言ってくれたら実行に移せるものだと思っていましたが、そのためには事前に企画書や代表者の承認が必要であるように、自治体では何事においても手続きが重視されることさえ知りませんでした。
 
隊員になる前にこの『公務員1年目の教科書』を読んでおけば、行政の仕組みやルール、仕事の進め方などを知っておくことができ、地域に入ってからも戸惑うことは少なくなるはずです。地域おこし協力隊の任期は3年間。長いようで短い期間を有意義に使うためにも、予備知識を持って地域に入っていってほしいです。公務員関係の本はたくさんあるので、この本に限らずいろいろと読めば幅広い知識が身につくでしょう。

『アオアシ』は、主人公が選手としても人間としても成長していくサッカー漫画で、キーワードになっているのが「言語化」です。自分がしたいプレーのイメージを言語化して仲間に伝え、理解してもらう重要性を監督が指導します。いい連係プレーをするためには言葉で理解し合うことが必要だというのは地域おこしの世界も同じ。地域のお年寄りや子どもたちにもわかる言葉で伝えられるよう、日頃から自分の考えやイメージを言語化する練習、例えば隊員仲間と質問し合ったりするのも大切。漫画では、インタビューを受けると自分の思いが言語化されるとスポーツライターが言っています。
 
また、多くのサッカー漫画の主人公はフォワード(ストライカー)ですが、この漫画の主人公は監督の指示で途中からサイドバック、つまりディフェンスに転向させられます。初めは嫌がりますが、次第に自分の適性ポジションはサイドバックだと認めるように。地域おこし協力隊隊員も全員がフォワードではなく、各自に適性ポジションがあることを、自分も、担当者も、地域の人も理解しながら活動を進め、チーム一丸となって結果を出してほしいです。

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のぐち・たくろう●地域おこし協力隊サポートデスクの専門相談員として活動中。そのほかに大学教育や公民館支援、住民自治、移住促進などを担い多業を行っている。2011年〜 14年においては地域おこし協力隊として活動。趣味はスポーツ観戦と漫画。
photographs by Yuichi Maruya
text by Kentaro Matsui, Sumika Hayakawa, Emiko Hida, Reiko Hisa shima,
Fumi Itose, Yoshino Kokubo & Keiko Suzuki
記事は雑誌ソトコト2022年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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