野口拓郎さんも務めていた地域おこし協力隊隊員は、地域を盛り上げるためのローカルプロジェクトを実践したり、サポートしたりすることが任務だ。今は隊員や自治体職員の相談に応える野口さんが、「悩みが解消されれば」とすすめる5冊がこちら。
野口拓郎さんが選ぶ、ローカルプロジェクトのアイデア本5冊
隊員になる前にこの『公務員1年目の教科書』を読んでおけば、行政の仕組みやルール、仕事の進め方などを知っておくことができ、地域に入ってからも戸惑うことは少なくなるはずです。地域おこし協力隊の任期は3年間。長いようで短い期間を有意義に使うためにも、予備知識を持って地域に入っていってほしいです。公務員関係の本はたくさんあるので、この本に限らずいろいろと読めば幅広い知識が身につくでしょう。
『アオアシ』は、主人公が選手としても人間としても成長していくサッカー漫画で、キーワードになっているのが「言語化」です。自分がしたいプレーのイメージを言語化して仲間に伝え、理解してもらう重要性を監督が指導します。いい連係プレーをするためには言葉で理解し合うことが必要だというのは地域おこしの世界も同じ。地域のお年寄りや子どもたちにもわかる言葉で伝えられるよう、日頃から自分の考えやイメージを言語化する練習、例えば隊員仲間と質問し合ったりするのも大切。漫画では、インタビューを受けると自分の思いが言語化されるとスポーツライターが言っています。
また、多くのサッカー漫画の主人公はフォワード(ストライカー)ですが、この漫画の主人公は監督の指示で途中からサイドバック、つまりディフェンスに転向させられます。初めは嫌がりますが、次第に自分の適性ポジションはサイドバックだと認めるように。地域おこし協力隊隊員も全員がフォワードではなく、各自に適性ポジションがあることを、自分も、担当者も、地域の人も理解しながら活動を進め、チーム一丸となって結果を出してほしいです。
text by Kentaro Matsui, Sumika Hayakawa, Emiko Hida, Reiko Hisa shima,
Fumi Itose, Yoshino Kokubo & Keiko Suzuki