『電気湯』4代目店主・大久保勝仁さんの選書

特集 | 有識者たちが選ぶ未来をつくる本|サスティナブル・ブックガイド | 『電気湯』4代目店主・大久保勝仁さんの選書

2022.11.19

(左から)1. 団地のはなし ─彼女と団地の8つの物語 / 2. サバルタンは語ることができるのか

1. 団地のはなし ─彼女と団地の8つの物語

小説家の山内マリコさんによる団地での暮らしを海外留学生の視点で書いた短編をはじめ、団地をテーマにした8つの物語が収められています。団地が持つ特徴を鑑みると、実は銭湯に近いのかもしれないと思いました。

著者:東京R不動産(著・編)
出版社:青幻社

2. サバルタンは語ることができるのか

地域あるいは他者への介入の仕方に対して、自己批評の目を忘れないようにしなければならないというのがこの本の主題だと捉えています。このマインドは、地域で何かを起こしたり、場所をつくったりする際に欠かせないものです。

著者:G・C・スピヴァク、上村忠男(訳)
出版社:みすず書房

3. 住む ─〈ふるさと〉の環境学

谷川俊太郎さんが責任編集の「住む」をさまざまな側面から捉え、その考えを示した本です。この本を読んでいなかったら、『電気湯』は今のような地域密着型ではなく、そこから離れたものになっていたかもしれません。

著者:谷川俊太郎、石牟礼道子、内田雄造、鈴木忠志、原広司
出版社:平凡社

4. 手話を生きる ─少数言語が多数派日本語と出会うところで

手話がいかに言葉として異質なものに捉えられているかなど、手話や手話を取り囲む状況を説明してくれる本です。銭湯もそうですが、日常的にいろいろな人に接する際に思いやりを持てるようになる一冊だと思います。

著者:斎藤道雄
出版社:みすず書房

5. 空間のために ─偏在化するスラム的世界のなかで

生活空間を論じる際には、自分の身をもって空間の質感を感じ、その空間について根本的に考えなければいけないという篠原雅武さんの姿勢に共感。『電気湯』のミッションやビジョンを考えるうえで一番参考にした本です。

著者:篠原雅武
出版社:以文社

photographs by Hiroshi Takaoka & Yuichi Maruya text by Ikumi Tsubone

記事は雑誌ソトコト2022年11月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。