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サスティナビリティ

ハワイに魅せられたアーティストたちが織り成す、 ユニークでサスティナブルなハワイのアート―シーン

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ハワイの自然や文化からインスピレーションを受け、メルティングポット(人種のるつぼ)に揉まれて突出したアートが誕生する。それがハワイのアートシーンの魅力です。今回ご紹介する5人の作品は、トロピカルなフルーツや花、サーフィンなどのハワイのモチーフを活かし、ポップでエコで洗練されつつも、自然へのリスペクトをどこかに感じさせます。彼らとその作品から、ハワイのアートシーンの今を感じてみてください。(TOP写真は、カカオカ地区で開催される「POW! WOW! HAWAII」の壁画作成の様子。)

目次

POW! WOW! HAWAIIに毎年参加。ツリーハウスがモチーフのウォールアートが人気

Wooden wave(ウッデン・ウェーブ)

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彼らのシグニチャー、ツリーハウスには、サーフボードやスケートボードのハーフパイプなどが描かれている。
ハワイで今、最もホットな場所のひとつが、カカアコ地区です。かつてはカメカメハ大王など王族の住んでいた場所で、港が近いため養殖や塩づくりなどの水産業が盛んでした。2010年頃までには多くの工場や倉庫が立ち並ぶエリアとなっていましたが、今では再開発により、それらを活かしたおしゃれなレストランやカフェ・ショップが増え、若者たちが集う華やかな街へと変貌を遂げています。

カカアコを代表するものと言えば、街のあちこちにあるウォールアート。多くは2011年から続いている大規模なストリートアートイベント、「POW! WOW! HAWAII(パウワウハワイ)」で描かれたものです。地元からはもちろん、世界中からアーティストが集結し、壁をペインティングしています。そのアートを見に多くの人が訪れる、人気のフォトスポットでもあります。

マウイ島出身のロキシーとオアフ島ノースショア出身のマットの夫婦によるアーティストデュオ、「ウッデン・ウェーブ(Wooden Wave)」は、POW! WOW! HAWAIIに毎年参加。カカアコやワードエリアを中心に、ハワイのあちこちで彼らのウォールアートを見ることができます。

グラフィックデザイナーのマットがデザインを主に担当し、美術教師のロキシーが色彩を担当。本番では二人で一緒にペイントするそうです。彼らのアートのテーマは「ハッピー、サスティナブル、プレイフル」。シグネチャーであるツリーハウスのほか、サーフィンやハワイの文化を散りばめた、楽しくて遊び心いっぱいのアート、環境問題やサスティナブルを意識したアートも多くあります。

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Matt & Roxy 夫妻のアートデュオ、ウッデン・ウェーブ。
ウェブサイト:http://www.woodenwaveart.com/

フルーツ、プラント、アニマル。 カラフルでポップなハワイ

Kim Sielbeck(キム・シエルベック)

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鮮やかな色彩でハワイのモチーフなどをポップに表現。
イラストレーター、画家、サーフェスデザイナーのキム・シエルベックは、アラスカ生まれ。米軍で働く親について小さい頃からアメリカ中を移住して育ち、中でも子どもの頃に数年過ごしたハワイでの生活が、彼女のイラストレーションに多大な影響を与えています。18歳でニューヨークのアートスクールへ。卒業後はニューヨークのスタジオに8年間勤務後、2016年にフリーランスアーティストとして独立し、ハワイへ移住。現在は夫とカリフォルニア州のモハーヴェ砂漠に住んでいて、ハワイとカリフォルニアを行ったり来たりしています。

彼女の作品は、ハワイのポップなカラーと植物にインスパイアされ、大きな影響を受けています。
2020年のPOW! WOW! HAWAIIでは、カカアコのクック通りとマッキンリーハイスクールの2か所にキュートなウォールアートを描いています。その後も、ワード地区のショッピングモール、ワードセンター1階のウォールアートや、性買春の被害者である少女たちを保護する福祉施設「ハレ・ラニポルア・アセスメントセンター」の大きな扉、オアフ島第二の都市であるカポレイ地区の「カポレイコモンズ」のウォールアートに、思いを込めて描いています。

ウォールアート以前から彼女の作品は、商品のパッケージや衣類、雑貨、雑誌にも見られます。ハワイのお土産のデザインやパッケージで彼女を知っている人も多いかもしれません。

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キム・シエルベックさん。
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ハワイ発のライフスタイルブランド、ヴィヴィ・パレットとのデザインコラボ製品。
ウェブサイト:https://www.kimsielbeck.com/

ハワイアンキルトから着想。 写実的なのに唯一無二のハワイらしさ

Kristen Reyno(クリスティン・レイノ)

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クリスティン・レイノさんと、彼女のフォトアート作品。
米国カンザス州出身で、幼少期をオアフ島で過ごし、現在はカイルア在住のアーティスト兼ハワイのブランド「Lola Pilar Hawaii」のオーナーであるクリスティン・レイノ。彼女が生み出すアートは、ヴィンテージのハワイアンキルトからインスピレーションを得ています。

アメリカ本土で写真・映像を学び、フォトグラファーとして経験を積んだ後ハワイへ戻り、ユニークな作品をつくり始めました。クリスティン・レイノは、愛するハワイの自然や文化を現代的な方法でアートにしたいと考え、商品写真の撮影の経験を生かした唯一無二の手法を考え出しました。

クリスティン・レイノは、自宅や友人の家の裏庭、ノースショアの農家、チャイナタウンのレイスタンド、フルーツスタンドなどから見つけてきた花やフルーツなどを使って、細心の注意を払いながらシンメトリーにレイアウトしデザインを起こしています。

彼女の作品は、部屋を飾るのはもちろん、スカーフやパレオ、ポーチなどにしても存在感を放ちます。

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ハワイの花やフルーツなどをキルトの模様のように並べて撮影する。
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作品をプリントしたスカーフ。
ウェブサイト:https://www.lolapilarhawaii.com

木版画、モノクロで波を表現。 サーフアートの異端児

Steven Kean(スティーブン・キーン)

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ヴァンズ・ワールド・カップ・オブ・サーフィンの公式アーティストに選ばれてから広く知られるように。
スティーブン・キーンはペンシルバニア州出身で、オアフ島ノースショア在住の版画アーティスト。木彫りした木版画で波やハワイの景色などを表現しています。カラフルな作品が多いアートシーンでは異色の存在です。

フィラデルフィアの大学で芸術教育学を学び、ハワイに魅せられて移住を決意。2013年よりホノルル版画クラブのメンバーとなり、そこから版画の魅力にとりつかれ、特に木版画にのめり込みました。サーフィンが大好きなスティーブン・キーンのメインのモチーフは波。細かく一筋ずつ彫り込まれた姿は迫力がありつつ、どこか牧歌的です。

スティーブン・キーンのアートが注目を浴びたのは2017年。ノースショアで毎年秋に行われる、プロサーフィンコンテストのメインアートに大抜擢されました。それ以来さまざまなコラボレーションを行い、カハラマーケットのメインビジュアルを手がけるなど活躍が続いています。

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木版画を作成中。
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浮世絵を連想させるともいわれている。
ウェブサイト:https://keanarts.com/

ビーチから拾ってくるプラスチックゴミが、 センスのよいタペストリーに

Stacey Garmshausen(ステイシー・ガームスハウゼン)

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タペストリーをプラスチックごみでつくることで、海洋ごみ問題を啓発。
ステイシー・ガームスハウゼンがアートの世界に飛び込んだのは、病気になったことがきっかけです。摂食障害のためのアートセラピーとして、2004年からジュエリー制作を始めました。健康になってから、自分のつくったジュエリーが地元のカリフォルニア州ラグナビーチやロサンゼルスのショップで扱われるようになっていき、ビジネスになっていきました。

そしてある有名ハリウッド女優がステイシー・ガームスハウゼンのジュエリーを身につけたことで、「ステイシーG」のブランドがブレイク。ニューヨークやロサンゼルスのショールームに彼女のジュエリーが展示され、2005年から2009年にかけて多忙な日々を送りました。気がつくとジュエリーをつくることが好きではなくなってしまった彼女は、一旦ビジネスをストップ。

それまでに何度もハワイに来ていたステイシー・ガームスハウゼンは、カイルアの雰囲気がとても気に入り、2017年に移住。現在は再びジュエリーを制作していますが、無理のない範囲で行っています。

今、ステイシー・ガームスハウゼンが力を入れているのは、プラスチックゴミで作るタペストリー。カイルアに住み始めて、ビーチに多くのプラスチックゴミが漂着していることに気づいたからです。ビーチでプラスチックゴミを拾い、ていねいに洗い、磨いてドリルで穴を開け、紐に通したものを何本もつくる。作品が完成するまでに100時間を超えることもしばしばです。このアートをきっかけにして、環境問題の会話が始まることが彼女の願いです。

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ステイシー・ガームスハウゼンさん。
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ジュエリーもゆっくり製作中。
ウェブサイト:https://www.staceygjewelry.com/

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