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おやつに願いを忍ばせて。
「麹って、日本の食文化の源にあるものだと思うんです」。2016年に首都圏から島根県雲南市に移住した田中恭子さんは、地域の味噌づくりに参加し、麹がもたらすおいしさや奥深さに魅入られたという。「麹独特のにおいが苦手な子どもたちにも、無理なくおいしく食べてもらいたい」という想いから、麹をベースにしたチョコレートアイスを開発した。砂糖・添加物・卵・乳製品を使わず、素材を厳選。アレルギーのある子どもも、健康に気を使っている大人も、動物性食品を避けている人も、みんなで一緒に楽しめるヴィーガンアイスに仕上がっている。
口に含むと華やかなカカオの香りと麹の優しい甘みが広がり、濃厚なのに後味は不思議とすっきりしている。「素材の味わいとともに、島根の豊かさや空気感、今ここにある時間を感じてもらえたら」と田中さん。じっくり味わうことで心と身体を整える、「アイスクリーム・メディテーション」なんていかがだろう。
TOTONOI ice
パッケージには和紙を使用していて手触りも心地よい。アイスの材料は、島根県・邑南町にある『垣崎醤油店』が山の湧水を使って醸した米麹、ペルー産クリオロ種カカオパウダー、有機オーツミルク、有機ココナッツオイル、デーツ。1粒ずつ手で剥いているというカカオニブ(別売1100円)を振りかけるとより香りが深くなる。意外なことに、本みりんとの相性もいいという。3個セット3240円(TOTONOI https://store.totonoijp.com )
photograph by Jiro Matsushita text by Emiko Hida
記事は雑誌ソトコト2023年5月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。