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サスティナビリティ

特集 | SDGs入門~買い物から地球環境を考える!~

『一般社団法人unisteps』共同代表・竹村伊央さんの「買い方」

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10年以上、エシカルファッションを日本に広めるPR活動や、ファッション産業の体系的な変革などに取り組んでいる竹村伊央さん。ファッションのお買い物をどのように考えたらいいのか、教えてくれました。

目次

買い方の3つのPOINT

いつ、どのような服を着たいのか、服を通じて自分を表現したいのかなどを考え、自分の服の適量を知ること。

価格は買う・買わないの決断に影響しやすい。「安いから買おう」などと決めず、価格による判断は最後に。

リサイクルなど、次に回すことを考えてから選ぶ。長く使うため、素材に合った干し方やお手入れをする。

自分を見つめ直したうえで適量やリサイクルを意識。

私がロンドンで感銘を受けたのは、社会的な意味があるファッションやアップサイクルの文化でした。そこで帰国後は、エシカルファッションなどにまつわる複数の活動をしています。以前と比べ、今は消費者にとって選択肢が増えましたが、さまざまなメーカーやブランドがSDGsなどを訴えていて、どれを選べばいいか悩んでいる人もいるのかもしれません。
そこで今勧めたいのが、自分のファッション選択の前提を見つめ直すこと。あなたはどういうライフスタイルを望んでいて、いつ、どのような服を着たいのですか。そして、服で自分を表現していたいですか。また自分で選んだ服を着ることでどういう感情になりますか。これらの質問の答えによって、選ぶブランドやアイテムが変わってくると思います。
もう一つ、前提として大事なのは、自分の適量を知ること。例えば「地球環境にいいらしいから買おう」「今年はこれが流行るから」などと安易に選ぶと、服はどんどん増えてしまいます。すぐ捨てたり手放したりするのはサスティナブルではないので、「これだけあれば十分」と所有量の目安を決めましょう。たとえ同じ服を毎日着ていても、信念があってそうしているならカッコいいと思います。
私が最近始めたのが、服を買うとき、商品の価格によるジャッジを最後に回すこと。気にしないと思っていても、価格は買う・買わないの決断に影響しやすいもの。「安いから買おう」「これは得」などとすぐに決めないようにすると、本当に欲しいのか否か区別しやすいのです。最後に価格を見て、あらかじめ決めた予算の上限を超えていないかを確認します。私はこれで買い物スキルが上がった気がしています(笑)。よく考え悩む時間こそ、とても大事です。熟考した末に買ったものは「長く使おう」と愛着をもちやすいのではないでしょうか。本来、服は長く身にまとうものですから。
私は、自分で終わらせずに、リサイクルなど次に回すことを意識して選ぶようにもしています。選ぶ・着るときから次の人のことを考えるのです。コットン100パーセントなど単一素材のほうがリサイクルしやすいです。ちなみに、古着回収サービスは広まっていますが、「出して終わり」ではなく、回収後にそれがどうなるのかという情報も知ることができればベスト。長く着るためには、素材に合った干し方やお手入れ、保管環境も大切です。販売員さんや専門家に聞くなどして、ぜひ正しいケアをしてくださいね。
 (203662)

たけむら・いお●高校卒業後に渡英。エシカルファッションのムーブメントをつくったブランドに勤務。帰国後『エシカルファッションジャパン』を設立。2020年『unisteps』を立ち上げ、ファッション産業の変革を目指す「ファッションレボリューション」の運営を行う。
text by Yoshino Kokubo illustrations by Yuka Hashimoto
記事は雑誌ソトコト2023年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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