最近は「自分にいいもの」だけでなく「地球に優しいもの」を選ぶ人が増えてきているのではないでしょうか。今年発売されたアシックスのシューズは、足に優しいのはもちろん、素材もリサイクルや再利用にこだわって作られています。おしゃれで履き心地の良いシューズは、初めてサステナブルなアイテムを選ぶ人にも取り入れやすいアイテム。今回はアシックスの担当者さんにお話を伺いながら、アシックスのシューズの魅力をご紹介します。
創業当時から守り、加速し続けるアシックスのサステナビリティ
国内大手のスポーツブランド、アシックス。2021年、アシックスから環境に優しいサステナブルなシューズが続々と発売されていますが、アシックスのサステナブルな取り組みは創業当時から行われてきたことをご存じでしょうか。
アシックスは1949年、スポーツによって青少年の育成と社会の発展に貢献しようという志のもと創業されました。社名は「健全な精神に健全な身体があれかし」という意味のラテン語が由来。この創業当時からの想いを今まで引継ぎ、そして未来に向けてさらに加速させようと、培ってきた技術と時代に合ったデザイン、サステナビリティを掛け合わせたシューズがリリースされています。
今回はアシックスサステナビリティ統括部の増田さんに、サステナブルな製品開発や新商品についてお話を伺いました。
増田 最近の社会背景を受けて、アシックスでは創業哲学の「健全な精神に健全な身体があれかし」を実現するためには「健全な地球環境」が必要であるとより一層強く感じています。現在だけでなく将来に渡ってそれらが続いていくよう、原点に立ち返って製品開発をさせていただいています。
特に今年からは「健全な精神と健全な身体」を「Sound Mind,Sound Body(サウンドマインドサウンドボディ)」と英語に置き換えてブランドコミュニケーションを展開しています。さらに「サウンドアース」=「健全な地球環境」を目指すため、地球環境に優しいものづくりが行われています。
さらにサステナブルな製品には、アシックス独自の“ひまわりアイコン”が。このアイコンは、サステナブルな製品の証です。人々が心と体の両方でより健康で前向きに成長していけるようにと願いが込められています。アイコン中心部の2つの矢印は、「未来への希望」と「資源の循環」を表しているのだそう。アシックスの商品を選ぶときは、このマークを目印にするとサステナブルな商品かどうかがすぐ分かりますね。
2021年新発売!サステナブルな原材料を使ったアシックスのシューズ
2021年に発売された2種類のサステナブルなシューズ、「Earth Day Pack(アースデーパック)」と「GEL-LYTE Ⅲ OG(ゲルライトスリーオージー)」。どのようなところが地球環境に優しいのか、履き心地やデザインはどうなのか、お話を伺っていきます。
繊維廃棄物をリサイクルした「Earth Day Pack(アースデーパック)」
4月に発売された「Earth Day Pack(アースデーパック)」は、不要になった衣類や工場で出た繊維ゴミから作られたリサイクル糸(再生ポリエステル材)を採用した11のシューズがラインナップ。このEarth Day Pack(アースデーパック)は繊維のリサイクルが進んでいない現状に注目して作られたのだそう。
増田 今までのリサイクル素材はペットボトルを使ったものが多かったのですが、今回繊維をもう一度樹脂に戻して、生地にするという取り組みにチャレンジしています。世界の繊維廃棄物のうち、新しい服に戻る割合はわずか1%未満という現状です。繊維のリサイクルは、ペットボトルよりもまだまだ技術的に難しい分野ではあるのですが、そこに挑戦したいという想いで製品開発に取り組みました。
他にも「自分たちが生み出したものを、もう一度製品に戻していく試みをしていかなければならない」というアパレルやフットウェア業界にいるアシックスだからこその想いがあったのだそう。循環型のものづくりの第一歩として、EarthDayPack(アースデーパック)が開発されたのですね。
さらに中敷の染色方法には、あらかじめ原料自体に着色する染色技術「ソリューションダイ」を採用。この染色技術を用いることで、従来の染色過程よりもCO2は約45%、水は約33%削減できるように。原料だけでなく、製造過程も環境に優しいところが魅力的です!
大胆なパッチワークが目を惹く「GEL-LYTE Ⅲ OG(ゲルライトスリーオージー)」
7月9日には、「GEL-LYTE Ⅲ OG“Patchwork”(ゲルライトスリーオージーパッチワーク)」が発売。もともとシューズのアッパーに使われていた端材を再利用したシューズです。内側と外側でデザインが異なり、再利用素材が使われている内側は、パッチワークデザインになっています。細かい部分には、あえて粗いステッチがあしらわれているところも可愛いポイント。
増田 リサイクルではなく“再利用”というのが新しいところ。アースデーパックは繊維をポリエステルの樹脂まで戻して生地を作っていますが、今回はなるべくあるものをそのまま使って、風合いを残すことにこだわりました。
店頭で手に取ってじっくり見てみたいと思うような大胆なデザインと再利用の風合いが魅力のGEL-LYTE Ⅲ OG“Patchwork”(ゲルライトスリーオージーパッチワーク)。ぜひチェックしてみてくださいね!
アースデーパックの人気シューズを着用レビュー!
スポーツにもおしゃれにも!アースデーパックの人気シューズを着用レビュー
Earth Day Pack(アースデーパック)には、ランニングシューズ、スポーツスタイル、テニスの3タイプがあるため、それぞれの目的に合わせて選ぶことができます。中でも、普段使いのファッションとしておすすめなのがスポーツスタイルの3足。
今回はスポーツスタイルの中から、特に人気の「GEL-LYTE Ⅲ OG(ゲルライトスリーオージー)」を履いてレビューします!
▼GEL-LYTE Ⅲ OG(ゲルライトスリーオージー)の特徴はこちら。
・アシックススポーツスタイルを代表する、1990年に発売した「GEL-LYTE Ⅲ」をベースにした人気モデル
・ベロ部を縦に大きく2分割した独自構造「スプリットタン」がポイント
・アッパーの主要素材のリサイクル率:50%以上
実際に着用しながら特徴について見ていきます。
スポーツスタイルにも普段のファッションにも合わせやすいデザイン
見た目は白とベージュを基調にしたナチュラルな色合い。かかと部分はベロアのような素材になっていて、くすみピンクがとても可愛いです!よく見るとピンクの他に赤やグレーなどの色が混ざっているのですが、これは廃材をリサイクルして作成される材料のため、1点1点のカラーが若干異なっているそうですよ。
スポーツウェアやレギンスと合わせたり、ファッションとしてワンピースや細身のパンツに合わせたりしてもおしゃれな万能デザイン。アースデイパック全体的に白やベージュをベースにしたナチュラルな色合いなので、どんな服にも合わせやすくなっています。
「スプリットタン」で着脱しやすく、履き心地もいい!
GEL-LYTE Ⅲ OG(ゲルライトスリーオージー)の大きな特徴が、ベロ部を縦に大きく2分割した独自構造「スプリットタン」。
このように、「シュータン」と呼ばれる靴の入り口部分が2つに分かれています。履いてみると、その履き心地の良さにびっくり!一般的なシュータンであれば、足を入れた後に引っ張って調整しないと違和感がありますが、スプリットタンはその必要もなくサッと履くことができました。
さらに、履いている時もシュータンが足の甲に当たるような嫌な感覚もなく、包み込んでくれるようなフィット感があります。スプリットタンのシューズをまだ履いたことのない人や、シュータンに煩わしさを感じている人にはぜひ体感してもらいたい快適さです。
クッション性があり、長時間歩いても疲れにくい
もともとはランニングを楽しむ人のために作られているので、クッション性もばっちり。ミッドソールの部分にクッション性の高い素材が使われているので、足への負担を軽減してくれて、長時間のお出かけにもおすすめです。
実際に履いてみると、スポーツをする人はもちろん、スポーツをしない人にとっても普段使いとして活躍するシューズだと感じました。
おしゃれで地球に優しいシューズで、サステナブルな選択を始めよう
実際にアシックスの担当者さんにお話を伺い、シューズを履いてみると、履く人の健康や地球環境への優しさが詰まっていることを感じました。
今回紹介した商品に限らず、今までもアスリート向けの商品に再生ポリエステルメッシュを採用するなど、サステナビリティを考えて製品開発をしてきたアシックス。これからも挑戦を続け、環境に配慮したものづくりを推進していくのだそう。
私たち消費者にとっても、自分のためのお買い物が地球環境に役立っていると思うと、いつもの買い物がもっと楽しくなりそうですね。あなたもぜひ、おしゃれでサステナブルなシューズで、今よりちょっと優しい選択をしてみてはいかがでしょうか。
▼取材協力
アシックス(公式サイト)
取材・文:さいとうえみり
画像:アシックス、さいとうえみり