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連載 | Web3.0でつくるローカルの未来

Web3で現代の石高制を復活させる、石高プロジェクトとは?

ローカル×Web3.0編集部

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石高プロジェクトとは

  • 石高プロジェクトは、福島県西会津町を舞台にして町の基幹産業である米の新たな販路を拡大していくためのプロジェクトです。
  • Web3技術を使って稲作農家を中心としたコミュニティを作ることで一次産業のリスク(天候不順や米価下落など)を低減し、持続可能な稲作を目指していきます。
  • コミュニティ内での貢献度をブロックチェーンの仕組みを使って可視化し、報酬として米と引き換え可能なNFTやトークン(石高コイン)をもらうことができます。
  • 石高プロジェクトの舞台となっている福島県西会津町は面積の84%を森林が占める中山間地域です。人口減少、農業の担い手不足、有害鳥獣被害に悩まされています。
  • 石高プロジェクトは、コミュニティの力でこれらの課題を解決していこうとする取り組みです。

石高プロジェクトモバイルアプリの使い方

石高プロジェクトはモバイルアプリを導入し、活動の多くはモバイルアプリ上で行われます。ここではモバイルアプリの使い方をご紹介していきます。

ログイン


ログイン(※)にはWeb3authが採用されています。

※Web3Authは、ユーザーが秘密鍵保管を行う必要なく資産の管理を行えるセルフカストディウォレットを作成できるサービスです。googleやアップルのアカウントを用いてウォレットを作成できます。

米ボードと人足ボード

石高PJでは「ボード」という言葉が使われます。これは移転できないNFTであるSBTのようなものと考えて頂くと理解しやすいです。

ボードは2種類あります。米ボードと人足ボードです。米ボードは金銭で購入可能です。簡単に言うとお米を購入する権利です。人足ボードはお金で買うことはできずコミュニティでの貢献によってもらうことができます。例えばお米収穫にボランティアとして参加すると人足ボードがもらえます。

米ボードも人足ボードも米手形と交換することができます。米手形は実際のお米と交換することができます。また米手形はNFTになっており、譲渡や売買が可能です。

米手形の使い方

米手形は実物のお米と交換可能ですが交換できるお米の量は毎年11月になるまで分かりません。これは収穫量の増減リスクを米手形保有者も一部負担しようという試みです。米手形と交換可能なお米の量は予め概数(例えば5㎏)で決めておき、収穫量によって4kg~6kgの範囲で変動する仕組みです。こうすることで米農家とNFT所有者の間で収穫量リスクをシェアすることができます。

お米に交換する以外の使い方も将来的に実装される予定です。石高コインという地域通貨に交換して西会津町内で使えるようなアイデアも示唆されています。

石高プロジェクトがお米×ブロックチェーンで実現したいこと

石高プロジェクトは西会津町のような山間地域の稲作が抱える問題を解決しようとしています。冒頭のプロジェクト紹介でも少し触れましたが、山間地域での稲作には以下のような課題があります。

  • エリアごとに価格が決められており差別化が難しい(生産地によってある程度相場が決まっている)
  • 山間部故に大規模化が難しい
  • 人口減による担い手不足


これらの課題をブロックチェーンを使ってどのように解決しようとしているのでしょうか?それぞれ以下の通り整理することができます。

  • エリアごとに価格が決められており差別化が難しい(生産地によってある程度相場が決まっている)
  • ⇒BtoCの販路を拡大する。モバイルアプリ上のNFTマーケット売買を行うことで消費者と直接つながることができます。消費者と直接つながることができれば値決めも自分自身で行えます。
  • 山間部故に大規模化が難しい
  • ⇒toC販路を整備して単価を上げることに加え、NFTホルダーにも一部生産リスクを負担してもらうことで小規模農家でもお米作りを継続することができます。(生産規模が小さい程不作による影響は大きくなりがちです。)
  • 人口減による担い手不足
  • ⇒農家とファン(消費者)が支えあう仕組みを構築することで担い手不足を補います。コミュニティ活動(イベント参加、販促活動のお手伝い)

ここまで記事を書いてきて石高プロジェクトが達成したいことが見えてきました。それは「お金」を介さない価値交換の仕組みを作ることだと思います。

「お金」の代わりにお米を価値の基準として使い、またそれをブロックチェーン上に記録していきます。

現代において「お金」を介さない経済活動はなかなかイメージが湧きづらいものです。どんなものでも「お金」に置き換えると価値の保存や交換がしやすいのですが、一方で「お金」に交換しづらいもの(例えば「気持ち」・・・ふわっとした表現ですみません。「ほんのお気持ちです・・と渡すものってお金よりも物であることの方が多いですよね)も確実に存在します。

「お金」ではない価値を測る尺度として「お米」は比較的イメージしやすものだと思います。(明治6年に廃止されるまで日本ではその土地で収穫できるお米の量を通貨の代わりに使っていました。)

石高プロジェクトは西会津町を舞台に米農家の課題解決を目指すプロジェクトですがその先にはもっと大きな価値基準の変容が待っている気がします。

<公式リンク>公式HP

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