「ひきこもりから社会へ、どうすれば一歩踏み出せるの?」そんな悩みに、岡山県美作市のNPOがユニークな答えを出しました。なんと、シェアハウス内で流通する“木製コインの地域通貨”が、若者たちの「ぷち社会参加」を促しているんです! 金銭の授受は一切なく、低すぎるハードルで社会復帰をデザインする取り組みです!
岡山県美作市に誕生! 地域通貨「HOPE」でひきこもり支援。
岡山県美作市にあるひきこもり支援施設「人おこしシェアハウス」で、ユニークな取り組みが注目を集めています。それが、若者たちの社会参加を促すために導入された、直径3cmの可愛らしい木製コインの地域通貨「HOPE(ホープ)」です。2023年4月から運用されており、就労に悩む若者の「身近なやりがい喚起」を目的としています。

料理当番で「HOPE」を稼ぐ! ハードルの低い“ぷち社会参加”。
「HOPE」の入手方法はとても身近。シェアハウス内の料理当番(週2回で1HOPE)、掃除当番(週1回で1HOPE)、朝の清掃活動(毎朝1HOPE)など、日々の暮らしの中のタスクをこなすことで「HOPEコイン」が手に入ります。金銭の授受は一切なく、あくまで“ごっこ”の範囲ですが、“ごっこ”だからこそ、社会参加へのハードルを極限まで低くすることに成功しています。

ブレックファスト・カフェからヘッドスパまで!「HOPE」の使い道がユニーク。
「HOPEコイン」の使い道も、非常にユニークです。
- 事務局長が腕を振るう「わしのブレックファスト・カフェ」(4HOPE)
- 「ばえる」お菓子作りが趣味のスタッフによる「森のスイーツ・カフェ」(1~2HOPE)
- パートスタッフによるネイルやヘアメイクのアドバイス「Total Beauty Salon de 美代」(4HOPE)
- ギター教室「The Guitar Work Shop」(3HOPE)
- ヘッドスパ「Aya’s Head Spa Salon」(4HOPE)

などが提供されています。また、体調不良で当番を交代してくれたシェアメイトへのお礼や、バス停まで送迎してくれた仲間へのお礼など、仲間同士でも利用でき、コミュニティ内の助け合いを促進しています。
「人おこしシェアハウス」の10年目の挑戦。
この「人おこしシェアハウス」は、今年で活動開始から10年目を迎えます。運営する『山村エンタープライズ』は、地域に根ざした活動を通じて、ひきこもりを持つ若者たちが自信を取り戻し、社会と繋がるきっかけを創り出してきました。歴代の入居者(1ヶ月以上滞在者)は100名を超え、その多くは市外・県外からの移住者。そしてシェアハウス卒業後もこの美作地域に留まって生活しているOB・OGは、いまや19名を数えており、現入居者を加えると、約40名のコミュニティに育っています。

今回の「HOPEコイン」を活用した取り組みは、若者たちが低いハードルで「ぷち社会参加」の経験を積み、自信を育むための重要なステップとなっています。地方で、社会課題に新しいアプローチをしたいと考える方にとっても、この取り組みは大きなヒントとなることでしょう。