北海道旭川市内・東旭川。独自の歴史を持ち発展した6つの地域のひとつ豊田で、1907年にこの地に入植した「古屋農園」。以後5代に渡り続けてきた歴史ある農家へ嫁いだ古屋美也子さん。農家の奥さんとしてどんな暮らしをしているのか聞いてみました。
イベント出店でのアドバイスがきっかけで結婚

小さな娘さんとの二人暮らしだった美也子さん。
自営業として石鹸づくりをし、イベントで販売していました。
イベントで農産物を販売していた古屋新さんに、「どうしたら売れるの?」と相談されたことがきっかけで出会い、結婚されました。
ご主人の古田新さんは、旭川市東旭川町の豊田地区で115年続く農家の5代目。
ご両親と一緒にお米・ピーマン・ミニトマトを生産している歴史ある農家です。
もともと祖父が農家を営んでいたという美也子さん。当時から農作業は大好きだったとのこと。
祖父の農業を継ぎたい気持ちが大きかったのですが、ご両親の反対があり諦めたのだとか。
お仕事が農家だったご主人との出会いは、美也子さんの運命だったのでしょうか。
2017年3月3日にご結婚されました。
農家の仕事が好きなんです

農家のお仕事が好きだという美也子さん。
一日のスケジュールはどんな感じなのでしょうか。
6:30 起床 朝ごはんの支度 娘さんを学校へ送りだす
8:00 農作業開始
お手伝いの方が来ているときは午前中に一度休憩しますが、家族のみの日はお昼まで農作業
12:00 お昼休み
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15:00 午後の農作業スタート 夏の暑い日は、ビニールハウスでの作業は大変な暑さ。
気温が下がり始める頃からリスタートします。
18:00 夕飯のしたく
19:00 石鹸づくり
石鹸づくりは美也子さんがご結婚前からされているお仕事。
02:00 就寝
美也子さん 「農家ですが、ゆっくりとした生活をしている方だと思います。石鹸づくりは楽しくて、時間も忘れてしまう大切な時間ですね。ショートスリーパーなので遅くまで起きていても平気なんです。」
農家のお仕事をこなしながらも、自分の時間を確保し、充実した日々を送っているのが伝わってきました。
古屋農園の思い

美也子さん「結婚前、古屋農園のお米を買って娘と食べてみて、お米っておいしい!と強く感じました。それまでわたしはおかずしか食べなかったのですが、古屋農園のお米を食べるようになってからは、ご飯も食べるようになったんです。」
古屋農園では、年間で1,800人もの小中学生を受け入れ、体験会を開催しています。
この数年は、コロナ禍の影響で子ども達の体験会は全く開催できなくなってしまいました。
また、気候の変動やコロナ禍によって、生産物の価格が急落し、出荷すればするほど赤字になることも。
そんな時は、家族みんなで対策を練ります。
美也子さん「わたし個人の思いではあるのですが、野菜はなるべく農薬を使わず作っているのですが、お米も含めてすべての農産物に農薬を使わず育てていきたいと思っているんです。農薬を使わず農産物を育てるのは農家にとってリスクが高くとても怖いこと。けれど、夫をはじめ、おじいちゃん・おばあちゃんも少しずつ理解してくれるようになりました。なるべく人体に影響の少ないものを使ったり、発酵肥料を使ってみたりとか。」
古屋農園は、
「安心して食べられるものを作る。」がモットー。
そして、信頼関係を大切にし「共に考え、共に成長する会社」を
さらには、「人とつながる農業、未来につながる農業」」を目指しています。
未来につながる農家について、これからもご主人と美也子さんの思いが広がっていくことでしょう。
石鹸づくりは気分転換&自分時間

美也子さんは農作業の傍ら、石鹸づくりのお仕事もされています。
肌や環境に優しい石けんを製造して販売したり、石けんづくり体験教室を開いたりと、講師としてもご活躍。
農家のお仕事をしながら、自分の時間ややりたいことも実践する美也子さん。
大変なパワーの持ち主だと感じました。
歴史ある農家を家族みんなで力を合わせて営む。
ゆったりと、そして自分の時間も大切に、家族と暮らす日々。
持続できる農家、社会をどうしたら実現できるのかも考えられています。
そんな美也子さんは、とても勉強熱心で研究家な一面も。
石けんづくりについてもお話を伺っています。
後日の記事をお楽しみに!
古屋農園:旭川市東旭川豊田396-2
https://furuya-nouen.jimdofree.com/
文:炭本まみ
■ライタープロフィール
炭本まみ:北海道旭川市出身。保育士として10年勤務後、様々な仕事を経験し、フリーライターに。子育て・発達障害など保育士経験と子育て経験を基にした記事と、地元旭川、北海道の魅力をもっと地元民や道外の人に知ってもらえる記事を執筆中。