熊本県菊池市で「ホルモン道場」という焼肉店を営む梅田雄二さんは、コロナの影響を受け、新たにキッチンカービジネスを始めました。今回は、梅田さんのキッチンカーのこだわりと、インパクト重視で消費者を引き付けるキッチンカーについて話をうかがいました。
目次
店舗を持っている梅田さん。キッチンカーを購入したきっかけは?
梅田さん「僕は、菊池市隈府の温泉街で、『ホルモン道場』という焼肉店を営んでいます。コロナウイルスの影響で温泉街に来る人が減少したことをきっかけに、『人が来ないなら自分から売りに出向こう!』と決心し、キッチンカーを購入しました。最初は手持ちのワゴンRで出向くことも考えましたが、『わざわざ売りに行くならば、普通の車じゃ注目されずもったいない』と思ったんですね」
キッチンカーのデザインは「とにかく目立つように!」
梅田さん「キッチンカーを作るとき、デザインのインパクトを重視しました。僕は一年中、赤色の半袖短パンがトレードマークなので、顔見知りの間では「赤」のイメージが定着しています。そこでキッチンカーの色もインパクトのある真っ赤を採用しました。」
梅田さん「キッチンカーのデザインは、地元・熊本出身の似顔絵アーティスト・JEROさんに依頼しました。JEROさんは「似顔絵世界大会ISCA in ASAKUSA」や「TVチャンピオン似顔絵職人選手権」で優勝した経歴もあって、芸能人の方の似顔絵もたくさん描いています。僕のキッチンカーについては、インパクトのある絵を好きに描いてくださいとお願いしました。」
キッチンカーをデザインしたJEROさんにも、どんな思いでキッチンカーをデザインしたのか聞いてみました。
JEROさん「これまで見たことのない面白くて可愛い車に仕上げたくて、インパクトのある車に仕上げました。梅田さんには『好きに描いてくれ』と言われましたが、オーナーの魅力を引き出せればと思い、ユーモアの利いた似顔絵も入れました。」
そう語る2人の想いが乗っかったキッチンカーは、2021年7月、地元のコンビニのリニューアルイベントでデビューしました。
とても目立つデザイン。乗って使ってみた感想は?
梅田さん「僕はイベントに限定せず、普段からこのキッチンカーを運転しています。信号待ちのとき、対向車とすれ違ったときは、すごく目立っているなと感じますね。でも、たった一度の人生ですから、全力で目立たんといかんと。そうすることで自分自身にプレッシャーをかけています。この車に負けないように頑張ろうと思えているので、このデザインはすごく気に入っていますよ。そもそも、大人しく控えめにやるくらいなら、キッチンカーで打って出ることはしません」
目立つキッチンカーは最高の広告。 消費者と知り合う“きっかけづくり”に大活躍
梅田さん「毎日このキッチンカーを運転していると、『あそこで見た』『ここで見た』『前から気になっていて……』と多くの方が言ってくれます。文字情報を入れてないので、最初、何を売っているのか見た目ではわかりません」
梅田さんはそこにもポイントがあると言います。
梅田さん「インパクトがあって、つい目に入ってしまうものの、何屋さんかわからないので、一度見てしまうと気になるんですよね。だから、僕のキッチンカーが駐車場に停まっていると、『何を売っている方ですか?』『この前〇〇で見ました!』と初対面の方からどんどん声をかけてもらえます。そこで、どんな思いで何を売っているのかを話しつつ、名刺交換やSNS交換に繋げています。キッチンカーのインパクトをきっかけにお客様と繋がり、コミュニケーションのきっかけも作れて、宣伝効果も含めて気に入っています!」
これからキッチンカービジネスを始める方へ
梅田さん「僕にとって、キッチンカーのデザインはお客様に気にかけてもらい、繋がるきっかけにもなる大切なポイント。新しくキッチンカーを作るなら、ぜひ自分らしさを表現して、インパクトを放つことをおすすめします(笑)」
梅田雄二さん/プロフィール
熊本県菊池市出身在住。寿司職人でありながら、大のホルモン好きで、「ホルモン道場」という焼肉店を経営。出汁からこだわる料理でどれも最高に美味しい。「まちに賑わいを取り戻したい」「地域の子どもたちに楽しい思い出を作ってあげたい」という一心で、定期的にイベントも企画される。キッチンカーでは、出店するイベントに合わせて馬肉丼やホルモン丼などメニューを変え、お客様を喜ばせている。仕事以外のライフワークとして、「宝拾い」という名の「ゴミ拾い」を20年以上実施している。
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ホルモン道場
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梅田雄二
取材協力:JEROの似顔絵製作所
キッチンカーデザインや看板製作はもちろん、似顔絵製作は写真からも制作可能。ホームページ「
JEROの似顔絵製作所」からご連絡下さい。作品はSNSでご覧になれます。
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@jero1942|
@jerodies
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Jero Dies
photographs & text by Rika Takamoto
ライタープロフィール
高本梨花|田舎で探究ローカルイノベーター
熊本在住24歳のフリーライター。化学反応が起こる瞬間をデザインしたいと20歳で起業。人が好き、田舎が好き、魚が好き、探究が好き。取材を通して面白い地域の方々と出会える事を楽しみにしています。
https://lit.link/rika0Ktion