今こそ届けたい音楽の力。国内屈指の本格JAZZフェスをオンラインで楽しもう!
2020.07.29 UP

今こそ届けたい音楽の力。国内屈指の本格JAZZフェスをオンラインで楽しもう!

PEOPLE

アーティストたちが即興で繰り広げるセッション。その場で織りなされる音、会場の空気感、オーディエンスの雰囲気も、五感で感じられる全てが交わって生まれる「二度と再現することのできない音楽」。それがリアルな姿であり、多くの人を魅了するジャズの真骨頂。
ジャズ以外の曲も扱うジャズフェスティバルが多くなる中、「オーセンティックなジャズにこだわった国内唯一のビッグフェス」と専門誌にも称されるフェスがある。今年、初めてのオンライン配信に挑戦する鹿児島ジャズフェスティバルだ。その舞台裏を少し覗かせていただこう。

 

即興セッションの臨場感をオンラインで届ける

鹿児島ジャズフェスティバルが目指す姿。それは、アーティストたちが毎晩違う場所で、その時出会った様々なメンバーと一緒に、即興で音を奏でるリアルなジャズの日常を凝縮させたようなフェスティバル。
グループ単位での出演やブッキングとなる多くの音楽イベントとは違い、鹿児島ジャズフェスティバルでは世界のリアルなジャズシーンで活躍するトップアーティストたちに個別で出演オファーを出している。
一人一人のアーティストの持ち味を正確に読み、セッションの組み合わせを考え抜く工程をあえて踏むというこだわりが実現するのは、ステージ上で織りなされる「今、ここでしか体感できないリアルなジャズ」を誰もが楽しめる時間だ。

2017年から鹿児島の街の中心部で始まった鹿児島ジャズフェスティバルは、3回目となる昨年、67,000人を動員し、国内屈指の本格ジャズフェスティバルとして全国から注目を集めるほどに成長した。
4回目の開催となる2020年、「さあ、次はどんな成長を遂げるのか」そう期待がかけられる中で立ちはだかったのは、世界的なパンデミックという大きな壁だった。
あらゆる音楽イベントが軒並み中止・延期の判断を下す中で、鹿児島ジャズフェスティバルが出した答えは「無観客でのオンラインライブ開催」。
リアルの臨場感を画面越しの観客へどう届けるか、配信技術の整備も必要、オンラインだからこその仕掛けは?…考えるべきことが膨大に出てくる。
世界的にもまだまだ実例の少ない挑戦に踏み出した今年の鹿児島ジャズフェスティバル。代表であり、鹿児島を拠点に活躍するジャズピアニストでもある松本 圭使さんにお話を伺った。

音楽の息づく街、鹿児島へ

松本さん

鹿児島県出身・在住のジャズピアニストである松本さんは、3歳からピアノを習い始め、18歳からジャズの演奏活動を始めた。その後、ジャズを学ぶために20歳でNYへ留学。帰国後は「鹿児島に住んでいるからこそできること」を意識しながら、CDの全国リリースや公演など全国規模で活動を行なっている。
2014年には『モントルー・ジャズ・ピアノ・コンペティション・インかわさき』でファイナリストに選出され、唯一の地方在住のピアニストとして話題を呼んだ。
「鹿児島に根付くジャズフェスティバルをつくりたい」そのような想いを胸に抱いて活動を続ける中で、2017年に鹿児島市春の新人賞を受賞。これをきっかけに、「音楽の息づく街、かごしま」をテーマとした『鹿児島ジャズフェスティバル』を立ち上げ、当日は自らもアーティストとしてステージに立ちながら実行委員長も務めている。

松本さんが音楽の中でも特にジャズに想いを寄せる理由は「みんなで一つの音楽を作っていく」という対等なあり方に心惹かれたからだという。

松本さん「ジャズはその場に合わせて音を奏でる完全即興の音楽。やっていても、聞いていても楽しい。どこか固定のパートが主役というわけではなく全員にソロパートがあり、それぞれを尊重しながら皆で一つの音楽を作っていく気持ちのあり方が素敵だなと感じています」

故郷であり拠点でもある鹿児島に、リアルなジャズの魅力を伝えるジャズフェスティバルを根付かせたい。そのような想いから、鹿児島ジャズフェスティバルの運営に情熱を注いでいる。

文章:白水 梨恵
写真:鹿児島ジャズフェスティバル

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