「え、タチウオってこんなに大きいの!?」子ども達が海について学ぶ体験プログラム「常磐インフルエンサー」の舞台は、豊かな海の恵みがそろう福島県相馬市。プログラムには、ヒラメやタチウオといった海の幸を間近で見学したり、資源管理の重要性を学んだりと、普段できない貴重な体験が盛りだくさんでした。
「常磐インフルエンサー」って何? 福島・相馬の海を体験する特別な旅。
「常磐インフルエンサー」とは、福島県相馬市を舞台に、未来の海を守るための学びと体験を通じて、福島の海について学ぶ体験プログラムです。7月23日(水)から24日(木)にかけて福島県内の小学5・6年生21名が参加し、相馬双葉漁業協同組合で漁船に乗り、タチウオの水揚げを見学し、漁師の話から海の恵みの大切さを学びました。

ヒラメやタチウオを間近で! 漁船に乗って間近で見学。
子ども達はまず「アクアマリンふくしま」で、ヒラメやタチウオの生態や、魚が共存するついて学びました。続いて相馬双葉漁業協同組合を訪れ、漁船に乗って海に出ました。多くの子ども達にとって初めての乗船体験で、海風を感じながら刺し網漁によるタチウオの水揚げを間近で見学しました。日々の漁の過酷さと、海の恵みを支える人々の努力を肌で感じる機会ともなりました。

養殖施設で稚魚を見学。
この旅では、震災から復興し、豊かな海を取り戻すために行われている「資源管理」の取り組みについても学びました。福島県の水産資源を守る拠点「福島県水産資源研究所」を訪れ、稚魚の生態や資源保護の大切さを学んだのち、年間約100万匹のヒラメが育てられている養殖施設を見学。この時期はちょうど稚魚の放流シーズンで、命を未来へつなぐ現場に理解を深めました。

学びをパッケージデザインに。
イベントの最後には、2日間の学びを絵にして表現する時間が設けられました。子ども達は、モンゴル出身の画家Ochiro(オチロ)さんから描き方のレクチャーを受け、ヒラメの形をしたキャンバスに、それぞれの思いを込めた絵を描いていきました。漁船やハート型のヒラメの目など、印象に残ったシーンや特徴が、個性豊かに表現されていきます。完成したヒラメたちは、オチロさんが仕上げた「相馬の海」の絵に加えられ、ひとつの大きな作品となりました。この作品は、相馬の仲買人・中澤水産の新商品「平目カレー缶」のパッケージデザインとして使用される予定です。

今回のプログラムに参加した子ども達からは、「乗船体験でどのように漁をしているのかを見たことが、一番良かったです」「説明がとても分かりやすく、ヒラメのことを知ることが出来ました」といった感想が寄せられました。相馬の海を子ども達が体感する、貴重な機会になったようです。